20話 黄魔族の目に映る白魔族
敵のボスが姿を現したことによって一同に緊張が走った。こいつか、こいつを倒せば今回の敵は引き上げる。シアンが警戒していると、そこにようやくライトが到着した。
「遅くなってすまない!今到着した!」
「ああ、ライト!ようやくきてくれたか!助かったぜ!」
プリムローズはこちらの様子を見ている。なんか猫が一匹やってきたが、とりあえず目の前にいるリザードマンがトップだろう。そして後ろに背中から羽の生えた鳥族がいる。そしてその後ろで先ほど倒した紺色の鳥族を支えているのは、ん?あれはなんだ?
(まさか、あれは白魔族!?)
先ほど自分が放った閃光に貫かれて大怪我をしていた紺色の鳥族の傷がもう塞がっている。間違いない、都市伝説かと思っていたが、あれは白魔族の仕業だ。そして悪魔族か。
(それにしてもなぜこんなところに白魔族がいるのだ?青魔族と手を組んでいるのか?)
プリムローズはピュアを見て大いに驚いた。白魔族、初めて見た。これは一緒に倒してしまうべきなのか?それとも生け捕りにして連れて帰るべきなのか?それとも一旦戻って首領に相談すべきか。そんなことを考えていると、シアンが大いに叫んだ。
「おい、黄魔族!貴様、先ほどから黙ってこちらを見ているが、何を考えている!何か言ったらどうだ!?」
「ああ、これはこれは失礼いたしました。みなさんお揃いのようで。ふーむ、これは参りましたねえ。私の軍はもはや壊滅状態に近いのです。どうです?ここは代闘士を立てて一対一で戦うというのは?」
プリムローズの提案に唖然とした一同だったが、まあその方が互いに利点としてはいいだろう。これ以上下手に戦っても互いに犠牲を多く出しすぎるため、ここは代表に戦ってもらえれば部下はみな引き上げるだろう。
「ああ、それなら俺がやる。さっさと終わらせて陛下の元に戻らなくちゃな」
ライトがシアンの前に出て、そう言った。な、なんだ?この猫は?あのリザードマンが代表者として戦うかと思ったが、まさかこの猫がでてくるとは。
「おやおや、これはこれは可愛らしい猫様ですね。あなたが私のお相手をなさるというのですか?ご冗談でしょう?あ、申し遅れました。私、プリムローズ・イエロー・デビルと申します。以後お見知り置きを」
「はい、わたくし、ライト・ブルー・キャットと申します。今回、あなた様のお相手を努めさせていただきます。まあ私ではあなたのお相手は役不足でしょうが、どうぞよろしくお願いします」
そういうとプリムローズはふふふと笑った。こいつ、まともに言葉を知らないようだな。
「死ぬ前に一つ教えてあげましょう。役不足というのは役目が実力不相応に軽いことという意味なのです。あなた、それをいうなら力不足ですよ」
「いえいえ、間違ってはいませんよ。あなた程度のレベルの魔族が相手では、私の相手にならないという意味ですが、まあ時間も惜しいので私が出てさっさと終わらせようと思ったのです」
ライトがそういうとプリムローズはカチンときて怒りに満ちた表情となった。こ、こいつ何を言っているのだ?この俺が誰だか知っているのか?俺は悪魔族の長だぞ!?
「ふ、獣風情が!どうやら実力の差がわからんようだな、その身をもって教えてやる!」
(とうとうライトが戦うのか、ライトの戦いは初めて見るな。あいつ、どれくらい強いのか?)
コバルトは興味津々でライトを見ていた。そして今ここにライトvsプリムローズの戦いが幕が切って落とされたのであった。




