謎の光
今回は短めに
あまりの光景に目を疑った。100人以上の人間の死体がそこに転がっているのだ。首から下の無い体、原型を留めていない四肢、あたり一帯を埋め尽くす血と臓器。この世の物とは思えない光景に俺は思わず嘔吐した。
「うわぁぁぁぁ!!」
奥から悲鳴が聞こえてきた。それと同時に走ってくる音が近づいてくる。後ろを振り向けばそこに居たのは夢道だ。夢道の顔は涙と鼻水まみれだ。夢道は俺の肩を掴んで震える声で聞いてきた。
「下野くん!なんなの!?これ!」
「そんなもん知るか!俺に聞くんじゃねぇよ!」
俺は肩の上にある腕を払い除け、勢いのまま夢道の胸ぐらを掴んだ。
夢道は驚き、怯えた顔で「ご…ごめん」と小さい声で謝罪を述べた。
俺はふと我に返ると「こっちこそすまん。つい感情的になっちまった。」と夢道に言った。
次の瞬間、突如として外の体育館が謎の光に包まれた。目が痛くなるほどの光に俺と夢道は目を閉じた。そして、しばらく経つと光がやんだ。目を開けると体育館を包んでいた謎の光は消えていた。
「なんだっんだろう。今の」
「分からない。だが行ってみるしかないだろう。こうしていても拉致があかない。」
「それもそうだね。」
そして俺は夢道と共に体育館に向かった。
そういえば夢道と話したのはこれが初めてかもしれない。コミニュケーション能力がない訳ではないようだ。もし、俺も夢道も神眼の加護なんてものを持っていなかったら仲良くなれていたのかもしれない。そんな事を考えているうちに俺と夢道は体育館に着いた。扉を開けるとそこには、5人ほどの人間と、明らかに人間ではない何かがいた。