55話 緑のインナー
「じゃあ戦いも終わったしさ、みんなで温泉行こうよ温泉!いい汗かいたあとは温泉で汗流してゆっくりしよう!」
ハンタがそう言うと一同は街へ戻る。コバルトは何かビクビクしていてライトはなぜか不満そうでミントはずっと俯いたまま。ん?なんだこれ?絶対何かあったんだけどわからないなあ。ピュアはそんな風に思っていた。
「あ、あのさ、あたしちょっとライトと二人で話があるから着替えとか先準備しといて。終わったら行くから」
ミントがとても苦しそうにそう言ってライトを無理やり連れて自分の家に一目散に駆けていった。やっぱりミントなんか様子が変だ。なにがあったのだろう?
ミントは家に入ってバタンとドアを閉めるといきなりその場で仰向けになって両手で腹を抱えながら笑い転げた。
「あーはっはっはっは!あーおかしいおかしい!面白すぎてもう吹き出すのずっと我慢してたわ!コバルトめちゃくちゃかわいかったよね!あ、あれが青魔族の頭首であのメイズを倒した実力者なんて!戦ってる時とギャップありすぎだわ!」
薄緑色したハリネズミが床の上で仰向けで腹を抱えながら左右に転げ回りながらそう叫んだ。その姿にライトは不覚にもキュンとしてしまった。ああミント、可愛いのはお前だよと。
「ところでミント、なんでコバルトはあんなに慌ててたんだ?なんか隠したい事でもあったのか?」
「いやいや、ライト、コバルトさ、たまたまピュアのパンツ目に入っちゃってウブだしまだお子様なのかそれで鼻血だしちゃってそれを悟られないように必死で誤魔化してんの!きっとさあ、自分がライトのパンツを覗こうとしたことを許せなかったんだけど、不可抗力とはいえピュアのパンツ見ちゃったことに自分も同罪だって引目感じてたんじゃない?あの性格ならハンタにああやって言い寄られてもなにもできないわ!可愛すぎだよねー!」
ミントの大笑いしながらの説明を聞いてライトは愕然とした。くそう、しまった。俺も初めからオペラグラスなんか持ってなければ遠くからとはいえピュアのパンツ覗けたのか!こ、これはしくじった。
「ところでミントあっ」
「ん?なにライト?」
しまった!とライトは思った。とにかくピュアのパンツの色だけでも確認しときたかったのだが、そんな事ミントに聞いたらまたどつかれる事を悟っていたのだ。こういうのは後でコバルトに聞けばよかった。けど質問しちゃったし、どうしようと。
「ハンタのパンツの色はハンターグリーンなの?」
ライトは慌てて違う話題で何かごまかそうと思ったがパンツのことで頭がいっぱいだったのでとりあえずピュアからハンタのことを切り替えたがパンツの話題を切り替えるのを忘れていてごっしゃになって変なことを聞いてしまった。
「ハンタのパンツ?んー知らないなあ。あの子いつもハーパンとかロングのズボンとか男っぽい格好多いからスカートとか履いころ見たことないんだよね。風呂は一緒に入ったことあるけどわざわざパンツなんか確認しないし」
思いの外、真面目な回答が返ってきたことにライトは驚いた。なんでだろう?ミント、ハンタのことを質問されたことに対しては結構真面目になったりするな。
(ああ、それくらいハンタのことを大事に思ってるんだなミントは。いい側近だ)
ライトはなんとなくミントの反応を見てそう感じ取った。とにかくいろんな意味で緑魔族も大変だったんだろうな。そんなことを考えていた。
二匹はそんなこんなで外に出る。とりあえずミントにどつかれなくてよかったと思っていたライトだった。そして三人が着替えや石鹸やタオルなど一式持ってそこで待っていた。
「ああ、待たせて悪いな。あのさ、コバルト、ちょっといいか?」
「ん?なんだよ?ライト」
ライトはコバルトと他のみんなから少し離れた場所でコバルトにしゃがんでもらい、耳打ちをした。
「あのさ、コバルト、ピュアのパンツの色って何色だった?やっぱり白だったのか?」
ライトの急な質問にコバルトは顔が真っ赤になった。そしてピュアがハンタにハイキックをしているシーンが再び脳内で再生され、遠くながらもピュアのパンツのことを思い出してしまった。そしてその場でコバルトは微量ながら鼻血を出した。
「な、なに言ってんだよ!ライト!お前!」
「え?だってコバルトみたんだろ?俺に教えてくれたっていいだろう?同じ男同士なんだし」
「ちょ、おまえふざけんなよ!そんなこと言えるわけないだろ!」
コバルトは小声ながらもライトに注意をした。そしてその様子を女の子達は見ていて、ミントはまたライトがどうしようもないこと聞いてコバルトが鼻血出してると笑いを堪えた。ハンタはなるほど、さっきの手についていた血は鼻血だったかとそこで悟った。そしてちょっとしたエロいことでも興奮して鼻血出しちゃうんだな、ウブだなあと親近感が沸いた。そしてピュアは一部始終を見ていたが、ここまで見せられてもなぜコバルトがああなっているのか、一切理解ができなかった。




