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蒼き輪廻の果てに 〜転生したら青い鳥だった件〜  作者: 水猫
第二章 「緑の国」
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93話 緑の忠誠

「コバルト様、今回の件は大変お世話になりました。是非あなた様にお話がありますのでどうぞヴィフレアの街までお越し下さい。我が緑魔族頭首、ハンタ様もそちらでお待ちです」


ミントがそういうと、エメラルドと共にコバルトを手引きした。どうやらこのキュルマの街から最初に行ったヴィフレアの街へ向かうようだ。


ミントに連れられてコバルトはヴィフレアの街へついた。そして王宮へ向かうとそこには大勢の緑魔族がいて、王宮にはハンタの姿があった。


「ハンタ!よかった!無事だったか!」


コバルトがハンタに駆け寄る。ハンタは照れ臭そうにコバルトの目を見れずにいた。クロムにやられ、手負いの中コバルトに背負われていたことを思い出し、なかなか目を合わせずらかった。


「コ、コバルト、あの、その、あの時、あたしのこと助けてくれてありがとう、おかげで命拾いできたよ。あなたのおかげ。あたしのためにあそこまでが、頑張ってくれてあたし嬉しかったよ。本当にありがとうね」


「いいんだ!ハンタ!とにかく無事でよかった!これでみんな無事だな!本当によかった!」


コバルトがハンタに嬉しそうに駆け寄るが、ハンタは照れ臭そうにコバルトの目を見て話さない。というより、彼に何か後ろめたい気持ちがありそうな様子だった。


その後、ミントがそこにいる緑魔族を全て集め、ハンタを先頭に全員でコバルトに跪いた。その中にはスプルースやアイビー、エバーの姿もあった。


「青魔族頭首、コバルト様!この度は我が国の頭首ハンタ様の命をお救いいただき誠にありがとうございました。この御恩は一生忘れません。我が国緑魔族一同、改めてあなた様に忠誠を誓い、あなた様のためならば命を惜しむことなく戦うことをここに誓います。緑魔族代表、ミント・グリーン・ヘッジホッグより」


ミントがそういうと、ほかの緑魔族の跪き、忠誠を誓った。コバルトは突然のことでびっくりしたが、今回の件で緑魔族が相当恩義を感じているようで、それはそれで嬉しい気がした。


コバルトはみんなにそう言われてにっこりと笑って返した。みんなから忠誠を誓われたことより、誰も死なずに生きて帰ってこれたこと、またどこも負傷せずに五体満足でいれたことが嬉しくてたまらなかった。ああ、よかった。ちゃんと大事な人たちを守れた、と。


その後、コバルトはその日一日どこに行ってもたくさんの緑魔族から英雄として讃えられた。青い国でメイズを倒した時と同じ。緑魔族の民を誰も負傷させることなく黄魔族から守り抜いたことが、そして何よりも自国の頭首の命を救ってくれたことが国民から忠誠を誓われることとなったのだ。


そしてその後、ピュアが目覚めると、ライトとミントとハンタとコバルトの三人と二匹でエバーの家で集まり、ことの経緯を話した。ハンタがクロムと対峙して敗北したこと、後々コバルトが駆けつけてクロムと出会ったこと、その後シグナルが現れ、コバルトは深傷を負いながらもどうにか倒したこと。


「そうか・・・。黄魔族頭首、クロムとは獣族か。虎とは師範と同じ種族だな。そいつにはハンタですら敵わないのか」


「ああ、ライト、あたしは全力で戦ったけどコテンパンにやられた。まさかあいつあそこまで強いとは」


ハンタは後ろめたそうにライトにそう語る。召喚獣を使い、実力の全てを出し切ったがそれでも歯がたたなかった。そして自分の力不足に歯ぎしりをして悔しがるのだった。


(たしかにあいつの魔力、そしてプレッシャーは異常だった。ハンタ、そしてメイズよりも強いとはっきり分かるくらいのあの強さ。俺が本気で戦っても果たして勝てるかどうか)


コバルトは二人の会話を聞きながらクロムを思い出していた。あいつの強さは異常だと。ハンタと一騎打ちで戦ってもまだ平然と動けていたことがその証拠だった。


「そして赤魔族六魔将のNo.5のシグナルを倒したか!コバルト、ハンタを守りながらよく倒して生きて帰ってきてくれた。すまんな、何から何までお前に任せっきりで」


「ああ、あいつもかなりの手練れだった。メイズほどの強さではないがあれでNo.5なのか。あいつより強い幹部が四人もいるとはな」


コバルトが赤魔族の幹部の一角を落としたことで戦況は大きく変わる。少なくともこれで赤魔族も警戒し、下手にこの緑の国に手出しをしてはこないだろう。


ライトはコバルトの話を聞くと表情が強張った。そして何か重大なことが起ころうとしているようなそんな様子だった。


「変わる!50年前に何も変わらなかった状況が大きく変わる!青魔族と緑魔族が二国から防戦一方だったあの聖戦とは違い大きく変わる!」


机に肘をつき、両手を前で組みじーっと考え事をしていたライトがものすごい剣幕の表情で大きな声を上げた。みんなはその様子に大いに驚いた。


「ミント、わかるか、これは兆しだ!運命が大きく変わり始める!そして今回の戦いで我々は黄色い国を落とすことができるかもしれない!」


「ああ、ライト!あの時と今はもう違う!あの時失うことしかできなかった戦況とは大きく異なる!あたしたちも全力で戦うよ!きっと今回は勝利できる!」


ライトとミントが現状について激論した。二人のあまりの剣幕に他の三人は飲まれ、驚きを隠せなかった。


(ロイヤル陛下の時の聖戦は防戦一方だったのか。今回は絶対に負けられないな)


コバルトは二匹の話を聞いて絶対に勝利しなくてはとこのとき誓った。そしてあの黄魔族頭首クロム、再び相見えることになるだろう。そしてあに時のプレッシャーが脳内で再生され、手が震えて止まらなかった。


そしてみんなのそんな様子を前に、ハンタは一人ずっと俯いたような浮かない顔をしていた。そして話し合いが終わると、ミントを呼び出し何か話をしていた。そしてミントもハンタからその話を聞くと、最初は浮かない顔をしていたが、ライトを呼び出し何やら頼み事をしていた。


ライトもはじめは浮かない顔をしていたが、ミントきっての頼みだったので仕方なく受け入れることにした。そしてその日は戦いが終わったこともあり、ほっとした様子で各自休息をることにしたのだった。

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