表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/98

悪党の最後

コンコン…


「マサキ様、セレアです…」


ノックの後、来訪者が名乗る


「はーい 今開けるね」


アルフェリオがドアに走りカギを開け招き入れる


「いらっしゃい セレアちゃん さ、入って入って」


彼女は先ほど、この宿に案内してくれた少女兵


「「「失礼します」」」


セレアを含め三人が入ってくる


「マサキ様 お招きありがとうございます」


(うやうや)しく頭を下げる三人に


「いらっしゃい 大したものは出ないからもっと楽にして」


カップラーメンと缶詰だから、あまり恭しくされると心が痛い…


入ってきた子達を見回し


「あれ?三人だけ?」


「はい あまり大人数で押しかけても迷惑かと…」


セレアが、申し訳なさそうな顔をする…


「いや、先に言っておくべきだった 十人くらいは大丈夫だったんだ」


「…そんなに ありがとうございます」


まあ、帰りに差し入れとして持って帰ってもらおう


男手もあるようだし…


セレアが連れてきたのは男女一人づつ


「えっと、キミは…」


「アレスです 日中は失礼しました」


門で最初に受け答えしてくれた青年だ


「マリアです セレア様の侍女を務めています」


セレアと同じ年くらいのボブカットの女の子が挨拶してくれる


「侍女?」


「はい セレア様は現国王陛下の次女で、王位継承権三位の王女です」


「ちょ、ちょっとマリア…それは言っちゃダメ」


セレアが慌ててマリアの口を押さえる


「…やけに品があるなと思ったら」


ぼくがそういうと


「マサキ様 出来れば御内密に…」


セレアがお願いしてくる


「うん 大丈夫、秘密にするよ」


「ありがとうございます」


ほっとした顔をするセレアに


「ところで、さっきからぼく達に敬語だよね?ぼく達のこと、どういう人間だと聞いてるの?」


「国にマサキ様の身元照会した所 父が慌てて出て、ひたすら「失礼なことだけはするな」と…懇願されました」


魔王様…


しかし、王女様にカップラーメンと缶詰はないな…


「小夜 悪いけど家に行ってホムラさんに夕食の準備を三人分増やしてくれるように頼んできて」


「了解」


彼女はそう返事をすると、小さな木札を取出し壁に貼り付ける


するとそこにドアが現れ、入って行った…


呆然とするセレア達…


「…マサキ様 あの?」


「御内密にお願いします」


「…はい」


凄く困った顔をする三人に


「準備に少しかかるから三人とも座って 三人ともお酒は大丈夫?」


「私とマリアは未成年なので」


「未成年?幾つなの?」


「14です」


「へぇ 見えないね、大人びて見えるよ アレスくんは?」


「自分も酒精はちょっと…」


「シオ この子達に紅茶を入れてくれる?」


「はい お待ちください」




「マサキさん 準備できたから食堂に来てって」


小夜が呼びに来た


「じゃあ、行こうか」


クランカードをセレアとマリアに渡す


「あれ?一枚たりないや…すぐ準備するから二人は先に行ってくれる?」


セレアは一瞬不思議そうな顔をするが…


「はい わかりました アレス、無理はしないように」


賢しい子だな…


「…はい セレア様」


「小夜 ドアを閉めて木札を外せ アレス君、わるいがつきあってもらうよ」


「お任せください」


アレス君の返事を聞くと、ぼくは入り口のドアを睨み


「おい… 入ってこいよ腐れ勇者とド外道姫…」


ドアが開き、セイギと16歳くらいの着飾った少女が入ってくる


「アレス君 あの女の目を見るなよ」


精神支配か・・・ めんどくさいな・・・


勇者は嫌らしい笑みを浮かべながら


「デブ 久しぶりなのに随分な言い草だなw」


少女の方は


「私、貴方とは初対面ですよね?どうして私のスキルをご存じなのかしら?」


「お前らが入り口で待ってる間にステータスを見せてもらった」


姫は少しびっくりした表情を浮かべた後


「まあ、乙女の秘密を黙って覗くなんて嫌らしい セクハラですわ 謝罪を要求しますわ」


「…セクハラって そういえば、お前は転生者だったな 誰に転生させられた?」


「黙秘しますわ 守秘義務ですわ」


「…遊戯神か 一応聞いてみただけだ 義母(そうぞうしん)様に処罰してもらおう」


「あ、あの・・・」


姫の顔色が思いっきり悪くなる


そっちは無視して


「で、何の用だ?テロリスト?」


「お前らを仲間にしてやろうと思ってな 世界の半分をやるぞ」


「世界の半分か… 悪いが興味ない つうか世界征服にお前ら要らないわ やるならぼく等だけでおつりがくる」


「セイギ様 駄目ですわ こいつ等を活かしておいては遊戯神様が大変なことに!」


「…交渉は決裂だな デブここで死んでもらうぞ」


「そうか?アルフェリオ、小夜、シオ この二人を残して全員殺せ 一人も逃がすな」


「この二人はどうしますか?」


「両手両足をつぶして逃げられないようにするだけでいい 後の処罰は魔王国に任せる」


「「了解」」


小夜とアルフェリオは聖獣人化する


シオは聖剣をしまい、短剣を抜いた


「こちらにはSクラスの冒険者に匹敵する兵が…」


しどろもどろになる勇者を横目に見ながら


「…小夜 木札ちょうだい アレス君、姫様たちがお待ちだ 行くよ」


「で、ですが」


「…ここにいるとしばらく肉が食べられなくなるよ」


彼の手を引き異界居住区に入る


閉まる直前悪党二人の悲鳴が聞こえた…




後日、テロリスト二人の処刑が行われた


姫は「傾国の魔女」として火刑、勇者は縛り首になった


両手両足のない惨めな最後だったそうだ…


遊戯神は前回の部下娯楽神カグラの件もあり


消滅刑に処された





評価、ブックマークありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ