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蒼き輪廻の果てに 〜転生したら青い鳥だった件〜  作者: 水猫
第一章 「青い国」
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6話 青き戦い 〜コバルト・ブルー・ピジョンvsネイビー・ブルー・ガルーダ〜

「それではこれより、コバルトvsネイビーの模擬戦を行わせていただきます。判定はわたくし、ライトが務めさせていただきます」


闘技場に移ると、そこはあふれるばかりの魔族で賑わっていた。新しくきた鳥族の頭首コバルトと、鳥族の長であるネイビーの模擬戦が行われるということでみな集まったのだ。


「ネイビーもどうしようもないね。なんでこんな意味不明なことをやるんだか。相手になるわけないじゃない。鳥族の長と新参者が」


「まあ、あいつはああいうやつだからな。ただそれなりに手加減はするだろう」


セレストとシアンが話していると、ピュアは一人、必死でコバルトの無事を願っていた。どうか、どうか何もなく終わりますようにと。


ライトが両者に全く同じ剣を渡すと中央に立った。そして合図をするとゴングがなった。そして戦闘が始まった。


次の瞬間、コバルトはいきなりネイビーに走り出して斬りかかった。ネイビーは後ろに軽く跳躍するとひらりとそれをかわした。ふむ、どうやら背中に羽が生えているとはいっても、体は人間のままだ。動かないということもないし、剣が振れないということもない。


ネイビーはその様子を見て鼻で笑った。やはりこいつ戦闘に対して何もわかっていない。何も考えずただ斬りかかって来ただけだ。


コバルトはネイビーのその表情を見て何かを悟った。こいつ、俺のことを見下している。下に見ている。これはチャンスかもしれない。


コバルトはまたすぐにネイビーに斬りかかった。ブンブンと何も考えずに剣を振るい、ネイビーはそれを嘲笑うかのようにかわしていく。そのうち、全く同じ単調な攻め方に、呆れてくるようになった。


そしてそれは大衆も同じだった。一方的にただ責めているだけで全てかわされている。一体何度同じことをすれば気が済むのかと。


「コバルト、初めて見たとき、もう少し頭の良いやつかとは思ったがなんだありゃ。あれじゃあ全く戦場には出れないぞ」


シアンもその戦い方を見てそう思った。銃撃戦で言えば下手な鉄砲あたる戦法。ただ闇雲に斬りかかってるだけ。


(コバルト、どうしちゃったの?あなた、そんな戦い方じゃ)


ピュアが心配そうにその様子を見守る。いったいいつまで同じことを続けるのか?


ネイビーは呆れ果てて、もはや避けるのも億劫になってる時に、コバルトは一旦手を止めてネイビーの様子を伺った。ネイビーはへらへらとコバルトを見ながらこう言った。


「どうした?コバルト、もうおしまいか?まあ、そんな攻撃の仕方では一生かかっても私は倒せんがな。見るところによると、お前、その羽は鳩の羽だな。ハハハ、鳩が私に勝てるとでも?私はガルーダの化身よ。その私に挑むなんざ100年早い」


ネイビーがそういうと次の瞬間、コバルトはまたネイビーに向かって駆け出した。また同じ単調な攻撃か、とネイビーは思ったが、ネイビーに近づいた途端、コバルトは上に向かって剣を放り投げた。


ネイビーが驚いて上を見上げる。なんだ?何をした?上を見ている瞬間、コバルトの右ハイキックがネイビーの脇腹に炸裂する。


「ぐはぁ!」


ネイビーはコバルトに蹴りを入れられると、血を吐き、吹き飛んだ。そして地べたに倒れ込んだ。


「は、入った!一発はいった!先にコバルトが一発入れた!」


シアンが驚いてそう叫んだ。なるほど、闇雲に剣を振り回していたのはネイビーを油断させて、そしてまた同じ攻撃をすると思わせておいて、剣を上に放っている間に蹴りで一撃を入れるためだったのか、コバルト、やるな。


それにしてもなぜあんな発想ができるのだ?鳥族に。むしろあれは悪魔族のような頭のいい種族にしか考えられないような戦術だ。そんな風にシアンは考えていた。

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