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獣が哭く、双子の罠
真夜中、ふと奇妙な匂いで目が覚める。
硫黄のような、生臭いような、なんとも形容しがたい匂いだった。
横ではすでにアマラが戦闘態勢に入っていた。
「あぁ、目が覚めた?どうやら囲まれてるみたいなんだよね~」
口調はなんともやる気の無い感じだ。しかし、周囲を警戒しているのはわかる。
ヒタヒタヒタ・・・
「ふむ、どうやら足音から察するに四足歩行、小型、数は5・・・・6かな?」
ぼんやり聞こえた足音だけで敵の容姿を予測できるのは流石は狩人見習いといったところか・・・。
それとも世界最高の狩人の娘だからか?
「ではでは、お楽しみといこうかね」
そう言ってアマラは右手と左手をサッと埃を払うかのように動かした。
同時に一瞬だけ黒い光と白い光が発生。
気づいた時には見事なまでの装飾された拳銃が二丁出現。一種の魔法の類だろうか?
「ヒューベリオン、アルマリオン・・・いくよ!」
その言葉と同時に建物の窓から飛び出し、最初の銃声が響いた。