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蒼き輪廻の果てに 〜転生したら青い鳥だった件〜  作者: 水猫
第二章 「緑の国」
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87話 青と黄の会合〜コバルト×クロム〜

「貴様ら!ハンタを離せ!」


コバルトが剣を構えて叫ぶ。クロムは初めて会う強大な魔力の持ち主にこれはうかつに動けないと大いに警戒をし、とにかく冷静な対応を考えた。相手は気が立っている。下手に刺激すればこちらが全滅する危険もあるからだ。


「俺の言った通りになったなゴールド。奴は仲間を傷つけられて気が立っている。下手な振る舞いをして刺激するな。二人とも俺のいう通りそして慎重に行動しろ」


「はい」


「かしこまりました、クロム様」


クロムは自身の携えている鉤爪とコバルトの剣が共鳴していることに気がついた。やはりこれは同じ転生者同士に何か引き合うものがあるのだろう。きちんと話をしたいところだが今はそうもいかない。


「動くな!下手に動けばこの緑魔族頭首の命はないぞ!」


レモンに抱き抱えられているハンタの喉元にクロムが鉤爪をあてがう。ハンタは気を失っていて反応することもできなかった。


「クソ!貴様がクロムか!卑怯な!ハンタをどうするつもりだ!」


「とりあえず落ち着け。命までは奪わん。まずはこちらのいうこと大人しく聞け。このハンタの命が惜しければ貴様の持っている剣を地面に置き、両手を上に掲げろ!」


クロムがそういうとコバルトは大人しくそれに従った。クソ!仕方ない。ここでハンタを殺されるわけにはいかない。


「ククク、いい子だ。貴様がコバルトだな。はじめましてだな。俺は黄魔族頭首クロム。きちんと挨拶をして話をしたいところだが互いにそうも時間はあるまい。特にこのハンタは今危険な状態だ。我々が連れて帰って治療してやろうかと思ったが貴様に任せたほうがよかろう。すぐに連れて帰ってやれ」


クロムのその言動にコバルトは驚いた。何?ハンタを治療してやれだと?敵であるのに命を助けようというのか?いったいどういうつもりなのだ?と。


「先ほども言ったが話をしたいところだがもう時間がない。我々はこれで退散させていただく。レモン!ハンタを地面に置いてお前らは先に行け!おいコバルト!俺がいいというまでこちらに近づくんじゃないぞ!」


レモンはハンタをその場にそっと置くとゴールドと共にその場を離れた。クロムは鉤爪をハンタに向けながらジリジリと後退りをしてそこから離れる。


「コバルト。お前とは黄色い国で決着をつけよう。ではまた会う時までさらばだ」


クロムはそういうとその場から颯爽と走り出しいなくなってしまった。クロムがいなくなったのを確認するとコバルトは剣を拾い、慌ててハンタに駆け寄る。


「ハンタ!大丈夫か!?」


コバルトがハンタに駆け寄り話しかけるとハンタは意識を失ってそこに倒れていた。表面的に目立つ傷はなかったがかなりの重傷を負っていて目を覚ましてもとても一人で立ち上がれる状態ではないだろう。これはまずい。一刻も連れて帰って治療をしなくては!


コバルトがハンタを抱き抱え飛ぼうとすると、突然森の奥から強大な魔力を感じた。な、何だこれは!?まさか先ほどの黄魔族が戻ってきたのか?コバルトが驚いていると木々の中から全長10メールとはあるであろうか巨大な蛇が現れた!


「こ、こいつは!?」


コバルトはその大蛇を見ると驚愕した。な、何だこの強大な魔力の蛇は!そしてそれは黄魔族であるとかと思っていたが違う、何と体が真っ赤な色をしていた。こ、これはまさか!?


「おやおや、強力な魔力の衝突があったと思い、来てみればもう終わったあとだったか。そしてこれはこれは何と青魔族か。んー?この甚大な魔力指数は転生者であり頭首だな。そしてそこに横たわっているのは緑魔族の頭首か。フフフ、これは珍しいものにお目にかかれた。はじめまして。私の名はシグナル・レッド・バジリスク。赤魔族六魔将No.5だ」


(あ、赤魔族!?黄魔族の宗主国、赤い国の魔族か!し、しかも六魔将ということは、六人しかいない幹部クラスの魔族ということか!?)


コバルトは初めて見る赤魔族に危機を感じ取った。そういえばミントが言っていた。この礼拝堂は緑の国以外の他の三国の国境付近にあり、赤魔族に遭遇する危険もあると!よりによってこんな時に!しかもこんな強大な魔力を持つバジリスクに遭遇するとは!


「あ、赤魔族だと!?お初にお目にかかる。俺は青魔族頭首、コバルト・ブルー・ピジョンだ。ところで俺に何のようだ?」


コバルトはハンタを気遣いながらジリジリと後退りをし、警戒をしながら問いただす。ダメだ。魔力が高すぎる。さすがは赤魔族幹部だ。少なくともライトクラスの実力は持っている。とても今ハンタを抱えて逃げれる相手ではないだろう。


「フフフ。何の用ですと?赤魔族の私が敵国の長であるあなたに出会って尻尾を巻いて逃げるわけにもいかないでしょう。と、言いたいところですが、あなたのその魔力指数の高さには驚かれました。とても私が敵う相手ではないでしょう」


シグナルがそう言ってトグロを巻いて高らかに掲げていた首をゆっくりと地面に下すとコバルトは少し安心した。どうやら戦う気配はないようだ。このまま引き下がってくれればいいのだが。


「が、そこにいる緑魔族頭首を守りながらでは話は別ですね。食らえフレイムバーン!」


シグナルは突然首を高らかに掲げるとコバルトを目掛けて口から火炎を吐いた。コバルトは咄嗟に剣を抜き、その火炎を切り裂いた。


切り裂かれた火炎はコバルトと後ろにいるハンタの横をながれ、どうにか当たらずに済んだ。コバルトは咄嗟にどうにか剣を降り、難を逃れたが、その火炎の威力に驚いた。


(クソ!なんて奴だ!あんな火炎を正面から受けたら無傷では済まないぞ!)


「ほう、私のフレイムバーンを咄嗟に剣で切り裂くとは。さすがは青魔族頭首!しかしいつまでもつでしょうか?」


コバルトはシグナルの炎を受け、危機を感じ取った。こいつはライトクラスの魔族だ。とても一筋縄で倒せる相手ではない。そして今ここでハンタを守れるのは自分しかいない。こうしてコバルトは負傷している彼女を守りながら一体どうやって戦えばいいかを必死になって考えていくのだった。


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