今日の日
情景描写を気にする空は人の動作に敏感になっている。なので今日は晴れのち曇り。
ポッカリ開いた胸のなかに入り込んできたサンゴ礁をコップの中に移して、暖まってしまったコーラに注ぐ。温度差を気にするサンゴ礁が溶け出して、薄まるコーラは恥ずかしそうに日焼け止めクリームを塗る。沈まぬ太陽はないといった彼女は、昨日の夜に逃げ、明日の朝日に顔を出そうとはしなかった。今日は曇り後晴れ。眠い目を擦って出てきた朝日に顔向けできる甲斐性もないまま1月1日を抜け、ついには大晦日まで開くことのなかった目をくり抜き、いつも通り午前二時に昼寝をする蛇。そんな彼らと踊った盆踊りを、まぶたに残して今日も扉を開ける手を探すのでした。