二話異界の地にて
最初に感じたのは、頬を伝う液体と、湿っぽさだった。
目を開けると、そこには、岩肌の天井があった。
中も薄暗い洞窟であった。
「どこだここ」
周りに人の気配はなく、只々水の滴る音だけが聞こえていた。
近くに水源があるのか、空気が湿り気を帯びていた。
(とにかく、外に出ないと)
晴斗はまず、外に出るために、上り始めた。
洞窟は、緩やかな傾斜があり、空気も傾斜の上から流れてくるように感じていた。
やがて、光が見え、その先が外であることを示していた。
(よし!)
外に出てまず思ったのは、何もない、だった。
そう、何もないのだ。
都会のようにアスファルトが敷いてあるわけでも、石詰めの道が続いているわけでも、城壁が見えるわけでもなく、草原が広がっていた。
振り返れば、今さっき出てきたはずの洞窟が消えていた。
まずい。
俺はそう思った。
辺り一面は草原で、何か来ても隠れらえそうなところはなく、人も来る気配がないのだ。
まあ、待て、まだ慌てるには早い。
そうだ、あの白い世界で、誰かが言っていたじゃないか。
異世界、と。
じゃあ、魔法もあるんじゃない?
とりあえず、ステータスどんな感じかな?
名前:星井 晴斗
職業:なし
年齢:27
称号:クリエイター
LV:MAX
MP:100000000000000/1000000000000000
HP:100000000000000/1000000000000000
魔法
魔術創造 スキル創造
素材精製
物理創造
スキル:作成
状態:不老不死
持ち物:お金の出る革袋(お金上限なし)
おっフ
これ、最初からチーターの最強伝説ですよ?
いいのかな?
晴斗はしばらく、自分のスキルのすごさに驚いていた。
しばらくして、我に返った。
と、とりあえず、使ってみよう。
うん、そうしよう。
実はそんなにすごくないかもしれないし、ね。




