54話 緑白の決着
その後、接近戦による二人の女の子の肉弾戦は熾烈を極めた。
至近距離で戦うと白魔法を打撃に込められるピュアの方が破壊力が凄まじく、ハンタは緑魔法の樹属性でそれを防ぐが全体的にピュアの方が上。距離をとって戦おうとするにもピュアは白魔法の波動によるキューマがある。これにはハンタもものすごく手を焼いた。
かなりの距離をとったままハンタとピュアは互いに睨み合っていた。そして何秒かじーっと互いに動かないままでいるとハンタがふっと全身の力が抜けたように表情を崩してこう言った。
「まいった。あたしの負けだ。ピュア、あんた想像以上に強いんだね」
ハンタのあっさりとした降参にピュアはキョトンとした。え?もう終わり?これからって時にどうしたのハンタ?
「あたしの負けだよ。ピュア、ごめんね。あたし、あんたのことナメてたわ。丸腰でやって戦える相手じゃなかった。あんた本当に強いよ。あたし、あんたと戦ってみたくてああやってはっぱかけるようなことしてさ、それで対等のつもりで武器持たなかったんだけど。そんな気持ちで戦える相手じゃなかったね。ごめん」
ハンタがそういってにっこりと笑いかけると、ピュアはホッとしたのかなーんだという感じで緊張をといた。それにしても久しぶりにここまでガチで戦ったなあもう。あれ?そういえばなんで私ここまで本気になってたんだっけ?とピュアは本来の目的を忘れていた。
(やっぱり、あたしみたいに好奇心で戦ってみたいと思った考えと本気で戦おうとしてるピュアとじゃここまで差がついて当たり前だよね。ま、あたしも半分は好奇心でもう半分は本気だったけどね)
ハンタは心の中でそう呟いた。コバルトのことでここまで本気になれるピュアが羨ましかった。あたしも結構本気だったんだけどなあと。
「ピュアー、あたしあなたが本当に強くて驚いちゃった!それでさ、あたしあなたのことすっごく気にいちゃった!あたしあなたともっと仲良くなりたいし、色々知りたい!そうだ、ねっ!このあと一緒に温泉入ろうよ!」
「ああ、うん、ハンタ!あなたもすごく強かったよ。私もあのまま続けてたら勝てたかどうか。うん、ありがとう!私もハンタのこともっと知りたい!よろしくね」
ピュアとハンタはガッチリ握手をするとその場でJKのりでキャッキャと戯れた。ハンタも初めて自分と同じくらいの強さの女の子の友達ができてとてもうれしそうだ。
(ハンタ、よかったね。同い年くらいの友達ができて。あ、まあライバルであるからまたいつどこでどうなるかわからないけど)
ミントがそんなことを思いながら客席から二人を見つめる。ハンタの1番の理解者であり、側近として今後ハンタの行方を見守っていけなきゃいけないのだが、とりあえずピュアと仲良くなれたみたいでよかったなと。
「というわけでまたまたあたしの負けでした!いやーピュア本当に強かったわ!んで、なんでライトは縛られてんの?なにそれ?なんかのプレイ?ミント?」
ライトが縄で縛られている様子を見てハンタは不思議でたまらなかった。ミントが何か言いかけた時に慌ててコバルトが口を挟んだ。
「ああ、ハンタ、こ、これは違うんだ!えーとね、ライトが女の子同士は戦うのまずいとか言って今にも飛び出しそうだったから俺とミントで慌てて縛り付けてさ、な?ミント」
コバルトが慌てふためいて説明するとミントは口を膨らまし、今にも吹き出しそうになって笑いを堪えていた。ああ、コバルト、あんたそんなにピュアのパンツ覗いちゃったこと、罪悪感感じてんのね。不可抗力なんだから気にすることないのに。ウブな男の子って面白くてかわいいなとミントは思っていた。
ピュアはそのやりとりを見てまたライトがなんか変なことをしようとしたのが手にとるように分かった。けれどコバルトがあんなに慌てるってなんだろう?ライトは常習だからわかるけどコバルトが何か隠してい事でもあるんだろうか?
「ん?コバルトどうしたの?そんなに慌てて。それに顔赤いし?それに血?何?どっか怪我したの?」
ハンタはコバルトの手に微量の血がついていることを見逃さなかった。ん?これはどこかで切ったのか?まさかライトを縛る時何か揉めたりしてそうなったのか?
「あ、いやいやなんでもない!なんでもない!ちょっとこれはぶつけて切っちゃって・・・」
ミントは笑いを堪えきれなくなり下を向いて必死で堪えた。そうだよね。ピュアのパンツ見えちゃってそれで鼻血出したななんてカッコ悪すぎて言えるはずないよね。ウブな男の子ってほんと可愛いわ。あたしもこんな彼氏いたら楽しいだろうなと思うミントだった。




