28話 黄色い竜vs青い妖猫
「なに!?なんだと!?二匹とも跡形もなく消し飛んだと思ったが、あの兎と同じように、まだ息をしているとは!こいつらはなんなのだ一体!?」
メイズはラピスラズリの時のようにはたまた首を傾げた。俺の最強の技で消し飛ぶどころか死んでいない。一体こいつらの打たれ強さはなんなのだ?
「おのれ、おのれーーーーー!!!!」
ライトが激昂して大声で叫んだ。そしてステッキと帽子を放り出し、四つん這いになって激しく威嚇すると我を忘れ、突然ライトの体がぐんぐんと大きくなってメイズと同じくらいの大きさになった。
これがライトの言っていた最後の切り札だった。そして前の姿と比較にならないまでに禍々しく威圧的な表情をしていた。そして一直線にメイズを目掛けて突進していった。
「な、なんだこれは!?ライト、これが貴様の正体だというのか?妖の力をもつ化け猫だったとは!」
メイズは怒り狂って突進してくるライトに恐怖を覚えた。そしてピュアに放った時と同じように再び首を三つ縦に並べて雷を放った。
「トリプルサンダーストーム!」
メイズの口から放たれた雷をライトは正面からモロに食らった。そして雷の中から、その技に屈することなく、メイズに突進するライトの姿があった。
(なんだと!?こいつ、倒れないというのか!?)
そしてそのままライトは突進をし、ライトの頭がメイズの胸にモロに入った。メイズはそのまま吹き飛び血を吐いて横転した。
「ぐはあ!」
ライトの全魔力をかけた懇親の一撃の突進。メイズが倒れると、ライトは元の姿に戻り、そしてその場にバタリと倒れ込んだ。
「ライト!」
シアンが慌ててライトに駆け寄る。大丈夫だ。ライトはどうにか意識はある。だがこれではもう立ち上がることはおろか、動くことすらできないだろう。
「ライト!ライト!大丈夫か!?しっかりしろ!」
「ああ、シアン、すまない、大丈夫だ。そ、それよりメイズは」
「大丈夫だ、あいつは倒れている。ライト、よくやった、お前の勝ちだ」
ライトがホッとしていると、安心したのも束の間。メイズは倒れたのちに再び立ち上がり、ギロリとライトを睨みつけた。
「よくもやってくれたなライト!さすがに今のは効いたぞ。この俺の最強の技を食らって倒れなかったのはお前とスカイだけだ。褒めてやろう!」
「そ、そんな、ライトの最後の切り札だったのに・・・」
メイズが立ち上がり、真ん中の首の口から血を滴り落としながら睨んだ。ライトの渾身の一撃もメイズを倒すことをができなかったのだ。
「くそ!メイズ!貴様!」
「ククク、俺をここまでてこずらせたことを褒めてやろう。しかしこれで貴様らも終わりだ!」
メイズがそう言って叫ぶと、そこにいるすべての青魔族が絶望した。ああ、これで全てが終わった。これで皆死ぬのだと。
しかし次の瞬間、ピュアが頭から血を流しながらヨロヨロと立ち上がった。
「コバルト、シアン、ライト、ここは私が時間を稼ぐわ。どうか、みんな逃げて!」
(何!?なんだと!俺の最高の技を受けて死ぬどころか、まだ立ち上がるというのか!?あいつは一体何者だのだ!?白魔族とは!?)
ピュアは立ち上がると、両手を前に出し、法力を込めた。そして自分の頭に手を当てると、頭から流れていた血が止まった。
「大丈夫、私はまだ戦えるわ。コバルト、どうかみんなでここから逃げて」
「ピュ、ピュア、けどお前、その体じゃ」
コバルトがそういうと、ピュアはコバルトの方を向いてにっこりと笑った。そしてこう言った。
「コバルト、私、あたながこの世界に来た時、最初に言ったよね?何も心配しなくていいのよって、私とライトがあなたを守るからって。だから大丈夫。どんなことがあってもあなただけは私、守るから。だからお願い、逃げ」
ピュアがそういうとガクッと膝から崩れ落ちた。やはりダメージが蓄積されていて、立ち上がるのもやっとだったようだ。
「ピュア!」
コバルトが崩れ落ちたピュアを抱き抱えると、ピュアははあはあと息をしていた。もう限界に近づいているようだった。そしてコバルトは、もはやここで逃げ出したとしても、いずれ自分の命も奪われてしまうということを心のどこかではっきりと自覚していたのだった。




