巨獣殲滅作戦会議
怪獣のようなバグズが徹底した後、わたし達は研究所に戻りブリーフィング室に集まっていた。
各々座席に座り、所長は前にあるホワイトボードを背にしてこちらを向いている。
「皆さんお集まりありがとうございます、これより先程の超大型バグズへの対策を説明させて頂きます」
「エクスブレインのアレが直撃しても耐えるような奴に対抗出来るのか?」
遠堂隊長が腕組みをしながら所長に質問する、ブレインストームすら耐えたあのバグズ、何回か当てればもしかしたら倒せるのかもしれないけどあれは何度も連発出来るものではない、十回くらいが限度でそれ以上はかなり長いクールダウンが発生する、それまでに倒せなければアウトだ。
「ええ、あのバグズ、個体名をベヒモスとしますが...硬さもさることながら表面上にバリアを形成して攻撃をほぼ無効化していました。
それによりダメージが通らなかったのですが、無敵という分けではありません、一つだけ効いていた物があります」
え~っと効果があった物...
あの時の戦いを思い出して...あっ、そうだっ!
「ブレインソード!!」
わたしが声を上げると皆がこちらに振り向く。
そう、ブレインソードで斬り付けた時完全とはいかなくもある程度斬れていたんだ。
「その通りです、ですがブレインソードでは決定打足り得ません。
そこで、これ等を踏まえてエクスブレインに新たな武装を施す準備を此方で進めています、五日程掛かりますが、その間エクスブレインは動けません。
エクスブレインの穴を埋める為の対処として連邦軍へ部隊の要請をしています、明日には当研究所に到着しますので宜しくお願いします」
室内がざわめく、新しい武装か...どんなのが追加されるのかな?期待共に不安も募る、もしこれでもベヒモスを倒せなかったら研究所は大変な事になる、果たしてわたしはあれを倒せるのだろうか...いや、考えていても仕方ない、やれることをやるだけ。
「あすかさん、ちょっと宜しいですか?」
所長がわたしに声を掛けてくる。
「エクスブレインが暫く動けないのでその間はあちらのリンクを切っておいて下さい、生体ユニットはそのままにしますが色々やる事がありますので」
「うん、分かった」
それから、研究所に来る部隊の細かい説明やなんやらが終わり、わたし達は解散して各自散っていった。
その次の日、研究所の敷地の外へ軍の増援部隊の輸送機が次々と到着し、物資やメガドールが下ろされて急遽用意された格納庫へと運ばれていく。
既に五十機は中に入れたのだがまだまだ続くようだ、辺りには制服を着た軍の人が一杯居て、簡易住居を往復している。
「お~お~、こりゃまたえらいことになってんな」
様子を見に来たのか、缶コーヒーを片手に隊長が研究所入口で見ていたわたしの隣に歩いて来た。
「沢山来てますね...全部でどのくらいになるんだろ」
「あの分だと中隊までいくんじゃねぇかな、ここ最近は各地のバグズ襲撃が減ってるとはいえよく集めたもんだぜ」
隊長がコーヒーを口に運ぶ。
「そういやあすかはどうすんだ?エクスブレイン暫く動かせないんだろ?」
「はい、ですんで勉強に専念しようかと、バグズのせいで授業中に出撃する事多くて...」
「あ~...そうだよな、あいつ等んなのお構い無しに来るからな。
あれはどうなってんだ?エクスブレインと同時に動かすってやつは」
「だいぶ慣れてはきたんですけどね~、視界が二つってのが中々難しくて」
「そうか、まあ頑張んな、出来ることあれば何時でも協力するからよ」
隊長は缶コーヒーを飲み干すと回収用の編みカゴに空き缶を投げ入れ、わたしに手を降ると研究所内に戻っていった。
さて、授業で遅れてるところを片付けるかな。
わたしは自室に戻り教科書とノートを広げ勉強を開始するのであった。




