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蒼き輪廻の果てに 〜転生したら青い鳥だった件〜  作者: 水猫
第二章 「緑の国」
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85話 緑の精霊

一方その頃、こちらはアイビー。


ハンタと別れたのち、一目散に街に向かって走り抜ける。怖い!怖い!ハンタ様が戦ってるけど自分は何もできない!できることは今すぐに街に行ってこのことを残ったみんなに伝えること。そしてこの森の中で一人でいることが不安でたまらなかった。


礼拝堂から街に向かって随分離れたところでアイビーは巨大な魔力がこちらに向かってくることに気付いた。まだ子供であり、戦士でもなかったが、魔力感知は自己防衛のために使うことができた。怖い!いったい誰だ?


アイビーが咄嗟に木の影に隠れようとすると、そこにはコバルトの姿があった。ああよかった。青魔族の頭首コバルト様だ。味方だ。


「アイビー!よかった!無事だったか!」


「コバルト様!コバルト様!ふえぇ〜ん。ハンタ様がぁ!」


アイビーは泣きながらコバルトに抱きついた。コバルトは優しくアイビーを抱き抱え、無事だったことをただ喜んだ。


「アイビー!とにかく無事でよかった!ハンタはどうなった?」


アイビーは泣き止むと起こった一部始終をコバルトに話した。コバルトはアイビーをここで一人にしておくのは危険だと思ったが、時は一刻を争う。ハンタの安否の方が気になった。


「アイビー!すまない!本当なら今ここでお前を一緒に街まで送っていきたいが、今はそれよりハンタの事が心配だ!一人で帰れるか?」


「はい、コバルト様!僕よりハンタ様をどうかお願いします!今頃きっとお一人で戦っています。僕は一人で帰れます!」


「わかった!すまない!きっと途中でピュアと合流できる。すまんが俺はもう行くぞ!気をつけて帰れよ!」


コバルトはそういうとアイビーを置いてそのまま礼拝堂に向かった。アイビーもコバルトと別れたのち、一目散に街へ向かった。そしてその頃ピュアも礼拝堂に向かっていて、途中でアイビーと合流し、一緒に街まで帰れることになるのである。


その頃こちらはハンタとクロム。


クロムはものすごい禍々しい表情を浮かべニヤリと不適に微笑んだ。ハンタはそのクロムの表情にゾッとしたが、とにかく攻撃に備えて必死に警戒した。


「疾風迅雷!」


クロムがそう叫ぶと立っている場所から目にも留まらぬ早さで一瞬で移動した。ハンタはあまりのスピードに魔力感知を使っても追いつくことができず、何が起こったのかが理解できなかった。


(き、消えた!?こ、これはコバルトの疾風乱舞と同じ!?)


そして気がつくと突然何かがかすめるように強い斬撃がハンタの右腕を切り裂いた。ブシュ!という音と共に血が噴き出す。こ、これはクロムの鉤爪だ。全く姿を確認できない!ただ地面をかける音とともに斬撃がそこに飛んでくるだけだ!


(速い!速すぎる!ダメだ!コバルトと違って地上で接近戦を得意としてる分、場所が特定できない!)


「ヴァインウォール!」


ハンタは慌てて地面に手をつき蔓の壁で攻撃を防ごうとする。しかしクロムの疾風のような強い斬撃に跡形もなくバラバラにされ、盾としての役目を果たさなかった。


(な、なんて奴だ!クソ!コバルトの技より強力だ!こ、これは防ぎようがない!このままではいつかやられる!)


ハンタは自分の今持っている防御壁ではどうにもならず、クロムを止められないことに気づいた。これはどうにかして違う技で破らなくちゃいけない。


「守ってくれ!精霊よ!出いでよ召喚獣、ドリュアス!」


ハンタが両手を地面につきそう叫ぶと、地面から巨大な樹木の精霊ドリュアスが出現した。その召喚獣は巨大な人面樹、トレントのの真ん中に美しい人形の女性の聖霊が埋め込まれていて、両手を掲げると、地面から無数の蔓が出現し、駆け回っているクロムを一瞬で捉えることに成功した。


「な、なんだこれは!?馬鹿な!召喚獣だと!?貴様、召喚獣を使えるのか!?」


勢いよく駆け回っていたクロムは召喚獣ドリュアスの蔓に絡まり捕縛され、身動きが取れなくなった。そして次の瞬間、ハンタはクロムに向かって駆け出し、右手の拳で思いっきりクロムの顔面を殴り飛ばした。


バコォーン!という音と共にクロムの頬にパンチが入る。ハンタのあまりの凄まじい右ストレートのパンチに絡まっていた蔓は引きちぎられ、クロムはそこから吹っ飛んだ。


「クロム様!」


レモンが吹っ飛んだクロムを見て慌てて叫ぶ。ハンタはハアハアと息を切らしながら倒れたクロムを見ていた。そして次の瞬間、クロムはすぐに立ち上がり、口から血を滴り落としながらものすごい形相でハンタを睨みつけた。


「おのれハンタ!よくもやってくれたな!今のは効いたぞ!俺の疾風迅雷をこうもたやすく破るとは!」


瞬時に立ち上がったクロムを見てハンタは驚いた。少なくとも致命傷は追わせられるとは思っていたのだが、想定外の防御力だった。


(あ、あたしは全力で殴り飛ばした!渾身の一撃で意識を奪わなくともすぐには立ち上がれないとは思っていたがなんて奴だ!)


ハンタは召喚獣まで呼び出し、この一撃にかけたがそろそろ魔力も体力も限界に近づいていた。そして想定以上にタフなクロムにもはや絶体絶命のピンチに追い込まれていくのだった。


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