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蒼き輪廻の果てに 〜転生したら青い鳥だった件〜  作者: 水猫
第二章 「緑の国」
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92話 白面書生

「ううん・・・コバルト。大丈夫だよ。きっと良くなるからね。私がきっとあなたを守るからね」


ピュアがベッドで横になりながら寝言を言っている。コバルトそっとピュアの手を握ったままそれを聞いていた。そしてピュアの顔をじっと見つめていた。


(ピュア・・・よかった。生きてまた君に会えた)


コバルトはピュアの顔を見つめながらただただ目覚めるのを待った。本当は起こしてもいいのだろうが、やはり無理に起こすのはかわいそうだった。ずっと寝ないで看病してくれたのだろう。疲労が様子から伝わってきた。


次の瞬間、ピュアが目を覚ましガバッと起き上がった。


「いけない!いつのまにか眠っちゃってた!今何時だろう?ライト!コバルトは!?」


「ピュア、おはよう」


コバルトが起きたピュアににっこりと笑いながら話しかける。ピュアはコバルトを見て驚いた。コバルト、目が覚めたの?もう傷はいいの?と。


「コバルト・・・?」


「ピュア、ライトから全部聞いたよ。俺のために寝ないで回復魔法かけてくれたんだってな。ありがとう。おかげで傷も全部塞がって全快だよ。もうすっかり元どおりさ。これもピュアのおかげだ。俺、またピュアに助けられちゃったね」


「コバルト・・・!!」


ピュアが涙目になってうわーと泣き出しながらコバルトに抱きついた。コバルトはピュアを抱き抱えると優しく優しく頭を撫でた。ピュア、ピュア、ありがとう。


「コバルト!コバルト!よかった!本当に良かった!私、もうあなたが目を開けてくれないんじゃないかって!私あなたがいなくなったらどうしたらいいかわからなくて、だからずっとあなたは目覚めるって信じて!本当によかった!」


「ピュア、ありがとう。なんかさ、ピュアの目が覚めたら色々と話したいこといっぱいあったはずだったのに今は思い浮かばないや。けど、またこうやって生きてピュアに会えた。うん、それだけで俺幸せだよ」


「コバルト!コバルト!」


ピュアはその場でコバルトに抱きついたままずっと泣き叫んでいた。ああ、よかった。コバルト目が覚めてくれて。元どおりになって。その後もう涙が枯れ晴れるくらい泣き叫んだ後しばらくの間じーっとコバルトに抱きついていたが、ほっとしたのかそのままコバルトの胸の中ですやすやと眠ってしまった。


(ピュア、疲れてたんだな。けどよかった。今はゆっくり休んでくれ)


コバルトはピュアを抱き上げるとそのままベッドに置いて今度は布団をかけた。そしてそのままドアを空けて部屋を出た。そういえば気がかりなことがあった。それをミントに聞きに行こうと思っていた。


(あの時自分を助けてくれたのはエメラルドだったか。あんなひどいことしてしまったのに救われて、謝ってお礼を言っておかなくては。あとハンタのことも気になるし)


コバルトが外に出るとそこにはミントとライト、そしてエメラルドが待っていた。何やらかなり重い表情をしているようでコバルトに話があるようだった。


「ああ、ミント、ちょうどよかった。少し聞きたいことがあって。いいかな?」


「はい、コバルト、私からもお話があります。いいですか?」


ミントが後ろめたそうにそう言ってコバルトに話しかける。話?一体なんだろう?横でライトがヒヤヒヤしながら見ていて後ろではエメラルドがとても重たそうな表情をしている。


「コバルト、まずはハンタの命を救ってくれてありがとう。私はあなたに一生かかっても返しきれないほどの恩義を受け取りました。今後あなたのためなら我々緑魔族はとんなことがあっても命懸けで従います」


ミントがそういうと深く深呼吸をして次にこう言った。


「エメラルド。まずはなたの口からコバルトに何か言うことがあるでしょう」


エメラルドはミントにそう言われると、うなだれたままコバルトの前に出てきてその場で手をついて地面を頭に擦り付けてこういった。


「コバルト様、ハンタ様の命を救っていただき誠にありがとうございます。そしてあなた様に剣を向けたこと、無礼な発言をしたことをどうかお許しください、私は一生を持ってあなた様に償いいたします!」


エメラルドがそういうとコバルトはキョトンとした顔をした。え?なんだいきなり。そういうえば聞きたことがあったんだけど。と思いコバルトが口を開こうとした瞬間、ミントがエメラルドの頭を地面に打ち付けて叫んだ。


「エメラルド!あんたねえ!!ハンタの命がかかってる時に、みんなで協力しなくちゃいけないって時に、何自分の私情を挟んでんのよ!あんたがとった勝手な行動のせいで、ハンタもコバルトももう少しで死ぬかもしれなかったのよ!」


ミントが怒り心頭でエメラルドの頭を地面に打ち付ける。ライトが横から止めに入ってまあまあという感じで抑える。


「ライトは黙ってて!これは緑魔族の内部の問題よ!こいつは自分の私情で輪を乱しただけでなく、宗主国である青魔族の頭首にも盾ついたのよ!緑魔族ナンバー3の幹部が!これはトップであるあたしの責任でもあるわ!」


ミントが涙を流しながらその後一緒になってコバルトに土下座をする。コバルトは突然のことであっけに取られていたが、その後ミントはエメラルドと同じように地面に頭を擦り付け、こう言った。


「コバルト様、今回はあたしの指導不足、監督不足が原因でこんなことになりました。責任はあたしにもあります。こんご、このようなことがないようにきつく彼には言っておきますのでどうかお許しください」


ミントとエメラルドが頭を地面にこすりつけて土下座をしていると、コバルトはふっと肩の力を抜いて優しい表情になった。ああ、あの時のこと、そこまで気にしていてくれたんだな。けど、コバルトはそれよりもエメラルドにいいたいことがあった。


「ミント、エメラルド、別にいいよ、気にしないでくれ。それよりエメラルド、森の中で倒れていた俺とハンタ助けてくれたのはお前だよな?ありがとう、お前のおかげで命拾いできた。俺、お前をああやってコテンパンにしたのに命を救ってもらえて悪かったね。俺にたてついたことなんかもういいよ別に。それよりもお前のおかげで助かった。どうもありがとう」


コバルトが優しく優しくお礼をいうと、エメラルドとミントは顔を上げ涙を流してコバルトを見ていた。ああ、コバルト、なんて器の広いお方なのだ。あんな無礼なことをして命をかけさせたのにもかかわらず、許してくれるだけでなくこんんな風に言ってくれるとは。この時一人と一匹は絶対に何があってもこの方に忠誠を誓うことを決意したのだった。


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