表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼き輪廻の果てに 〜転生したら青い鳥だった件〜  作者: 水猫
第二章 「緑の国」
71/303

71話 緑の恋心

「ミント、大丈夫か?」


「ライト、ライト、ありがとう。ごめんね、あたしのわがまま聞いてくれて」


「いいんだ。俺の方こそすまん、俺もあいつと正々堂々戦いたかった。つい我を忘れてしまった。ミントのおかげでちゃんと決着はつけられそうだ。ありがとう」


ライトはミントの怪我の様子を見ると、もはや立ち上がれないほどコテンパンにやられていることに気づく。ミントをここまで打ちのめすとは。やはりアプリコット、侮れない。


(このミントですらアプリコットには敵わないのか。これは並大抵の覚悟では挑めないな)


ライトは再びくるアプリコットとの再戦に向けて今以上に腹を括らないければと思った。そしてこれまでにない熾烈な戦いになるだろうとそうおもった。


「ミント、スプルース、とにかく無事でよかった。心配して一目散にかけてきて正解だった」


「はい、ライト、そしてミントもどうもありがとうございました。私一人ではここを守り切るのは大変でしたが、あなた方が来ていただいて本当に助かりました」


「ああ、アプリコットが退散したということは、もはやこちらにはもうあれ以上の魔族は侵入してこないだろう。とにかく一安心だ。スプルース、ミント、どうか今はゆっくり休んでおいてくれ」


ライトがそう言ってミントを抱え、王宮の中に連れて行こうとすると、中からエメラルドが出てきた。


「ラ、ライト!戦闘は終わったか!?」


アプリコットの強大な魔力に怯え王宮の中で震えていたエメラルドが出てきた。どうやらかなりの臆病者らしく、ガタガタと震えながら剣を構えてそこにきた。


「ああ、エメラルド。ミントのおかげでここは守り抜けた。一件落着だ」


「じゃあさ、ライト!俺はもうあっちにもどっていいか?ハンタ様が心配なんだ!」


エメラルドがあちらが気が気でないような様子でライトにせがむ。ライトはこちらが良くなってほっとしたのも束の間。そういえばこちらの事で頭がいっぱいであちらの事をすっかり忘れていて、気が気でなくなってしまった。


(そうだ!あちらはどうなった!?コバルト、ピュア、ハンタが相手であのレモンとゴールドでは勝負にならないはずだが、どうも不安だ!向こうに戻るべきか!?)


が、しかし今の現状を把握してライトは困ってしまった。今、こちらで戦える戦士は自分とエメラルドしかいない。ミントは動くことも出来ず、スプルースは魔力も体力もほとんど使い果たしていて、これ以上戦わせるのは厳しいだろう。ということは万が一ここを誰かに襲撃されてしまうと、誰もここを守るものがいないのだ。


(エメラルドにここの番をさせるわけにもいかないな。向こうに行きたがっていて気が気でないし。それにそれはないだろうが、また幹部クラスがここにやってきたら、こいつではどうしようもない)


ライトは状況を瞬時に把握して自分はここに残る事を決意した。ゴールドの策略が気になりはしたが、ハンタとピュアだけでは不安だが向こうにはコバルトがいるからどうにかなるだろう。あいつなら頭もキレるし、策略にも対応できるはず。


「わかった。エメラルド。俺はここに残るがお前は向こうに戻っていいぞ。そして何かあればいの一番にここにもどってきて俺に報告してほしい。それでいいか?」


「ああ、わかった!ライトありがとう!あとは頼んだ!」


エメラルドはそういうと王宮に入って向こうに戻って行った。ライトはその後、動けないミントを看病していたが、どうもミントの様子がおかしいことに気づいた。ん?何やら顔が赤い。


「ミント?どうした?大丈夫か?何やら気が昂っているようだが。脈も早そうだ」


「あ、いやいやライト、なんでもないよ。戦闘の後でああいうことがあって、今回はほんと死ぬかとおもったから興奮しちゃって」


死ぬかとおもい、戦闘の後に興奮する?普通逆だろう?助かった時は安堵の気持ちで緊張の糸が切れてフッとなって体は動かなくなるものだが、どうもおかしい。


(ア、アプリコットの抱き方、優しかったなあ。ライトよりあっちの抱き方の方があたし好きかも・・・。ああー、また彼にギュッとされたいなあ。って、あたし何考えてんだろ?もーバカバカ!あたしはライトが好きなのにぃ!)


年十年も生きている魔族のハリネズミといえど、女としての感情は健在だった。たとえ心に決めた存在がいても他のものに優しくされたりすると目移りしてしまうこともあるのだ。これだから女心って複雑なのよね。ミントはそうおもっていた。


その頃、緑の国から黄色い国の国境を目指し、森の中を走っているアプリコットはずっとミントの事ばかり考えていた。初めてミントと剣を交え、そして終わった後にあんな近くで抱き抱えて話せたことが初めてだった。


(ミント、君と初めて二人で話せた、そして君を抱き上げれた。俺は幸せだ。俺がこうして生きているのは君のおかげだ。またきっといつか会って、そして今度こそは君に想いを伝える。君を愛していると)


ライトにとって二つの意味で強力なライバルが出現した。そしてアプリコットはライトを倒し、敵とはいえ絶対にミントを手に入れて見せるとこの時心に誓ったのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ