閑話 最近の新人冒険者事情2
「ツノブタとゴブリン どっちが安全だと思う?」
三ヶ月掛けてEランクに昇格した俺たちは
初めての害獣駆除クエストを受けることにした
「ツノブタは強いけど動きが単調だし一匹でいることが多いから、混戦になりやすいゴブリンより安全じゃないか?」
トーシュが答える
「そうだな 混戦になると想定外のことが起きやすいからな」
ドワーフのガドがトーシュの意見に賛同する
彼はパーティーメンバー募集に応じてくれた同い年の戦士
まだ、若いのでヒゲ面でもビヤ樽でもない イケメンのチビマッチョ
「ツノブタ、美味しいからお金になるし…」
エッタがロングソードを素振りしながらつぶやいた
「じゃあ、ツノブタで決まりだな いこうぜ」
四人でギルドの出入り口に向かおうとすると
「エリオ君 おしごと?」
白いローブで純白の体毛の犬獣人のお姉さんに話しかけられる
「はい アルフェリオ先生 ツノブタ狩りに行きます」
「そう 気を付けるのよ 実戦は何があるかわからないから」
先生は頭を撫でてくれる
そして後ろに並んでいる仲間を見て
「キミたちはエリオ君の仲間かな?」
「「はい」」
トーシュとガドが上ずった声で答える
「三人もこっちにおいで 「祝福」をかけてあげる 気休めくらいにしかならないけど…」
先生の手が触れると、俺たちの身体が淡く光る
「「「「ありがとうございます」」」」
御礼を言うと
「じゃあ、行ってらっしゃい」
やさしく微笑んで手を振ってくれる先生
ギルドを出て門に向けて歩いていると
「治癒術師はいいなあ あんな美人で優しい人が先生かよ」
トーシュが羨ましそうに言う
「ナニ言ってんだ 魔術師課の小夜先生だってスゴイ美人じゃないか」
「小夜先生は綺麗だけど、性格がきついんだよ…」
トーシュがため息を吐く
「贅沢言うな 戦士課の教官なんてムサイおっさんだぞ」
ガドが文句を言うと
「そうだそうだ」
エッタが相槌をうった
4人を見送るアルフェリオに小夜が声をかける
「アルさん 過保護過ぎだよ 「祝福」じゃなくて「慈愛神アルフェリオの加護」がついてたよ」
アルフェリオは小夜の方を見て
「あの子達のことはミルファちゃんに頼まれてるし、小さい頃の小夜ちゃんみたいに頑張ってるから応援してあげたいの」
「でも身体能力30%向上、物理・魔術ダメージ50%軽減はやりすぎだよ?」
小夜も4人の方を見ながら言う
「…そうかなぁ?」
アルフェリオがぽやっと答えた…
「…アルフェリオ先生の「祝福」ってスゴイな」
目の前に転がるツノブタを見ながら出た言葉がそれだった…
「…身体は軽いし、攻撃力も上がってる気がする…」
エッタが剣を鞘に納めながら言う…
「俺なんか吹っ飛ばされたのにほとんど怪我してないし…」
ガドがそういうと
「あれは死んだと思ったよ…」
トーシュが真っ青い顔をして言う…
「先生に感謝しないとな…」
「でもこれは拙いだろ この状態で慣れちゃうと、術が切れたときヤバいぞ」
ガドが深刻な顔で言うと
「…そうだな これ何時切れるんだろうな」
トーシュが答える
「ツノブタ解体して帰っても、効果が切れなかったら解呪してもらいに行こう」
エッタの言葉に三人が頷く
ツノブタは金貨二枚で売れた
依頼主さんが初戦果のお祝いにお肉を少し分けてくれ、寮で焼いてみんなで喰った
感想は「ツノブタってこんなに美味かったっけ?」だった…
やっぱ、自分で取った獲物は一味違うのかな
結局、「祝福」の効果が切れなくて、次の日先生に解呪してもらいに行った
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