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母親

「佐藤さん いつものもらえますか?」


なぜか空いている屋台の長椅子に座り、佐藤さんに注文をする


出てきた日本酒をすすりながら、アツアツのおでんを食べる


仕事終わりの至福の時間だ…


「今日は、スガ君一人なの?」


「ええ なんか、ミンナ仕事が終わらないらしくて…」


いつもぼくが一番遅くまで仕事してるんだけど…


佐藤さんと、他愛無い世間話をしながら、時間が過ぎていく…


そんな時、背後から声をかけられた


「お隣よろしいですか?」


そこには、真っ白い法衣を着た此の世の者とは思えない美しいご婦人がいた


一瞬、見とれて固まってしまったが


「あ、はい どうぞ、空いてますよ」


少し腰を動かして席を開ける


「ありがとうございます」


彼女は、長椅子に腰を下ろすと


「ご主人、こちらの方と同じ物を頂けますか?」


同じく見とれていた佐藤さんが我に帰り


「はい しばらくお待ちください」


出された日本酒を口に含むと


「あら 美味しい」


すごくかわいい笑顔で、ほほ笑む


ぼくは、なんとなく誰かに似ているな…と思いながら


「ぼくの、故郷のお酒なんですよ おでんとも合いますよね」


「おでんと日本酒の組み合わせは至高ですよね マサキさん」


…あれ?ぼく、この人に名乗ったことあるっけ?初対面だよな…


「あの、失礼ですが どこかでお会いしたことありましたっけ?」


ご婦人は、花が咲くような微笑みを浮かべると


「クスクス… 申し遅れました… 私はホムラの母「アサヒ」です」


「そ、創造神様っ!?」


咄嗟に後ろに下がって、臣下の礼をとる


「…頭をあげてください 今日は貴方にお願いがあってきました」


ぼくが頭をあげ、周りを見回すと総てが止まっている


「貴方は、本気でウチの娘を娶るおつもりなのですか?」


「・・・はい」


「神と人種の婚姻など許されると思いますか?」


「思いません ですが…」


「あの子にそういうと、力をすべて捨てて人になると言い出しました


ホムラは数億年ぶりに神界に生まれた子供で、神々の希望なのです


そのようなことはそれこそ許されません」


「・・・」


「そこで貴方に相談…イエ、お願いがあります…」


「…ぼく達は、わかれm「神になっていただけませんか?」よ… へっ?」


「貴方が人なので婚姻が許されないのです 神になれば何の問題もありません」


アサヒ様が大きな胸を張ってドヤ顔で言う


「ですが、ぼくは普通の元サラリーマンで何もできませんよ?」


「私が力を差し上げます 力を使うかどうかは貴方にお任せします これまで通り人として生きても構いません」


「・・・・・」


「貴方は、あの子と悠久の時を生きてくれるだけでいいのです 受け入れていただけませんか?」


「何かデメリットはないのでしょうか?」


「長い時を生きる以上、つらい経験をすることもあるかと思います…」


「死にわかれとかですか?」


「それは、相手が受け入れてくれれば眷族、従属神にすることで回避できます」


「では?」


「いろいろあるのですよ…」


彼女は悲しげな表情を浮かべる


「わかりました お願いします」


「本当ですか?」


「はい」


「気が変わらないうちに」


彼女がぼくの額に手を当て、何か唱えると全身に強い衝撃を感じた…


「あと、他の神にちょっかいを出されないように、貴方をこの世界の管理神に登録しておきます もちろん、放置するのも厳密に管理するのも貴方の自由にしてかまいません」


「ちょっかいを出される可能性があるのですか?」


「あの子は、良くも悪くも神々の希望なのですよ」


「は?」


「ではあの子のことはよろしくお願いします ココの御代は払っておきますね」


そういうと彼女は消え、止まった時が再び動き出す


なんか、詳しい説明がなかったんだが…


いったいどうやって力を使うんだ?


神様は説明するのが嫌いな人が多いな…


まあ、使う気がないから良いけど…


そもそもあれは現実だったのか?


「スガくん、ここにいたご婦人どっちに行ったか知らない?」


「どうしたんですか?」


「おあいそに金貨一枚置いていったんだ 追いかけてお釣りを…」


どうやら夢じゃないらしい…





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