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魔法学園エスポワール  作者: 望月 優璃
第1章 魔法使い誕生
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【第3話:招待しますね】

「ああ、頭が…くらくらするぅ!!」

 と、小夏が言った。

「小夏ちゃん、大丈夫?」

 不安げな顔をする胡桃を安心させようと小夏はピースサインをした。

「も、問題ない…」

「胡桃ちゃん。心配におよびませんわ。小夏ちゃんは()()()です。」

 と、志鶴が言った。

「ちえねつ?」

 小夏と胡桃は首をかしげる。

「頭を使いすぎたときに起こる熱のことです。」

 と、志鶴は答える。


 すると、先ほどの話を聞いていた桃花が言う。

「普段から頭を使わないからよ。」

「あれ?チビ桃花じゃん。」

 小夏がそういうと、桃花に気づいた二人は振り向く。

 チビと言われた桃花は

「馬鹿小夏は脳みそが入ってないんじゃない?」

 と言ってあざ笑う。

「2人共。やめなよ。」 

 困り顔で胡桃は言い合いを止める。

「大人気ないですよ。小夏ちゃん。それより、謝ったのですか?」

 志鶴の質問に対して首をかしげる小夏。

「…何を?」

 桃花はふっと鼻で笑う。


 ✻✻✻✻✻


 それから2時半後、お昼休み。

 お昼ご飯時に桃花はいつも胡桃達の教室で食べている。

 いつも中庭でせっせと志鶴が持参のレジャーシートをひく。

 桃花は中学生で胡桃達と校舎が違う。けれども中学校も高校も場所は一緒で敷地内にある。

 幼稚園、中学校、高校が敷地内にあるこの学校は、敷地がとても広い。初めて来た人は必ず迷子になる。

「レジャーシートをひき終わりましたわ。」

 志鶴のその合図で胡桃はサッと座った。

 桃花は胡桃にやや近い場所に座った。

 桃花は話をする友達がいるものの、お昼休みを一緒に過ごす程あまり仲良くない。

 小夏は胡桃の前に座り、志鶴は小夏の隣に座った。

「ほんと、桃花ってお姉ちゃんにべったりよね。」

「別にいいでしょ。」

「桃花は、お姉ちゃんが大好きだもんね?」

 桃花はそっぽを向く。



 桃花は自分の鞄からお弁当箱を2つ取り出し、片方を胡桃に手渡した。

「ありがとう。」

 胡桃はそう言って受け取ると、さっそく蓋を開けてみた。

「へぇー。美味しそうじゃん。一個頂戴」

「自分のお弁当を食べなさいよ!」

「別にいいじゃん。」

 小夏に向かって桃花は言う。

「本当に、馬鹿よね。」

「え?」

「馬鹿と話すと、私も馬鹿がうつっちゃいそう」

「馬鹿じゃないから。」

 と小夏は言い返す。



「馬鹿よ。小夏は昔から馬鹿だもの。」

「だからチビ桃花は、身長も心の器も小さいのよ」

「関係ないから!」

 むっとなって桃花が言う。

「チビ桃花はこれからも身長が伸びないかもよ?」

 二人で言い合いになると、二人はなかなか止まらない。

 誰かが仲裁に入らないと止まらないのだ。けれど、今日は違った。

「お姉ちゃんもう食べよう。」

 桃花は胡桃の軽く服の袖を引っ張って言う。

「小夏ちゃんは、もう中学生じゃないですから。」

 と、呆れ顔で注意をする志鶴に苦笑いをする胡桃。



 それから四人は仲良く一緒にお弁当を食べた。

 胡桃と桃花のお弁当は健康な野菜が多めで、お母さんと桃花の手作りだ。

 小夏は小夏のお母さんが作っている。お肉料理が多く入った手作りお弁当を食べた。

 志鶴の場合は手作りではあるものの、イタリア料理専門のシェフが作った豪華なお弁当を食べた。

「志鶴の場合はいつもイタリア料理専門のシェフやフランス料理専門のシェフが多いけど、あと何人専門シェフがいるわけ?」

「そうですね。イタリア料理にフランス料理。インド料理や韓国料理。それに和食料理とベトナム料理…。数えられない程のシェフを雇用しております。」

 最初は指折り数えていたものの、志鶴も把握はしてないようだった。

「そうですわ。皆さん遊びに来ませんか?おもてなしさせて下さい。」

 キラキラとして瞳で見つめられた胡桃達はただ頷いた。

「皆さんは、何料理がお好きですか?」

 志鶴の質問に対して胡桃達は首をかしげる。

「料理って聞かれても、分からないよ」

 胡桃が言うと桃花は言った。

「フランス料理が食べたてみたいな。」

 小夏も言う。

「特になし。でも、肉料理が好きだな。」

「じゃあ、私もフランス料理で。」

 胡桃が言った。

「分かりました。シェフと相談しておきますね。」

 志鶴は嬉しそうに言った。

「せっかくですし、パーティーをしましょう。招待させて頂きますね。予定日はこちらで決めてもいいですか?」

 志鶴が皆に聞くと胡桃は頷いた。

「うん。わかった。」

「楽しみにしてます。」

 桃花に続いて小夏も言う。

「志鶴に任せる!」

(パーティーか。どんな服を着ていこうかなぁ)

「お姉ちゃん。せっかくだし、新しい服を買いにいったらどうなの?」

「いいね。そうしよう。」

 胡桃が頷いた。

「せっかくだから、私もついて行ってあげる。」

「桃花はただ胡桃の服を選びたいだけだろ?」

「良ければ私もついて行って良いですか?」

 胡桃は少し考えてたがすぐに頷いた。

「嬉しいです。」

 と志鶴が言う。

「言っとくけど、()()()()()よ。」

「小夏ちゃんはどうするの?」

 胡桃が聞くと小夏は答えた。

「部活があるから無理だな。」

 そうしている間にチャイムが鳴り、にぎやかな昼休みは終わった。

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