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サンタガールのクリスマス

作者: 朧 ゆり

 こんにちは。


 え? わたし?

 蜂蜜色の金髪が自慢のスクールガール。

 サンタクロースの孫娘です。


 今日はクリスマス。

 あなたは今、どんな風に過ごしている?


 家族でのんびりしたり、クリスマス礼拝に参加したり、部屋でスマホ片手に小説読んだり、猫と戯れたり、ポケットに入るモンスターをゲットし、あるいはポケットに入らないモンスターをハンティングしたり、異世界から召喚された勇者になったりと、まあそんな感じ?


 サンタ村は嵐のような一晩が終わり、静かです。

 皆、気を失うように爆睡しているところ。


 イエス・キリストの生誕を祝ってのプレゼント配りをする村だけど、最も祝福からは遠い村かも。

 皆、事前に贈りあったプレゼントを開くのは、今日の午後か夕方かな。


 くっしゅ!

 ごめんなさい。

 鼻をかませてください。

 ……。


 失礼。昨夜、ニーハイブーツとはいえミニスカの肩丸出しベアトップのサンタ装束で空を飛び回ったらこの有様。

 おじいちゃんは、絶対だめ!とかうるさかったんだけど、女の子があんなダサい上着とズボンなんてありえない。

 それでも、おじいちゃんったら

「寒くなったら上からこれを着なさい。約束だ」

とか言って、ソリの椅子の下にサンタ装束をギュウギュウ詰め込んじゃって。

 もちろん、そんなのを着るわけない。

 一晩中、セクシー&キュートなサンタガールとなって夜空をトナカイとともに駆け回ったわよ。



 くしゅん! 

 はぅむ。ちょっと熱が出てきたかも。


 ……。

 話を戻すね。

 昨晩、クリスマスイブはラップランドにあるサンタ村の大仕事の日。


 村中のサンタクロースたちが出動するわけで、我が家でもおじいちゃんとお父さんが世界を回ることになっていたの。

 子供達へのプレゼントの配達は、家ごとの割り当て。

 ところが今年はお父さんがよりによってイブ三日前に、雪かきの最中にぎっくり腰をやっちゃって、我が家の割り当て分全部をおじいちゃん一人でこなさなきゃいけないことに。

 でも、それはさすがに過酷すぎる。

 そこで!


 わ・た・しがっ!

 サンタガールになってイブの空を飛ぼうと、そういうことになったわけ。



 おじいちゃんが大好きでお手伝いしたいってこともあったんだけど、実はちょっと気になる人がいて。

 彼はサンタクロースではないけれど、配達支援チームとして我が家を含む地区担当。

 彼のところはおじいちゃんが足をくじいたので、駆り出されたパターン。

 同じ学校の同学年。


 忙しい中、プレゼントの補給ぐらいの接点だけど、イブの夜だし奇跡が起きるかもしれないじゃない?


 そんなわけで、ミニスカベアトップ♡サンタコスで大活躍だった一晩。

 言っちゃなんだけど、初めてにしたらうまく配れたと思うの。

 5頭立てのソリもうまく操れたし。

(いつもはおじいちゃんと組むトナカイのリーダー、サミュエルがコースを全部把握していたってこともあるけど)


 でもね最後の最後で大変なことに!

 夜明け直前、最後の補給の時に支援の担当ソリ(彼ね)と合流し損ねそうになったの。

 会えなかったらプレゼントも届けられなくなるわけだし、そもそも最初の目的の彼とも会えない。


 その時まで忙しすぎてプレゼントの受け渡しだけだったけど、最後の一回ぐらい「これで最後ですね」とかなんとか会話できるチャンスがあるかもしれないと思っていたのに。


 すごく焦りました。焦ったなんてものじゃなくて、パニック状態。

 サミュエルが導いてくれた合流ポイントと、GPSで示された場所が合致しなくて。

 サミュエルはフンフン、鼻息荒くツノをふりたてて場所はあっていると主張するし、他の4頭もわたしを舐めきっているのか、サミュエルに従ってどうにもならない。


 と思ったら、本部事務チームの座標打ち間違いとかorz....

 支援のソリ、30分遅れで来ました。

 夜明け直前の30分のタイムロスは大きい。


「ごめん。確認しなかった僕のせいだ」

って彼。


 実際のところ、30分で何十軒か廻れなくなったかもと思うと、彼と話せたことよりそっちでドキドキ。

 サンタのプレゼントが届かないなんて、子供たちにとって失意のどん底レベル。絶対アリエナイでしょ?

 

 そうしたら、彼が、


「このままだと間に合わないよね。配送の仕事は君が最後だから僕も手伝うよ」

って。


 申し出はありがたいけど、荷物の関係でウチより多い8頭立てのトナカイのソリはともかく、支援ソリのお仕着せの黒のダウンコート(目立たないように)じゃ子供達の夢を壊しちゃう、って思ったら。


 おじいちゃんが椅子の下に押し込んだサンタ装束があるじゃない!?


 彼にその衣装を着てもらって、プレゼントを配るのを手伝ってもらい、なんとか夜明けギリギリぐらいに全部のプレゼントを届けられた。


 でも帰りは別々になっちゃって、結局話せたのは↑これくらい。

 


 というのが今朝方のお話。




 へっぷしっ!

 ……。


 失礼。

 うう〜むん、鼻がつらい。


 明け方に家に戻り、熱いサウナ&お風呂に入って一息ついたらこんな状態。

 やっぱりミニスカベアトップは無理があったかも。

 あなたも冬のオシャレには気をつけてね。



 ……は、ともかくっ。



 実はさっき、彼が家に訪ねて来たの!

 おじいちゃんが玄関で応待したんだけど、私が風邪を引いて寝ているって言ったら、

「僕が寒い中を待たせたせいだと思う。すみません。

 今日はこのまま帰ります。

 装束もクリーニングして返さなきゃいけないし、明日以降あらためてお見舞いとお詫びに来ます」

って!!


  このチャンスはきっと神様からサンタガールへのクリスマスプレゼント!!!


 それで、パジャマの上にウールセーター、その上にガウンとモコモコ状態でネットに張り付いて、風邪がすぐ治る方法を調べているわけ。

 鼻ズルズル、くしゃみしてばかりじゃ、お見舞いされてもカッコ悪過ぎだものね。


 


 あ!

 

 書き忘れた。


 あなたのところにもプレゼントを届けたの。

 あなたは小さな子供じゃないでしょ。

 そういう人用の目に見えないプレゼント。


 近々いいことがあるわよ! 

 「幸運」がサンタガールからのプレゼント。


 「幸運」をうまく使ってね。何もしなければそのまま終わっちゃう。


 わたしも自分に訪れた幸運を絶対にうまく使う!!!

 何事もなく終わらせたりしないわよっ!



 それじゃ、お互いにガンバリましょ♪


 ……くしゅっ!


 

 12月よりこのサイトに投稿していますがアクセスを伸ばすのって難しいですね。

 ptポイントなんて夢のまた夢。

 

 クリスマスものは、2、3日前から投稿した方が盛り上がるのは重々承知。

 でも。

 早めにアップしても↑な状況が変わるわけでなし(自棄気味)。

 どうせアクセスが少ないなら、この日読んでくれた人特典!読む人も中の人も皆ハッピーになっちゃえ!的なノリの短編小説です。


これを読んだあなたに、今からしばらくの間いいことがありますように!!



ついでと言っては何ですが、この場を借りて告知です。


本日0時、

「魔物と契約する作法についての十ヶ条」なるハイファンタジー作品の最終話を更新です。

 巫姫ネフィアと売り出し中の若い魔物の物語。二人の想いの行方は!?


 こちらにもお立ち寄りいただければ幸せ♡


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― 新着の感想 ―
[良い点] サンタクロース(おじいさん)が保守的なところ。 [気になる点] 主人公がサンタガールである理由は何かあったのか。 [一言] ガールってだけあって、まだ貰う側でもあった、という訳でしょうか。…
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