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蒼き輪廻の果てに 〜転生したら青い鳥だった件〜  作者: 水猫
第二章 「緑の国」
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75話 白い目

「ピュア!」


「ピュア!ダメよ!戻って!」


コバルトとハンタは必死にピュアに向かって叫ぶがその声は届かない。ピュアはすっかりゴールドに操られていて、跪いたままだ。ゴールドがゆっくりと宙から地上に降りて来てピュアに語りかける。


「白魔族ピュアよ、今日からこの私がお前の主である。私のためにその身を一心不乱に尽くせ」


「はい、ゴールド様」


ピュアは跪いたままゴールドにそう答えた。どうやら完全に言いなりになってしまったようでもはや二人の声は届かなかった。


「フフフ、いい子だ。ではまずはあそこにいる青魔族を倒せ。お前ならば勝てはしなくとも致命傷は与えられるはずだ」


「はい、かしこまりました」


ピュアがその場で立ち上がりくるりとこちらを向いた。その姿は以前のピュアのような美しい白い瞳ではなくゴールドの体色と同じ色、金色に輝いていた。


(ピュア・・・。お前!?)


コバルトはこちらに狙いを定めるピュアを見て愕然としてしまった。ピュア、本当に操られている。もう元には戻らないのか?ピュア、本当に俺のことを忘れてしまったのか?と。


「エピセス!」


ピュアは右手を掲げるとそこに法力を込めた。ピュアの手が白く輝いた。ああ、完全に戦闘態勢に入っている。エピセスを使うとは。


「ほう、先ほどの魔法防御の攻撃バージョンか、これは面白い!フフフ、かつての味方に攻撃できるとは思わんが、さて、この白魔族に抵抗してみるがいい!」


ゴールドが高らかに笑いを掲げながらピュアを見ていた。そして次の瞬間、なんとピュアはその掲げた右手を自分の真後ろに振り抜いた!


バコォーン!というものすごい音と共にゴールドの顔面にその拳が炸裂する。ゴールドはそこから何メートルも先に吹っ飛び、血を吐いて倒れた。ピュアの法力を込めたエピセスをなんの防御も取らずモロに顔面に食らってしまった。


「き、貴様!何をしている!相手を間違えるな!」


ゴールドはヨロヨロと立ち上がって血を吐きながらそういった。ピュアはそのままゴールドに向かって両手を構え詠唱をした。


「キューマ!」


ピュアの手から白い閃光が放たれ、ゴールドに真っ直ぐ飛ぶ。ゴールドは慌てて宙に舞い上がり、間一髪でそれをかわした。


「ピュ、ピュア、お前!」


コバルトが唖然としてその光景を見ていた。ピュア、どうしたんだ?一体何が起こっているのだ?


「ピュア!貴様何をしている!誰に向かって攻撃しているのだ!?私はお前の主だぞ!」


ゴールドは宙に浮かびながら怒り狂った形相でピュアに問い詰める。ピュアはふっと肩の力を抜いたような表情になりこう答えた。


「あらら、フェニックスだけあって結構頑丈みたいなんだね。私結構本気で殴ったのになあ。あなたしぶといし打たれ強いのね。私、驚いちゃった」


ピュアがクスリと笑いながらゴールドの方を見てそう言った。ゴールドはその様子に驚いた。目の色が元に戻っている。白い目でピュアに見られながらゴールドはショックを受けた。な、なんだと!?こいつかかったふりをしていたというのか!?と。


「バ、バカな!私のマインドコントロールは完璧だったはず!な、何故だ!私の術を一瞬にして解いたというのか!?貴様いったい何者だ!?」


「ふふん、あんな技にかかるくらい私、やわじゃないもーん!それに私がいくら白魔族だからってみんなを裏切ってあなたたちに加担するわけないじゃん!私は青魔族じゃないけど青魔族に守られてる白魔族、ピュアよ!」


「ピュア・・・」


「ピュア!よかった!」


コバルトとハンタが安心した様子でピュアを見ていた。ピュア、よかった。完全に操られていたわけではなかったんだな。洗脳術にかかったふりをしていながら隙を狙っていたんだな。


ピュアはコバルトとハンタの方へ向かうとそこでニッコリと笑ってこう言った。


「コバルト、ハンタ、ただいま!ごめんね二人のこと騙して。本当は一瞬かかっちゃたんだけど跪いたあたりでもう術は解けてたの。けどそのままかかったふりをしてたんだ」


「ああ、ピュア。俺はきっとピュアが戻ってきてくれると信じていたよ」


コバルトが嬉しそうにそう答えた。ハンタは良かったと安心していたが、コバルトの想像以上に嬉しそうな表情を見てなんとなく複雑な気持ちになっていた。


(けどね、本当は跪いた時にコバルトがついさっき私を抱きしめてくれたこと、ふと思い出したの。コバルト、ありがとう、術にかかならなかったのコバルトがいたからだよ♡)


ピュアが嬉しそうにしている反面、ゴールドはものすごく悔しそうに地上に降りてきた。ハンタやコバルトのように自分の身を傷つけたりせずこの俺のマインドコントロールの術をなんの抵抗もなくこうもたやすく破るとは。どれ程の精神力なのだ、あの白魔族は!


「あーらら、ゴールド、あんたの策略も失敗に終わったねえ、やっぱり恋する乙女はそう簡単に操れないよ。あの子からはすごい魔力だけじゃなくてものすごい意志の強さみたいなものを感じるもの」


レモンがそう言ってゴールドを嗜める。ゴールドはプライドを傷つけられキッとなってレモンを睨む。クソ!貴様に何がわかるというのだ!と。


(それにしてもあの子、よっぽどあのコバルトに強い想いがあるんだな。じゃなきゃいくら上級魔族とはいえなんの対策もなくあの術は破れないでしょ。すごいなあ、あそこまで誰かを思うことができる子って)


レモンがそんなことを考えながらピュアを見ていた。こうしてゴールドのピュアを洗脳して僕にする策略はものの見事に失敗に終わったのだった。


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