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蒼き輪廻の果てに 〜転生したら青い鳥だった件〜  作者: 水猫
第一章 「青い国」
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14話 青い再戦

「それではこれより、コバルトvsネイビーの模擬戦を行わせていただきます。判定はわたくし、ラピスラズリが務めさせていただきます」


昨日行われたばかりの戦いが、再びこの闘技場で行われることになった。再び見る戦いに多くの観客が集まった。え?またあの二人戦うのか?昨日戦ったばかりでは。


「ねえ、ライト、シアン、本当に大丈夫なの?私、やっぱり少し心配で」


「ああ、ピュア、大丈夫だ。問題無い。元々身体能力はコバルトの方が上だ。それで魔力も使えるようになったから逆にネイビーが心配だな」


「けど、またあの技を使われたら」


「ああ、それも大丈夫だ。魔力感知も教えた。一回で覚えたよ、あいつは」


シアンはなにやら策があるようだ。ライトも今回は審判ではなく、観客として一緒に見ていた。さて、コバルトの成長ぶりをみるのが楽しみだ。


「ふふん、コバルト、昨日はライトの口煩さがあったが、今回はライトの要望で行われる戦いだからな。どうなっても恨みっこなしだぞ。ま、恨むなら俺じゃなくてライトを恨むことだな」


ライトに威嚇されてびくついてヘコヘコしていたくせに、今度は交換条件で戦いが始ると再びネイビーはコバルトを卑下した。コバルトはそんなネイビーの言動に動じることもなく、冷静に見ていた。


ゴングがなると、ネイビーはコバルトを倒した技、疾風乱舞を早速使用した。疾風のように動くネイビーにコバルトは手も足も出ず、敗れてしまったのだ。


コバルトは体内に流れる魔力を自分の目にあてがうようにイメージした。そうするとシアンに教えてもらった魔力感知能力も使えるようになった。ネイビーが早く動いているのは確かだが、魔力反応があるので、どこでどう動いているか、感じ取れるようになったのだ。


(なるほど、目で追うと追いきれないが、魔力で追えば簡単に動きがわかるものだな)


そして前回と同じくネイビー攻撃が炸裂した。コバルトはそれをひょいと避けると、ネイビーは驚いた。こいつ、避けやがった。


ネイビーはムキになり、何度も同じ攻撃を繰り返すが、一向に当たる気配がない。コバルトがすべて避けてしまうのでネイビーは体力が切れ、飛び回るのをやめた。


「ば、ばかな、なぜだ!なぜ当たらない!?」


「それはな、ネイビー、俺が魔力感知を使っているからだ」


「ま、魔力感知だと!?馬鹿な、昨日まで羽も使えなかったやつがもうそんな高等スキルを使えるというのか!?冗談はよせ!」


「冗談じゃない。では今から見せよう。お前と同じような動きを見せる」


コバルトがそういうとネイビーの疾風乱舞を真似して、全く同じ動きをした。これには大衆も驚いた。昨日まで羽も使えなかった奴が、自由自在に羽を使って宙を飛び回っているのだ。しかもその動きはネイビーよりはるかに早かった。


(な、何だこの動きは!?俺も魔力感知を使っているが、魔力感知を使っても全然捉えきれない)


ネイビーはコバルトの自分よりはるかに精度の高い技に手も足も出なかった。そしてコバルトは動きを止め、ネイビーと距離をとった。ネイビーよりはるかに早く動いているはずなのに息ひとつ乱していない。


「な、何だお前!?なにをした!?」


「ああ、ネイビー、もう試合を長引かせるつもりはないから速攻で終わらせるな。その方が互いにいいだろう」


コバルトはそういうと、羽を使って一直線にネイビーの懐に剣を突き立てた。あまりの速さにネイビーは反応することができず、モロに直撃を喰らい吹き飛んだ。


ラピスラズリがネイビーを確認しにくと、ネイビーは気を失っていた。これによりコバルトの勝利が決まった。


「ネイビー、意識不明の戦闘不能により、コバルトの勝利!」


ラピスラズリが宣言すると大衆はわーっと盛り上がった。まさかたった1日でこうも強さが逆転してしまうとは。ネイビーが弱いのではない。コバルトが強すぎるのだ。


「あちゃー、だからあいつ、やりすぎるな、手加減しろって俺言っといたのに。限度をしらないんだな、あいつも」


「いやいや、ライト、お前もあれくらい戦ったらやってただろうよ、というかまさかコバルト、ここまでとは。もう俺でもあいつには敵う気がしないな。取り越し苦労だったな、ピュア。ん?ピュア?」


シアンがそういうとピュアの耳にはもうその声は届いてなかった。なにやら上の空のようにポーッと赤い顔をして、コバルトの方をじっと眺めていた。


(コバルトかっこいい♡あんな強くなってるなんて、素敵♡)


ピュアの魂が抜けたような態度にシアンとライトはもうなにを言っても無駄だとおもった。あーあ、こりゃワールドに入っちゃてるわ。しょうがないなー、もうという感じで。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 羽が生えた自分が何者かわからない少年、コバルト 白い髪と瞳が特徴的な健気な少女、ピュア そして一番の謎に包まれたあの猫がどのように動いていくのか展開が楽しみです ピュアがピュアすぎて好きで…
2021/09/05 12:31 退会済み
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