神さまになって
神様になってひと月が過ぎた…
ぼくが人じゃなくなったのを知っているのは、ホムラと4大魔獣だけ
屋台から帰ってきて、いきなりばれた
ばれてしまったので、従属神になるか聞いたら
アルフェリオとミーアは、二つ返事で承諾
小夜とシオは、もう少し大人になるまで待ってほしいという事だった
小夜は
「こんな、ちんちくりんで永久に生きるなんて嫌」
だそうだw
ココでホムラが爆弾発言…
「神は、決して不老でも不死でもないですよ 人より寿命が異常に長くて、頑丈なだけです」
…そういえば、運命神とか爺さんだったな
シオは、ホムラの従属神になりたいので、彼女が従属神を持てるようになる二十歳まで待つそうだ
早速、ホムラにやり方を教えてもらって、アルフェリオとミーアを昇神させてみた…
見た目は体毛が金から銀色に近くなったくらい…
ただ本人たちに聞くと、体力も魔力も人だった時とはけた違いらしい
化け物をさらに増強してしまった…
くれぐれも、目立たないように釘を刺しておく
ぼく自身は、はっきり言うと、人だった時と何も変わらない
あえて変ったことをあげれば
身体が軽くなって、疲れにくくなった事と
ホムラがさらに献身的に尽くしてくれるようになった位…
ホムラに理由を聞いたら
ぼくが神になって何でも自分で出来るようになったので
精一杯、尽くさないと捨てられてしまう
と思ったらしい
「ぼくは君といるためだけに人を辞めたんだよ」
と恥ずかしいセリフを言ったら、安心したのか少し落ち着いた
それに、従属神をつくる以外に力を使う気はないし…
この世界の管理も任されたけど、好きにしていいと言われたので一切干渉する気はない
ウチの子供たちが無事なら、他はどうでもいい
滅びたければ勝手に滅べばいいとすら思っている
「おはよう」
「あっ マサキさん、いらっしゃい」
ギルドのカウンターに座る女の子に声をかける
「今日どんな御用ですか?」
「うん 薬草の納品に来たんだけど…」
「ありがとうございます この時期は品薄なので助かります」
「よお、デブ お前、そんな年になって薬草採集なんかしてんの?はずかしくね?」
酔っぱらったガタイの良い前衛職の男が絡んできた
「ああ ぼくはヘタレなんだ 出来れば危険な仕事はしたくない」
「チッ 面白くないヤツ」
苦々しげな表情を浮かべる男
「ねえ アンタ、うちのリーダーにケンカ売ってんの?」
黒いローブを羽織った小柄な少女が、男との間に立つ
「…よせ 小夜、相手にするな」
突然笑い出す男
「こんなチビガキに庇ってもらって、まだそんなこと言ってんのかよ
チビ 俺はクラン「竜の爪」のジェフだ 生意気言ってるとぶっ潰すぞ」
小夜はわざとらしくおろおろしながら
「竜の爪だって、ケンカ売られちゃったよどうしよう(泣)」
ぼくはため息をつきながら
「わかった 潰されちゃかなわないから、好きにしろ やりすぎるなよ」
ぼくのセリフを聞いた男は
「なんだデブ 偉そうに」
あざけりの表情を浮かべる
その時
「クラン「はぐれ雲」のマサキ様、薬草の集計が済みました どうぞ」
カウンターの女の子がニヤニヤしながらお金を手渡してくる
ぼくは この子性格悪いなぁ と思いながら男の方を見ると、すでに真っ青い顔をして震えていた…
「あたしは、サヨって言うの 明日アンタのクランに行くから、全員で首を洗って待ってなさい」
「…「異界の…魔王」 まっ、まってくれ」
「嫌よ マサキさん、帰ろう」
「ああ」
結局、その日のうちに「竜の爪」は謝りに来た
法外な慰謝料とボコボコにされた男とともに…
こんな奴らのためにぼくががんばって、世界をよくする必要はない
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