23話 黄色い竜vs青い兎〜メイズ・イエロー・ドラゴンvsラピスラズリ・ブルー・ラビット〜
「サンダーストーム!」
メイズの三つの口から雷が次々と吐かれる。ラピスラズリはロイヤルを守りながら盾でメイズの攻撃を防いでいく。メイズの攻撃にもそう簡単に屈しなかった。
(俺のサンダーストームを食らって、なぜ平気で立ち上がるのだ?ええい、イライラする。こいつ、魔力は決して高くない。そして攻撃力もないが、防御力だけが異常に高い)
ラピスラズリは防御専門の魔族だった。武器は盾。だから守ることはできるが、戦って相手を倒すことはできなかった。魔族の中にもこういう一つのことだけに特化したものもいた。
だがいくら防御力が高く、盾を使っていたとしても、ダメージはどんどん蓄積されていった。メイズはそれほど魔力の高い実力者だったのだ。
「ラピスラズリ!もうやめろ!これ以上戦えば殺されてしまうぞ!」
「陛下、私は大丈夫です!打たれ強さだけが取り柄ですから。陛下を死なせるわけにはいきません、私が最後までお守りします!」
「よせ、お前が死ねば、この国の結界は誰が張るというのだ!?もはやお前しかいないのだぞ!?」
(ふむ。この兎がこの国の結界を張っているのか。おそらくロイヤルと一緒に張っていたのだろうが、どちらにしてもロイヤルはもうじきくたばる。ということはこの兎さえ始末すればこの国は落ちたも同然だろう。)
「ククク、その兎さえ始末すればあとは簡単ということか。これはいいことを聞いた。まさかお前如きにこの技を使うことになろうとはな。これはそう何発も撃つことができないのだが、貴様に敬意を評して、この技で葬ってやろう!二匹とも仲良くくたばるがいい!」
メイズはそういうと三本ある首をぐるりと回し、一本に束ねたように縦に三つ並べるとラピスラズリを目掛けてこう言い放った。
「トリプルサンダーストーム!」
三つ並んだ口から一つにまとまって強力な雷が放たれた!その威力は今まで受けてきた雷の何倍もの大きさと威力で、山の一つでも吹きとんでしまいそうな威力だった。
「守ってくれ!盾よ!クリューソスシールド!」
ラピスラズリがそう叫ぶと、青色の盾が金色に変化した。これがラピスラズリの最後の切り札。青魔族で唯一「金色」を持ってる黄金の盾だ。
ラピスラズリはそれを正面から受け止めたが受け止めきれず吹き飛んだ。そして盾が粉々になると、モロに受けてしまい、そこに倒れ込んだ。
「ラピスラズリ!」
ロイヤルが駆け寄るとラピスラズリは意識を失っていた。どうにか命はつなぎとめたようだが、危険な状態だった。
(何?今のは俺の最高の技だぞ?あれを正面から食らって跡形もなく消し飛ぶどころかまだ息があるとは!一体こいつは何なのだ?青魔族、侮れんな)
メイズはこのしぶとい青魔族にイライラしていた。たかが青魔族の獣風情にここまで手間取らなくてはいけないとは。
「まあ、ずいぶんとしぶとかったが、これでもう終わりだな。貴様ら二匹とも仲良くあの世へいくがいい!」
メイズがそう言って口を大きく開き、攻撃をしようとした瞬間、メイズの口元に一つの氷塊が飛んできて、口に直撃した。
「待て!」
そこに現れたのはライトだった。ライトがいの一番に王の間にたどり着いた。どうにか間に合ったようだ。
「ライト!よくきてくれた!」
「陛下!御無事で!」
「私よりもラピスラズリが重症なのだ!ライト、ラピスラズリをどうか!」
ロイヤルがそういうと、ライトは一目散にラピスラズリの元へかけていった。気を失ってはいるが、命に別状はない。よかった。
「ラピスラズリ、よく持ち堪えてくれた。あとは俺に任せろ!」
ライトがそういうとメイズをキッっと睨んだ。
「メイズ・・・。貴様!!」
ライトが睨みつけるとメイズはやれやれという表情でライトを見下ろした。
「ああ、この厄介な猫が来る前にカタをつけるつもりだったが、どうやら間に合わなかったか。全くプリムローズめ、少しは役に立つと思ったがここまで役に立たんとはな」
「ククク、それにしてもライト久しぶりだな。相変わらず背丈は変わっていないようだが、俺と戦うつもりか?」
ライトはステッキを構えると戦闘態勢に入った。メイズもその姿勢に応戦するかのように戦闘態勢に入った。自分より大きさが10倍もある強力なドラゴンに一体この猫は、どう立ち向かっていくのだろうか?




