暗殺初体験♡
「さて、お嬢さん とっても楽しい拷問のお時間です」
ぼくは 天井から吊るされた暗殺者の娘に微笑みかける
さっき街中で襲撃 攻撃を結界に阻まれてパンツ丸出しで座り込む少女を
拳骨で沈黙させて そのまま拉致してきた
周りの「またコイツか・・・」と言う目が痛かったが・・・
年の頃は12~3歳 栗毛のどこにでも居そうな普通の娘…
「まず、所属と名前から教えてもらおうか」
ぼくがそう質問すると彼女は顔をそらす
「ふーん「死の羽音」のアンちゃんか 最近、売り出し中の組織だね」
そういうと、少女は目を見開きぼくを驚愕の表情で見る
「クッククク… 驚いたかい?ぼくに黙秘は通じないよ」
ぼくは意地の悪そうな笑みを浮かべ
「ミーア 聞いたね?」
ぼくの後ろに立っていた兎人族の少女が頷く
「シオとダン君たちを連れていって、「死の羽音」とかいう奴らを処理してきて」
ミーアは闇に溶けるように消える…
「処理って…どうする気?」
アンが初めて口を開く…
「おや、見た目通りの随分かわいい声だねw」
ぼくがおどけてそういうと
「みんなをどうする気なの?」
「…皆殺しに決まってるだろ ぼくに刃を向けて生かしておくと思うか?」
彼女の質問にぼくは無表情で答えた
アンは顔面蒼白になり
「そんな…ヒドイ」
とつぶやく
「…なんだ?殺される覚悟も無しに人を殺めてたのか?」
「だって… 殺さないと私達が…」
震えながら涙を浮かべるアン…
「…ぼくの知ったことではないな」
その一言を聞いたアンはぼくを睨むと、奥歯を噛みしめたあと苦しみだす
「奥歯に仕込んでた毒を飲んだか… もっと早く飲まなきゃ、意味ないじゃん」
自決用に毒を仕込んでることはわかっていた
どんどん、顔色が悪くなりもがき苦しむ少女をニヤニヤ笑いながら観察する
「まだ、死なないのか よく訓練されてるなぁ…」
そんな感想しか出ない…
しばらくすると痙攣をはじめ、漏らしたので
「アルフェリオ 解毒してやって」
アルフェリオがアンに手を添え 呪文を唱えると
「ぐっ…がぁ……あれ?」
解毒され呆然としているアンに
「そんな簡単に死ねると思ったか?」
「…あの毒は解毒できないって」
アルフェリオを抱き寄せ
「コイツはな 死人すら生き返らせることができるんだよ 自殺しても何遍でも生き返らせるからな 苦しい思いをするだけ損だぞ」
「嘘・・・」
絶望の表情を浮かべるアン…
「もう少し拷問に付き合ってもらうぞw」
「い、いやああああああああ」
暗殺者の少女の絶叫が地下室に響く…
・
・
・
・
・
天井から吊るされたままぐったりしている少女を見ながら
「まあ、末端の構成員が依頼人なんて知るわけないよなw」
小夜がアンを見ながら
「だったらどうしてあんなことしたの?」
「…なんか、途中から楽しくなっちゃって」
「だからって三時間もくすぐり続けちゃダメでしょ?」
「…反省してます アルフェリオ、回復してやって ぼくも少し休憩してくる」
ぼくは地下室から出ると 誰もいないのに話しかける
「ミーア 首尾はどう?」
ぼくの陰からミーアは顔を出すと
「幹部共は依頼者を吐かせた後、皆殺しに… 子供たちは保護し、ムラヤ伯爵様の更生施設に入れました」
「…依頼者は誰だ?」
「王国第二王子ゲルト殿下です」
「ミーア ごくろうさま 他の子達も労っておいてくれる?」
「ハイ… ご主人様はどうされるのですか?」
「…ホムラさんと小夜を連れて、王城に行ってくる」
「はあ なんというか、敵とはいえかわいそうになりますね」
・
・
・
・
・
「国王様 こちらからの要求をもう一度言うぞ」
半壊した王城でぼくは玉座に座り、土下座する王に言う
「一、首謀者ゲルト殿下とその一派の公開処刑
二、賠償金として王家の財産の八割と 毎年、国の予算の三割を支払え
三、王女ユリカ様を人質として寄越せ
四、この件は公表するな そして今後一切、ぼくに関わるな
この中の一つでも違えたら、この国の王侯貴族を皆殺しだ」
「…わかりました」
王は怒りではなく恐怖に震えながら了承した
その時、王の横にいたゲルトが剣を抜きぼくに切りかかってきた
「ふざけるなぁああ」
「ふざけているのは貴方です 私の目の前でマサキさんに危害を加えようなど…」
振り下ろされる剣をたやすく指二本で抓まんで止めるホムラ
そのまま、王子を剣ごと壁に叩き付ける 動かなくなる王子…
それを横目で見ながら
「さて、このいきなりの不始末 どう責任をとってくれるんだ?」
「・・・・・」
震える国王…
「…まあ、いい 今回はなかったことにしてやる もう面倒くさい…」
「…ありがとうございます」
土下座する王を見ながら
「ホムラさん、小夜 後、ユリカ様 帰るよ」
ぼく達、三人とお土産一人は王城を後にした…
評価、ブックマークありがとうございます