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獣が哭く、双子の罠
今、私は船の上にいた。
依頼した怪物退治を始めるためだ。
私の前に紹介された一人の少女。
おおよそ十代後半の容姿、名をアマラと言った。
オリーブ色の髪に栗色の瞳。鍛えているのだろうか、うっすら筋肉の陰影が見える。
「で、あんたが私の依頼者ってわけか・・・」
アマラは開口一番、私を値踏みするかのように声を発した。
この少女、例の狩人の娘だという。
そう、世界最高の狩人は有ろう事か、この一件を自分の娘である少女、このアマラに一任したのである。
よりにもよって、なんでこんな小娘に・・・。
「なんでこんな小娘に・・・って顔してるな」
勿論だ。さらにこの小娘はこう言ってのけた。
「私、この依頼を解決したら正式に狩人として認めてもらえるんだよねぇ~!だから、あんたがどう思おうが知ったこっちゃないからね!」
そう、この娘は正式に認められた狩人ではなく、言うなれば仮免許を取得した程度の人物でしかないのだ。
私の不安をよそにこの船は目的の島、そう私の島。
ラトキア島にたどり着いた。