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鋼鉄機動少女ExBrain(エクスブレイン)  作者: トイレの花子
19/30

二足の草鞋

学生生活が始まり、友達も増えてきて楽しく充実した毎日。

―――だがしかしバグズはそんなのお構い無しにやってくるのだ。


「おはよ~神樹(かみき)さん」


席に座っている神樹さんにわたしは声を掛ける、

すると彼女は此方を見て挨拶を返してくる。


「おはよう守代(かみしろ)さん」


カバンを席の横に掛けてわたしも座る、

それから昨日見たテレビや流行り物の話をして暫くすると授業の開始を知らせるチャイムが鳴り、先生が入って来る。


「それでは授業を始めます、教科書の41ページを開いて下さい」


一時間目は数学だ、皆が黒板に書かれていく数式と教科書を見ている。

ちなみにわたしは数学が苦手なので必死にノートに書いていく。


解らないとこあったら所長にでも聞こうかな...等と考えながら授業を聞いていたその時。


『あすかさん、授業中のところ申し訳ありませんが出撃要請です。職員に手配はしてありますので教室を抜けて保健室のベッドに身体を置いてきて下さい』


所長から通信で連絡が入ってきた。

ぇぇ...こんなときに...

とはいえ嘆いても仕方ないので保健室へ行く事にする。

わたしは手を上げて先生に具合が悪くなってきたと説明して教室を後にした。

退院して間もないと周りには前もって言っておいたので疑われる事もないが、念の為調子が悪そうに振舞う。


教室を出て階下に降りて保健室に一直線で向かう、本当は走って行きたいところではあるのだが、元気な姿を誰かに見られても困るので歩いて移動して数分後、保健室に到着した。


「失礼しま~す」


扉をノックして中に入る、入口横に机がありそこに保険医の人が座っていてこちらに振り替える。

やたら短い赤のタイトスカートに黒のぴったりとしたタートルネック、その上に白衣を羽織った妙に色っぽい女性。

なんというか、男子生徒を手玉にしてるのではないだろうかと思わせる雰囲気を醸し出していた。


「出撃要請は聞いているわ、ささ、そこのベッドに寝て行ってらっしゃい」


この人は研究所が手配した職員の一人らしく、向こうでも同様に医療に携わっているとのこと。


「はい、行ってきます!!」


促されてわたしはベッドに横たわると、こちらの身体のリンクを切った。


視界が切り替わり周りを見渡すとそこは研究所の敷地内、出撃用のエレベーターにわたしは立っていた。


『お待ちしていました、機体は既に出撃準備が完了していますので。目的地はアメリカのニューヨーク、現地では既に軍がバグズと交戦状態に入っています。

至急向かって合流、対処にあたって下さい』


「分かりました、行ってきます!!」


そう返事をするとわたしは一気に加速して研究所を飛び立った。

にしてもニューヨークか...一時間目終わっちゃうなこれは...


研究所を出発してから数十分後、目的地に到達すると多数のメガドールとバグズが戦闘を繰り広げていた。


『それではあすかさんお願いします、尚今回はフライの他にローカストが混じっています、こいつは組ついてきて強靭な顎で装甲を砕いてきます、充分注意して下さい』


言われて見ると見たことの無いバグズがちらほら飛んでいる、イナゴみたいなの、これがローカストか。


サイズはフライよりもかなり大きく10Mくらい、フライよりは遅いものの群れて飛んでいる。

さて、バグズの総数およそ1000、軍は50機だ。

手当たり次第叩き落としていくことにしよう。


先ずは近くを飛び回っているのからいこうかな、

プラズマビットを自動で展開しながらスパイラルナックルで叩き潰す、今回は味方が多いためにブレインブラスターは巻き込みかねないので使用を控える。

組み付こうとこちらに突っ込んできたローカストの顔面にスパイラルナックルをお見舞いしてやり吹き飛ばす、更に何体か翔んでくるのはプラズマシュートで纏めて焼いてやる。


そんなこんなで三十分くらい経っただろうか、あれだけ居たバグズは全部片付いていた。

軍のメガドールは何体か損傷はしたものの犠牲者は無し、大成功だ。


作戦終了の確認を終えたわたしは一目散に研究所に戻るとエクスブレインから保健室の身体に切り替える。


視界が変わりベッドから起き上がると保険医の人が横に立っており、労いの言葉を掛けてきた。


「はいお疲れ様~、ちなみに一時間目が丁度終わったところよ~」


言われて時計を見ると時間は一時間目の終了から三分が経過したところだった。


「間に合わなかったか...後で補習しやきゃ...」


わたしはがっくりと項垂れて自分の教室に戻るのだった。

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