ファンタジー作品で銃火器が安易に無双出来る理由をふと思ったので書いてみる
リハビリがてらにエッセイに挑戦
まぁタイトルの通りです。
ファンタジー作品で銃火器が無双するのに対してその要因ってなんだろう?と思ったのでリハビリがてら書き出してみる。
出来るなら感想という形で色んな知識人の意見に触れたいとも考えているし、そうした人たちが納得する理由の書かれた銃火器が活躍する作品に触れたいと言う欲もある。
とりあえず思った事を延々と書き出していきます。
1.殺しの指向性がスバ抜けているから。
問.どういうこと?
答.ゲーム的に言えば地球の銃火器には「対人特攻」が付与されているという考え。
問.なぜそういう考えが出た?
答.だって地球で最強の外敵って「人間」じゃん、熊や虎だって軍の銃火器喰らったら死ぬぞ?
猟銃って狩猟目的に性能を落としてるから熊相手に苦戦する羽目になる
軍の武器で「人間」を殺せる武器なら「ついで」に殺せる程度の生物だから専用特攻こさえる必要はない
結論
ファンタジー世界と違って「生き物の頂点が人間」であるから
その外敵を始末する為に地球の武器は人間を排除する方向に全ての技術が費やされている
つまり対人特攻という絶対的なアドバンテージが存在するのだ
2.そもそも生物の強さというものが違い過ぎるから。
問.どういうこと?
答.地球にドラゴンなんていないし、ワイバーンだとかいった魔物はいない
地球の動物なんてファンタジー世界からすれば子猫レベルじゃね?
問.それがどうして無双に繋がる?
答.これが特攻という指向性に繋がる、もし地球でもそんなヤバい魔物がいたら専用装備が作られる
それは人殺しに特化したものではなく、特定の魔物を倒す事に特化して人間には有効活用出来ない
でも地球産は対人特攻の数値が馬鹿げたものになってるから基本当たれば殺せる領域になってる
つまり無双出来る、だ
問.いや流石にドラゴンとかワイバーンでも対物ライフルや戦車砲喰らったら死ぬだろ
答.対物ライフルは「装甲をぶち抜いて人間を殺す特化兵器」だ
戦車砲は「同じ戦車や破壊可能建築物ごと人間を吹っ飛ばす特化兵器」だ
「人間を殺す為に」「障害となるモノを」「どうやって突破するか」の指向性の結果がそれだ
魔物がいるならまず前提条件から全く違うから結果も全然違うわ
結論
もし地球にもファンタジー世界のような魔物がいたら兵器開発は完全に違ったものになっている
「魔物を殺す為に」「障害となるモノを」「どうやって突破するか」と
「人間を殺す為に」「障害となるモノを」「どうやって突破するか」と
では違い過ぎる
地球には魔物なんていないから必然的に弱い生き物の事なんてほっとける余裕がある
これが「強力な対人特攻兵器」の開発に注力することが出来る土台になってるから
3.技術格差
問.どういうこと?
答.ここでの技術格差はちょっと面倒だけど「対人特攻の選択肢」と考えていく
問.「対人特攻の選択肢」?
答.そもそも「銃弾という銃弾は存在しない」
地球の銃弾は「殺傷対象に合わせて極めて多様化した補助装備枠」だ
これを読んでくれたミリタリーマニアな人ならきっとすごい種類の弾薬の説明をしてくれるだろう
ただ言えるのは銃弾は目的に合わせて本当に多くの種類が存在していているということ
問.いや鉛玉というだけでも強いじゃん?
答.ファンタジー世界の定番の中世における銃弾はただ丸いだけの代物だ
まぁそれでも現在の銃弾より破壊力があるんだから凄いとしか言えないけど「破壊力」だけ
地球の銃弾は「安定して飛ぶ」「苦痛を与えられる」「防具越しでも殺せる」とか多様化してる
この突きつけられる選択肢の多さがあまりにも理不尽に機能しているんだ
ゲーム的に言えば敵キャラが多属性持ちで対処し辛いと思えば簡単かな
結論
ファンタジー世界の定番の中世では「破壊力のある丸い銃弾」しか存在しない
地球の銃弾は「極めて多様化している」という選択肢の多さがある
「丸い銃弾」では突破出来ないものも「地球の銃弾は突破できる」という差がある
そもそも傾斜防御という概念自体が弓矢なんかの貫通を防ぐために生まれた人類固有の技術だ
そして地球はこの傾斜防御すら突破するように銃弾と運用技術を改良してきた
この技術格差はあまりにも無双される側という観点に理不尽に作用する
なんなら有名な戦車ゲーム見ろ、強い人は傾斜防御と装甲度合い暗記してるらしいからバンバン防御抜くぞ
4.安定して○○出来るということ
問.どういうこと?
答.言葉の通り「安定して○○出来る」という観点がそもそも中世銃火器には存在しない
ちょっと多くなるけど思いついた限りを書き出す
「安定して発砲出来る」
言わずもかな、火縄銃系統は不発事故が起きやすい
悪天候によるものが代表だけど、そもそも火薬を突いて固めて撃ち出すというのは不安定過ぎる
「綺麗に底に入れ」「一定以上の火薬を固めて」「ある程度真っ直ぐ飛ぶように」しなければならない
なんだこの糞みたいな難易度の工程こなしても「安定して発砲出来ない」とかふざけてるのか?
「安定して飛ぶ」
銃弾は真っ直ぐ飛びはしないのは当然だ
しかし「安定して飛ぶ」ように数学を突き詰められた銃弾はもはや芸術の領域だ
なんならサバゲーのガス銃で「軽い弾(中世)」と「重い弾(現代)」を撃ち比べると良い
ビックリするくらい真っすぐ飛ばないから、これで急所撃ちぬくとか普通無理って判る
「安定して狙える」
ここでの狙えるは「照準」ではなく「射程」としての狙えるである
火薬の調整をミスったり少しでも湿ったりしてると飛距離が激減する銃火器とか使いたくないわ
ゲームで例えるなら実に分かりやすいだろう
「どの距離まで届いて」「どの距離で何処に当てれば」「何発で倒せる」という考えだ
これが判るというのがその手のゲームで強くなっていく為に必要な要素と同じ
「安定して運用できる」
よく言われる連射性能については除外する、腐るほど出てくる強さだし
ここでの運用は事前に何発手元にあるか判って、何発マガジンに装填できるかという観点だ
驚く事に戦国末期には小型の竹に一式を詰めておいてマガジンのように運用する技術が確立していたとか
このマガジンの概念は極めて画期的な技術で、個人的にこれこそが近代銃火器の中核ともいえる代物だと考える
どれだけの弾薬が残っているかを瞬時に確認することが出来る事で安定して戦えるのだ
「安定して補給できる」
物事には賞味期限というものがある
これを少しでも安定させる為に作り出されたのが薬莢と弾薬のセット運用だろう
ラップ技術なんかもこの為に産まれたそうだけど今回はそういった技術は除外していく
ようは複数の道具と素材を要求されるのに対して最悪弾薬の補給さえあれば戦えるのが現代銃火器だ
それでも劣化による暴発の危険とかあるけどそれでも弾薬補給だけで継戦出来るというのは利点だろう
なんせ規格が同じなら最悪運用できるように設計されているというのだから
まだまだあるのだろうけど、そこはもっと考えつく人に任せる
結論
「安定して○○出来る」という絶対的なアドバンテージが無数に存在する
その概念がそのまま「安定して○○出来ない火縄銃タイプが主流の中世」を押し殺している
文字通り無双なのだ、相手が持っていない技術や考えをこちら側が持ってるんだから強いのだ
安定こそ戦場における絶対なのだ、命中率100パーセントじゃない攻撃は外れるものと考えるのが良い
5.多様に多様化した殺しの型
問.どういうこと
答.最後に言えば武器の歴史そのものだ
火縄銃を使っていた
拳銃の始祖・狙撃銃の始祖・騎兵銃の始祖が開発された
破壊力を追い求めて大砲が開発された
装填方法の模索で中折れ式が開発された
連射出来るようにボルトアクションが開発された
更に連射出来るように自動小銃が開発された
遭遇戦に強く出られるようにショットガン(スラグガン)が開発された
それから、それから、それからと色んな開発がされた
基本的に無双作品はこれらの幾つかを運用出来るような作品だろう
あまりにも人殺しに技術が傾倒し、技術が系統樹のように進化している
一方的な対人特攻補正を持った無数の武器を相手に押し付ける
もはや素手で樹齢数百年の大木を切り倒させるような理不尽ぶりだ
ゲームで言えば無数の高火力技持ちのボスを縛りプレイで喧嘩させられているようなものだ
そら無双するわ、と
私達の遺伝子とかに刻まれているんじゃないかってレベルの崇拝があっても不思議じゃない
要約
私が感じる無双する要因はつまり
最強の人間を殺す為に地球の銃火器は進化しすぎてる
人間を殺す為に、装甲の塊の戦車を破壊できる
人間を殺す為に、空飛ぶ飛行機などを破壊できる
人間を殺す為に、船舶を破壊できる
魔物なんてついででぶち殺せる技術が既に確立しているという考えがある
基本性能が化け物なのに対人特攻が付与されてて、素人でも簡単に安定して使えるように作られた
地球の技術の恐ろしさの具現体なのだ
そんなものがそうそうファンタジー世界に負けるなんて考えられてないのではないだろうか?
まっようは地球を舐めるなファンタジーなのだ
読まれないだろうと考えている
でも読まれたなら嬉しいし、納得できる強さの銃火器が活躍する作品を知りたいという欲もある
まぁそもそも納得する強さってなんよってのもあるけど