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鋼鉄機動少女ExBrain(エクスブレイン)  作者: トイレの花子
14/30

共同戦線

防衛部と共にフライを次々と撃墜していく、辺りには大量の残骸が転がっておりその数を増していた。


「相変わらずどんどん沸いて来やがるがあすかのおかげで大分押せてきたな、射ち漏らしも無くなってこれなら耐えられそうだ!!」


わたしの後ろでフライを落としながら遠堂(えんどう)隊長が叫ぶ。

確かに余裕が出てきたようで抜けていくフライも居らず、順調に捌けている。


「でも中々終わりませんね、結構撃墜しましたけど...うお!?

た、隊長!!フライが一気に押し寄せて...その数200!!残りのフライ全て纏めて突っ込んで来ます!!」


隊員の一人が告げる、ちょっと数多くない?

う~ん、ならここは...


「ちっ、奴ら数に物言わせて強引に突っ切る気か!!全員気合い入れろ、ここまで来たら多少無理してで...」


「待って下さい、わたしに考えがあります。

皆さんわたしの後ろに下がってて下さい!!」


と、遠堂隊長の言葉を遮るようにわたしは言いながら前に出る。


「おい、何するつもりだ?幾ら何でもこの数は...」


「わたしに任せて下さい、全部一気にやっつけます!!」


遠堂隊長の心配と不安を他所にわたしは迎撃の構えを取る。


「...よく分からんが...分かった、お前に任せる。

あすかの言う通り後ろに下がるぞ!!」


遠堂隊長含め全機がわたしの後ろに後退していく、あれだけ離れれば巻き込みはしないだろう、

安全を確認し、わたしは発射体勢に入る。

胸のプレートにエネルギーが集まり光輝き、

どんどん光は強くなり...


「必殺!!ブレインブラスター!!」


プレートから放たれた、全てを焼き尽くすプラズマビームが眩い光の帯となりフライを全て飲み込んでいき...


「...ぜ、全機消失...残存0です...」


その威力に気圧された隊員がそう報告した、

無事に終わったみたい。


「...嘘だろおい、大型戦艦でもあんな大出力兵器積んでねぇぞ...」


遠堂隊長も驚きを隠せないようで呆然としている、まあそうだよね、わたしも使ったときびっくりしたし。


「と、とにかく、全部終わったな。

よし、周囲警戒後研究所に戻るぞ」


遠堂隊長の指示の元、各機が警戒の為に散開しようと動き出した、そのときである。


「た、隊長待って下さい!!...こ、これは!?

バ、バグズの増援です!!その数...さ、3000!!?それにこの反応...フライだけじゃありません、大型のバグズも多数含まれています!!」


その報告に全員緊張が走る、無理もない、先程でもかなりの数だったのに6倍近い数、更にはフライ以外それも大型らしいのが含まれているのだ。


「...大都市襲撃クラスじゃねぇか、なんだってまたこんな所に...おい、軍の部隊はどうなってる!?」


「駄目です、未だ戦闘継続中でこちらに向かわせる余裕が無いそうです!!」


「くそっ!!俺達だけで何とかするしかねぇか...」


う~ん、流石に数多すぎて捌ききれるか...初の実戦だし戦いに関してわたしはまだ慣れてないし、ブレインブラスターで纏めて倒すにも限界がある。

ブレインブラスターの射程はそんなに長くはない、800Mくらいが限度でそれより先はビームが四散して急激に威力も下がるのだ。

さてどうしたものか...

と、悩んでいると通信が入ってくる。


『研究所からも確認しました、ちょっと数が多いですね。

流石に手間でしょうし、まだ距離もあり纏まって進行しているようです、周辺に生体反応や建物もありません。

なのでアレを使いましょう、許可しますので盛大にどうぞ』


アレ...?...あ、そうかアレか!!

言われて思い出す、アレならこの状況も一度で打破出来るはず。


「おい、アレって何だよアレって、まだ何かあるのか?」


遠堂隊長が質問してくる、まあアレと言われても何か分からないよね。


『皆さんは後ろで見ていて下さい。

直ぐに終わりますので、大丈夫ですよ。

では、あすかさんお願いしますね』


「...なんかよく分からんが...よし、あすか以外は後方に下がり待機!!

あすか、頼んだぞ!!」


遠堂隊長達がわたしの後ろへ下がって行く。

下がりきったのを確認してレーダーを見ると、数キロ先にびっしりと数え切れない白い点が表示されていた、点というか最早塊である。


「よし、やりますか」


訓練通りに両手を胸の前で合わせ、圧縮プラズマ弾を作っていく。

そして生成されたそれを...解き放つ!!


「全てを焼き尽くせ!!ブレインストーム!!」


軌跡を描いて(おびただ)しいバグズの群れに突き進み膨張すると、破壊の嵐を撒き散らして全てを灰塵に帰していった。

うわ~レーダーから一気に消えた、綺麗さっぱりと。


「......」


その光景を目にしていた他の皆は、そのあまりの状況に誰も声をあげること無く口をあんぐりと開けたまま呆然としていた。


『バグズの全殲滅を確認、お疲れ様でした、他に反応もありませんし全機帰還して下さい』

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