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蒼き輪廻の果てに 〜転生したら青い鳥だった件〜  作者: 水猫
第一章 「青い国」
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34話 青い剣と白い鞘

一方その頃こちらは黄魔族。


「失礼いたします、クロム様。」


「アプリコットか。入れ。」


黒装束を着た、一匹の黄色いリスが、王の間に入る。杏色からとって名前はアプリコットと言うようだった。


「クロム様、ご報告いたします。どうやらメイズがやられた模様です。」


「何?あれほどの強さを誇るメイズがやられたというのか?お前の言っていた猫にか?」


「いえ、メイズはライトよりもう一段階、いえ二段階も上の実力を誇る魔族です。とてもライトに敗れたとは思えません。」


「では誰がメイズを倒したというのだ?ロイヤルという戦士はもはや戦えないのだろう?」


「はっ、おそらく新しく来た、転生者にかと。どうやらようやく青魔族にも現れ、あの国を統治しているようです。」


アプリコットが跪き、そのように話す。台座に座っていたクロムは立ち上がり、ニヤリと笑った。


「そうか!とうとう青魔族にも現れたのか!フフフ。メイズを倒すとはこれは面白くなってきた。アプリコット、その転生者の名は?」


「は、どうやらコバルトというようです。プリムローズの部下から聞きました。そして鳥族のようです。」


「コバルトか!いつの日か、俺と戦う日が来るだろう!このクロム・イエロー・タイガーがそいつを葬ってやるわ!」


クロムの声が王宮に響き渡る。メイズを倒されたのが、黄魔族にとって大いなる損失だったのだが、クロムは闘争心に駆られ、青魔族の頭首コバルトと戦う日を待ち望んだ。


そしてこちらは青魔族。


王宮を訪れた二人と一匹はまず初めにラピスラズリの元へ出向き、事情を話した。メイズはコバルトが倒し、誰も死ななかったこと。昨日の戦いで陛下がいなくなり、コバルトにその意思を託したこと。そしてラピスラズリに何も言えずに別れを告げたことをどうか許して欲しいといっていたこと。


「そうか、陛下が・・・。」


ラピスラズリは俯きながら黙ってその話を聞いた。とうとう陛下はこの国からいなくなってしまったのだな。寂しいが、いつかは受け入れなくてはならない事実だった。


「わかった。ライト。これからは私一人でこの国の結界を張ろう。コバルト様、こちらをお受け取りください。」


「これは」


ラピスラズリがそう言ってコバルトに剣を差し出す。これは昨日メイズとの戦いで使用した、あの魔力を図る剣。そして姿ははもうコバルトが使用していた時と同じ長さになっており、刀身の色は青で柄が水色、持ち手が灰色だった。そして、ん?白い鞘がある?


「はい、こちらは陛下がかつて使われていた剣です。そして50年前の聖戦が終わった後、もう使うことはなくなりました。昨日、陛下が使おうと思った時に変化しなかったのは、あなた様という後継者が現れたからです。そしてこの白い鞘は陛下が一緒に使われていた鞘です。どうかお持ちください。」


ラピスラズリは剣を鞘に収めてコバルトに差し出す。コバルトは剣を受け取り、それを腰に収めた。これからはこの剣で本格的に魔族と戦っていうことになるのだな。


「そしてこれからは、私はあなた様をこの国の頭首として崇めます。ご覧の通り、私は昨日の戦いで盾を失い、もはや戦うことはできなくなってしまいました。結界を張ることしか能がありませんがどうぞよろしくお願い致します!」


ラピスラズリがペコリとお辞儀をすると、ライトとピュアがコバルトを見てにっこり笑った。


「コバルト、これからお前がこの国の頭首だな。色々大変だけどこれからもよろしく頼むよ。俺も全力でお前をカバーする。」


「コバルト、困ったことがあったらいつでも相談してね。これからもよろしくね!」


コバルトは一人と一匹にそう言われると、晴れやかな気持ちでにっこり笑い返した。俺が今日からこの国の頭首か。よろしくな、みんな。


「さて、そうと決まれば国民を収集し、就任式を始めます。司会は私にお任せください。」


ラピスラズリがそういうと、すぐにみんなを集めて盛大な就任式が始まった。たくさんの魔族が王宮の前にある広場に集まり、そこから見渡せる壇上にはコバルト、ライト、ラピスラズリ、ピュアの姿があった。こうして全ての青魔族の前で、ロイヤルからコバルトへと、新しい王へ引き継ぐ就任式が始まったのであった。

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