六話新たなる、仲間?
屋敷を建ててから、一週間が経過した。
さまざまな検証により分かったのは、知らない言葉や知識が自分の中にあると言う事だった。
前の世界には存在しなかった言語や知識、体の中にある新しい器官、造り出せるもの。
また、空の存在だ。
空のステータスを確認した時、種族名が変わっていた。
名前: 空
職業:メイド
種族:人間(完璧人造型生物)
年齢:不老
称号:お世話係
LV:100
MP:10000000/10000000
HP:10000/10000
魔法
全属性使用可
スキル:調理 絶対清掃 空間整理
状態:不老
持ち物:服
マスター:星井 晴斗
こんな感じ。
うん、中々に強いね。
知識曰く、創った主のそのときのステータスが大幅に反映されるらしい。
故に不老であると。
まあ、そこまではいい。
問題は、自我が非常に強く出ているところだ。
今は、晴斗を守ることに注視しているため問題はないが、敵側になると、結構厄介だ。
まあその事は後々考えるとして、今は、この一時を堪能しよう。
昼下がり、バルコニーで一人掛けのソファーに座っていると、空がお茶を持ってきてくれた。
お茶が入れ終わっても行かない空。
何時もなら、どんなに誘ってもお茶に付き合ってくれないのに、今日はまだいた。
とりあえずお茶を一杯飲む。
「今日も、空の入れてくれるお茶は美味しいよ。」
「ありがとうございます。敷地の茶畑の物です。」
「作って良かったよ。ありがとう。」
この屋敷の敷地は、建物こそ小さいけれでも、非常に大きなものとなっている。
海の側には、空の助言で塩の生産機を作った。そこは丁度屋敷の真ん中辺りだった。
次に屋敷の右側に主に野菜、果物、茶畑を作った。
左側には、米の田んぼ、水路、工場、加工所がある。
そう、この一週間でこの屋敷の敷地は森並みになっていた。
それでも森に囲まれたままというのは、この森がどれだけ広いのかを物語っていた。
「ハルト様、屋敷を守る者を創ってはいかがですか?」
空がいきなりそんなことを言い出した。
「必要かな、空がいるし大丈夫じゃない?」
「私はあくまでメイドですから。なのでハルト様のボディーガードが必要なのではないのかと。」
そんなに必要性を感じないが、空が言うならいるかな?
最近の晴斗は、空の提案を受け入れる節があった。
理由は、塩の生産所から加工所まで様々な物を言われながら作っていたが、今思えば自分の生活水準の維持には必要だった。
とまあそんな経緯があるため、また作るのだが、あまり気は進まない。
何せ、言い方はどうあれ人造人間だ。命を作っているのだ。
其なりに重みを感じざるをえない。
しかし、防衛戦力が無いのも不安だった。
「じゃあ、作りますか」
そして、晴斗は、想像上の人物を思い描く。
顔は凛々しく髪は金髪、一つのお団子になっているといい。
某ゲームのドレスっぽい鎧に蒼いマント、目は金色の碧眼。
空を見る限り、性格も多少はいじれるようなので、優しくいて、強く、心が穏やかな感じがいい。
人格や性格を精製し、魂を入れる感じで魔力を送る。
気が付けば、目の前には、剣を持った鎧姿の麗人がいた。