三話家が欲しい
まずは、素材精製の魔法を使ってみよう。
思い浮かべるのは、土木工事の現場で見る、禿げた杉の丸太。
自然の中から木が構築されていくようなイメージを持って、魔力を消費していく。
気づけば、目の前には、禿げた丸太が十数個積み上げてあった。
「おいおい、マジかよ」
ステータスは?
名前:星井 晴斗
職業:なし
年齢:27
称号:クリエイター
LV:MAX
MP:99999999980000/1000000000000000
HP:100000000000000/1000000000000000
魔法
魔術創造 スキル創造
素材精製
物理創造
スキル:作成
状態:不老不死
持ち物:お金の出る革袋(お金上限なし)
ほとんど変わっていなかった。
よし、なら、物理想像を使ってみよう。
俺は、前の世界の文明の利器を想像する。
燃料は魔力に変え、電波は、空間を超えられるように。
金属に、ガラスの液晶などなど、具体的に思い浮かべていく。
数秒後、ポケットには、SANYのスマートホンがあった。
「おお!これこれ」
電源を入れてみるが、アプリが、時計とカメラ、アルバムに録画録音、新機能として透視、しかできない物だった。
まあまあだな。
さて、これができるということは、具体的な創造なら、たぶん、何でもできる。
ならば、家を作ろう。
異世界に来たのなら、ゴシック風の屋敷、こんなに大きな場所があるなら、敷地も大きく。
次々と構想して、目をつぶり、魔法で構築していくイメージをする。
数分後、目の前には、堂々たる存在感を出す、大きく、シックな感じの、バッキンガム宮殿のような作りの物が目の前にあった。
うん、でかすぎる。
そもそも、一人なんだし、こんなに大きくなくてもいいわ。
そんなことを思っていると、腹の虫が鳴いた。
そう言えば、まだ何も食べてないな。
その辺に、果実とかないかな。
そう思いながら、周辺を探索すること数十分、何もなかった。
生き物もいなかった。
まさに辺境の地であった。
湿地であるっぽいからして、米なんかが生えてたりしないかと思ったが、案の定何もなかった。
どうすんのこれ、詰んだな。
今、周辺に食べ物がないとすれば、近くの町か何かで、食料を調達する必要がある。
そもそも、今ここがどこなのかもわからない。
とりあえず、この辺りを行ってみるか。
それには足が必要だ。
よし、車を作ろう。
ここは、舗装されておらず、並みの車では走れまい。
ならば、スピードも出て、こんな道でも行ける車、トラックがいいだろう。
エンジンなどは、まあわからんから想像で、空気中の魔素を燃料にし、なるべく早く回転するように、などなど、またもや詳しく想像し、魔力を放出していく。
「これは、良いのか?」
目に前には大型トラックが一台。
これが、異世界初の車である。
まあ、正しいのは外見とタイヤくらいだと思うが。
こうして、晴斗は、長距離移動用の足を手に入れたのだった。
次回、異世界の町に行けるか!