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蒼き輪廻の果てに 〜転生したら青い鳥だった件〜  作者: 水猫
第二章 「緑の国」
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86話 青い鳥と黄色い虎〜出会った二人〜

「ハンタ!俺はお前という戦士に出会えたことを心より嬉しく思うぞ!ここまで戦うのが楽しいと思ったことはこの世界にきて初めてだ!」


クロムが口から血を滴り落としながらニヤリと笑いそう言った。ハンタはもう魔力も体力も限界に近づいていた。今の一撃で仕留められなかったのがハンタにとって致命的だった。


「俺相手によくここまで戦った!しかしもはやこれまでだ!貴様がまさか召喚獣を使えたとはな!ならばこちらも頭首であり、戦士たる礼儀を持って真髄で仕留めてやろう!いでよ召喚獣、黄貂雷獣!」


クロムが叫ぶと、天から雷が降り注いだ。そして地上にドーンと落ちるとそこには強力な電力を帯びた巨大な黄色いイタチのような獣が現れた。


「ククク、貴様の召喚獣と俺の召喚獣、どちらが上か、今ここでケリをつける!ゆけ!」


クロムがハンタの方を指差すとその黄貂はハンタを目掛けて突進してきた。ハンタはドリュアスに命じ、再び蔓を地面から大量に出し、その黄貂を捉えることに成功した。


しかしハンタが黄貂に気を取られている隙にクロムは再び宙に舞い上がりハンタを目掛けて突進してきた。ハンタは慌てて弓を構えクロムに狙いを定めた。


「甘い!くらえハンタ!金閃乱翔!」


クロムが宙で両手を前に出しそう叫ぶと手の先から全身が金色の輝きものすごいエネルギーの光を放った!ハンタはあまりの眩しさに目眩しをくらい、一瞬にして視界が見えなくなった!


「クソ!目眩しか!なんて奴だ!」


ハンタが両手で目を押さえて苦しんでいるとクロムは鉤爪をしまいそのままハンタの胴体に思いっきり右ストレートのパンチを打ち込んだ。ハンタはそのものすごいパンチに何メールとも吹っ飛び、召喚獣ドリュアスの胴体に打ち付けらればたりと倒れた。


「ハッハッハ!まだまだこれで終わりじゃないぞ!食らえハンタ!雷鳴球芯!」


クロムの両腕から巨大な雷の球体が放たれる。倒れているハンタはその球体にモロに飲み込まれ感電した。


「うわああああああぁぁぁぁ!」


倒れているハンタはクロムのものすごい雷撃を受けると黒焦げになる寸前になった。そしてピクリとも動かなかった。


クロムはハンタの様子を見て立ち往生しながらハアハアと息を切らしていた。どうやら今度こそハンタは立ち上がることも出来ず、意識も失う寸前のようだ。軍配は完全にクロムに上がった。


「クロム様!おめでとうございます!貴方様の実力再びしかと見届けさせていただきました!さ、とどめをお刺しください!」


ゴールドがそう言ってクロムを称えると、クロムは何も反応せず、ただハアハアと立ったまま息を切らしていた。そしてハンタの方へ向かうと倒れているハンタの襟を掴みそのまま持ち上げた。ハンタは気を失っていた。


(ああ、ハンタちゃん、かわいそう。クロム様と戦ったばっかりに。いいお友達になれると思ったのに。でも敵だし仕方ないよね。ここまでね)


レモンが寂しそうにハンタを見ていると、クロムはハンタを眺めたのちゴールドにこう言った。


「ククク、もはや虫の息だな。このまま放置していてもこいつはここで死ぬ。それにしても緑魔族頭首、想像以上に強かった。まさかこの俺がここまで手を焼くとは。おい、ゴールド、お前たしか治癒魔法を使えたな。こいつを治療してやれ」


「な、クロム様?いったいどういうおつもりですか?敵を助けるなど、今ここでとどめを刺しておくべきでは!?」


「ゴールド、だからお前は甘いのだ。今俺は手負いの状態だ。のちにこいつを迎えに仲間がやってくるかも知れん。その時に我々が退散するための取引の道具として生かしておくのだ。やってこなくても人質にしておけば後々緑の国を揺さぶるのにいい交渉材料になる」


なるほど!さすがはクロム様だ!とゴールドは感心した。たしかにここで命を奪うのは簡単だがそれをしてしまうよりも生かしておけば利用価値があるというものだ。ゴールドは言われた通り、ハンタに近寄ると、全身を輝かせハンタに光を浴びせた。ハンタの表面的な傷は塞がったが、どうやら脇腹を骨折しているようでかなり危険な状態だった。


(それにこいつにはまだ聞きたいことがある。同じ転生者として命は奪わん。そしてこの俺とここまでやりあえる実力者の命をここで奪うのは惜しい)


「クロム様、とりあえず応急処置はしましたがこのままでは危険です。私の治癒魔法はあくまで悪化を抑えるものにすぎません。一刻も早く連れて帰り治療致しましょう。ここから黄色い国はだいぶ距離があります。それまではもつでしょうが下手に放置しておけば本当に命を落としかねません」


「ああ、そうだな。すまん、俺は今手負いの状態でとてもこいつを運べん。おいレモン!お前こいつを抱えて連れて帰ってやれ!いいか、絶対に殺すんじゃないぞ!」


「はい♡クロム様♡」


レモンはそう言われると虫の息になり気を失っているハンタを抱き抱えた。すやすやと眠っているようにも見えたがかなり危険な状態だった。


(ハンタ、よかったね。命は無事で。これもクロム様のお慈悲よ。感謝しなさい)


レモンがそう考えながらハンタを抱き抱えていると、次の瞬間、森の奥から巨大な魔力反応があった。な、なんだ?これは!一直線にこちらへ向かってきている!


「ハンタ!」


その強大な魔力の持ち主はコバルトだった。コバルトがようやく礼拝堂にたどり着いた。しかし時はすでに遅し。戦闘は終わり、ハンタは敵の捕虜になりかけていた。


クロムはコバルトを見ると、ハンタと出会ったときのような不思議な感覚に包まれた。そしてそれはコバルトも同じ。クロムをみて驚愕した。それはハンタと出会った時と同じような感覚だった。そしてその魔力指数の高さにも驚かされた。こいつは今まで出会ったどんな魔族よりも強い!あのメイズ以上だ!


こうして緑の国の礼拝堂にて青魔族頭首コバルトと黄魔族頭首クロムの二人は出会った。そしてクロムは、コバルトをみて自分をここまで追いこんだこのハンタ以上の実力の持ち主であることをこの時すでに見抜いていた。


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