53話 緑の樹人vs白い悪魔〜ハンター・グリーン・アルラウネvsピュア・ホワイト・デーモン〜
「へぇー!やるじゃんピュア!まあ最初っから結構強いと思ってたけどここまでとはね!あたしも手を抜けないね!」
ハンタがそう言って離れた距離から体制を構える。そして両手を横に広げて構えるとコバルトと戦った時のようにあの技を出した。
「リーフカッター!」
四方八方から舞い込んでくる大量の葉っぱがピュアに襲いかかる。ピュアも両手を前に出し、横に大きく広げて呪文を唱える。
「アミナ!」
防御魔法アミナ!一瞬のうちに大量の葉っぱは相殺され、跡形もなく消えてしまった。焼き払ったというより、光にそのまま飲み込まれるかのように。
「リーフカッターを跡形もなく消した?え?あの技は?」
「ほーらにゃ、ミント、だから言ったろ?ピュアは強いんだって。防御に長けてるからそう簡単には倒せないよ」
ライトが縄で縛られながらそういう。ミントはピュアの出したなぞの閃光を見て驚愕していた。あれは一体なんだ?
次の瞬間、ピュアはその両手を前にだしたまま、ハンタに狙いを定め、こう叫んだ。
「キューマ!」
ピュアの両手から白い波動がハンタに向かって一直線に飛ぶ。な、なんだこの閃光は!?ハンタは驚いて両手を下について技を繰り出す。
「ヴァインウォール!」
ハンタはコバルトの水乱切りを防いだ時のように目の前に地面からいくつもの重なった植物の蔓が芽を出し、波動を受け止める。しかしピュアの出した波動の前にその植物の壁は相殺されバラバラになった。
そしてそのバラバラになった蔓の中からハンタに向かってピュアが一直線に突進していく。ハンタはそのあまりのスピードに樹属性のシールドを出すことも出来ず、慌てて両手でガードをする。
「エピセス!」
ピュアの強烈なパンチを魔法防御も使わず生身で受け止める。流石にこれにはハンタも受け止めきれずそのまま何メートルも吹っ飛んだ。
「くそ!よくもやってくれたね!ピュア!」
ハンタは両手でガードしたものの、ピュアの魔力を具現化した攻撃にダメージは避けられなかった。致命傷には至らなかったものの、先手を取られてしまったのだ。
「ハンタが押されている?武器を使ってないとはいえ、あのハンタが!?ピュア、あの子何者なの!?」
ミントが相変わらず外から驚いた様子で眺めている。そしてそれはコバルトも同じだった。今までピュアの戦いを見たことがなかったが、自分を一度は追い詰めたハンタに対し、ここまでやるとは。
「ヴァインウィップ!」
再びハンタは両手を地面につくと、地面から蔓を出した。そしてそれを両手に持つと離れた位置からピュアに向かって振り回す。
「ピュア!あんたの強さはわかった!もうあたしも容赦しないよ!ここからは本気でやらせてもらう!」
「へえ!今まで本気じゃなかったんだ!負け惜しみはやめてよね、ハンタ!大丈夫!丸腰なんだから負けてもおかしくないよ!」
ピュアの挑発にカチンとくるハンタ、そして勢いよく、蔓の鞭を両手で振り回しピュアに襲いかかる。ピュアはそれをアミナではなく、エピセスを使って一本一本砕いてゆく。
「はぁー!」
ピュアは蔓の鞭を蹴りやパンチでいくつも粉々に砕くと再び一直線にハンタに向かってゆく。ハンタは樹属性の技をいたとも簡単にピュアに破られたことに驚愕し、同時にショックを隠せなかった。
(クソ!こいつ、間合いに入ってくるつもりか!上等だ!そっちがその気ならこっちも受けてたつ!)
ピュアはハンタの間合いに入り、左足でハンタの脇辺りを蹴り上げた。ハンタは樹属性で手をいくつも出し、それを防ぐが、その激しい蹴りに動揺を隠せなかった。
(な、なんて威力!これが女の子の蹴りだっていうの?)
ハンタも負けじとピュアにパンチやキックなどの打撃を至近距離で繰り出す。そしてそのまま二人は格闘戦となり、女の子同士の丸腰の戦いが始まった。
そして外野では、ミントは両手でライトに目隠しを始めた。
「ライトは見ちゃダメ!」
全身を縄で縛られているのでライトは抵抗できなかった。ああ、格闘戦見たいよう。
そしてその横でコバルトは顔を赤くして鼻血をだして戦いから目を逸らしていた。
(み、みちゃった。ピュアのパンツ見えちゃった。ライトのいうとおり、純白だ。ああ、ごめんピュア、俺見るつもりなかったんだけど。まああれだけ足をあげたりすれば否が応でも目に入るよな)
ライトの目を両手で押さえながらその様子をみてミントは笑いを堪えていた。
(コバルト、この子かわいい。女の子のパンツ見ただけで鼻血出して。純粋というか、お子様というか、女の子に免疫ないんだろうか?)
ミントはライトには絶対見せないように対策していたが、コバルトが見ていても咎めなかった。あえて見ようとするやつとそんなつもりはないのに目に入ってしまう人とでこうも扱いが変わってくるのだ。普段の行いが大事なのはどこの世界も一緒だなあと思うコバルトだった。




