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シャワー

「ミルファ、カグラ お前ら臭うぞ…」


「…そおかぁ そういえばここ数日寒いから水浴びしてねえなあ…」


自分の匂いをクンクン嗅ぐミルファ…


「きったねえなあ カグラは少し、血なまぐさいぞ…」


「今朝、このバカ勇者にバラバラにされたから、仕方ないじゃない…」


「誰がバカ勇者だコラ もう一回解体するぞ この邪神…」


剣を抜きカグラににじみよるミルファ


「とりあえず、水浴びしてこい 二人とも見た目は良いんだから勿体ねえだろ…」


「やだよ そもそもこんな所に水なんてないし、この寒いのに水浴びなんかしたら風邪引いちゃうだろ」


うん、そりゃそうだ…


「ホムラさん 車だしてやって」


「はい」


突然、巨大なキャンピングカーが現れる


「…なんだよコレ?」


「ウ○モグベースのキャンピングカーだけど…」


「誰も車種なんか聞いてねえよ…」


「本当に何でもありなのねえ…」


車内に入り、


「そこがシャワー室だから身体洗ってこい 温水も出るから」


「風呂はねえの?」


「風呂は今は無理だ 二、三日中に使える様にするから我慢しろ」


「…あるのかよ」


などと話していると、突然 異界居住区のドアが開き


「ごしゅじんさまあ」


素っ裸のアルフェリオが飛び出してきて、ぼくに抱きついた


続いて、同じく裸のエリスとシノが飛び出してくる


「聖女様、綺麗にしてないとご主人様に嫌われま…キャーご主人様?」


ぼくと目のあった二人は悲鳴を上げてUターンしてドアに飛び込む


「なんだよ おっさん… そんな趣味あんの?」


ミルファが呆れたような視線を向けてくる


「そんな趣味って?」


「使用人の女の子に室内で全裸を強要するとか…」


「そんな趣味ねえよ!アルフェリオ、どうした?そんな恰好でウロウロしてると風邪をひくぞ」


「ミーアちゃんがエリスとシノに私を洗えっていじめるの」


ドアからこちらを見ている二人の方を見ると


「聖女様はご主人様がいないのをいいことに三日もお風呂に入ってないんです 綺麗にしろとミーア様に言われて…」


言われてみれば、アルフェリオはいつもよりモコモコで、ホコリくさい


「アル 貴女、ちょっと来なさい 久しぶりに私が隅々まで綺麗にしてあげます エリス、シノも御風呂に戻りなさい 風邪ひきますよ」


アルフェリオは、ホムラに風呂場に連行されていく


「いやああああ ご主人様、たすけてぇ」


嵐が過ぎ去ったあと、すこしの沈黙があって


「…なあ?」


「なんだよ」


「あの、すげー美人なのに思いっきり残念な犬獣人のお姉ちゃん誰?」


「ウチの治癒術師でアルフェリオって言うんだ よろしくな」


「…やっちゃったの?」


「…うん」


「他には?」


「手は出してねえよ と言うか、どうしてお前に言い訳しないといけないんだ」


「そ、それは…」


ミルファはすごく困った顔をする


「もういいから さっさとシャワー浴びてこい 冷蔵庫の中の飲み物は自由に飲んでいいぞ」


「ありがとう…」


「ぼくは、他の子達と仕事の話をしてくるから、しばらく席を外すからな」


「うん わかった」


「今日は車に泊まるから、のんびりしていいぞ」



冬の日没は早い


今、俺の向かいの席には6歳くらいのハーフエルフの女の子が座っている


「おねえちゃん誰?」


「ミルファって言うんだ おっちゃんの新しい嫁だよ」


幼女は不思議そうな顔をして


「おじちゃんはエウリアと結婚するんだよ」


こんな幼女まであのおっさんは誑かしてるのかよ…


あのメタボ親父のどこがいいんだろうな…


「ミルファ、今日カレーだけどいいか?」


「カレーなんて食えるの?」


「おじちゃーん」


幼女がイスを降りて駆け寄っていく


「おう、エウここにいたのか?アリア様が探してたぞ」


おっさんは大事そうに彼女を抱き上げた 


「…カレーは少し、多めに作るように言っといたから好きなだけ喰ってくれ」


「ご飯もあるの?」


「あったりまえだろ ご飯が無くて何のカレーだというんだ 福神漬けもあるぞ」


ホント、このメタボ親父のどこがいいんだろうな…


俺、ホ○の素質あるんだろうか…




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