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蒼き輪廻の果てに 〜転生したら青い鳥だった件〜  作者: 水猫
第一章 「青い国」
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5話 青と白の論争

「さて、これで異存はないな、ネイビー、このお方こそ、我々青魔族の頭首となられるお方なのだ」


ロイヤルがそういうと、ネイビーはグッと黙り込んでしまった。コバルトは剣を箱に戻すと、不思議な感覚に包まれていた。あの剣と自分自身が共鳴しているかのような、そんな感じに。


しかし、ネイビーはどうしても解せなかった。なぜだ、なぜ鳥族のトップである俺を差し置いて、同じ鳥族のこの新参者がこの国の頭首なのだ、そして剣と柄の両方が光っただと!?プライドの高いネイビーはどうしても納得がいかなかった。


「し、しかし、陛下!これだけでは証明にはなりません!実際に実力を見せていただかなくては、本当に戦う力があるかどうかの!」


「いい加減にしなさいよ、ネイビー!」


ピュアがネイビーに噛み付く。もう証明はされているのに、いつまで文句を言っているのかと。


「あなた、同じ鳥族だからって、コバルトが頭首になるのが悔しくてしょうがないんでしょう!いままで自分が鳥族のトップだからってやきもち焼いてるんでしょ。もう証明されたんだから大人しく従いなさいよ!陛下が決めたことなのよ!」


ピュアにそういわれ、腹が立ったネイビーはその場で即言い返す。


「うるさい黙れ!大体貴様は白魔族だろう?ここは青魔族の国だぞ!いくら陛下がお認めになられたと言っても、全ての青魔族が貴様を受け入れているわけではない!異形の者は引っ込んでいろ!」


とうとう、ピュアとネイビーの論争が始まった。これにはピュアも腹を立てたのではなく、傷ついてしまった。ここの世界では、自分は受け入れてもらえない?たしかに自分は違う世界の魔族だけど、王に認められ、この世界で協力することを決めたはずなのに。


ライトの表情が強張った。そして怒りに満ちていた。おい、ネイビー、貴様いい加減にしろ、俺の護衛対象にそんな口を聞いてただで済むと思うなよ、と言いかけたとき、コバルトが立ち上がった。


「わかった!そこまでいうのなら、俺は戦う!ネイビーと言ったな。お前、俺と一対一で決着をつけるか?」


コバルトがネイビーをギラリと睨みつけた。ネイビーはそれに対して受けて立つように立ち上がり、睨み返した。


「望むところだ、コバルト、お前は私の実力を知らない。お前は戦闘訓練も受けず、戦場にも出向いたことはないだろう?この国を守る戦士の実力をおおいに思い知らせてやろう」


こうして成り行きではあったが、コバルトとネイビーが戦うことになった。コバルトはこの世界にきてから、戦うことを嫌がっていたが、自分がどれくらい戦うことができるのかを知りたいこともあったし、何よりも自分を守ってくれるピュアのことを侮辱されたことがどうしても許せなかった。そしてライトが仲介を務める中、コバルトとネイビーの模擬戦が行われることになった。そして模擬戦のルールとはこのようなものだった。


1互いに魔力は使用しない

2相手を殺してはいけない

3どちらかが参ったというか気絶したら終わり

4武器は互いに同じものを使う

5種族による能力を使うのはあり


その内容を読んで、コバルトはあまり理解ができなかった。4まではわかるが、5とは一体なんなのか?


「ああ、5はね、例えば鳥族や竜族だったら羽を使ってもいい。樹人族だったら伸びる手足を使ってもいいみたいな感じだよ。まあ種族によって、使えるものは使っていいって感じかな。魔力じゃないからね」


ライトがコバルトにそう説明する、なるほど。そういうことか。


新しくきた鳥族の転生者と鳥族のトップの戦士の模擬戦が行われるということで、たくさんの参加者が見にきた。そしてその中にはシアンとセレストの姿もあった。


「ピュア、なんだか大変なことになったな」


シアンがピュアにそう話しかける。ピュアは心配そうにコバルトを見ている。


(コバルト、ごめんね、私のために。大丈夫かな?無理しないでね)


こうしてコバルトは、この世界にきて、初めて同じ青魔族のネイビーと模擬戦ではあるが対峙することになった。自分は果たしてどこまで戦えるのだろうか?そんな感情がコバルトの頭の中を渦巻いていた。

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