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ダンくんの想い

「おなか すいたね」


アンナがおなかをさすりながら夕やみ迫る街を歩いていく


迷宮での配達業務を終え クランの事務所に帰ってきた


ズンダの街の東、表通りから少し入った城壁沿いにある小さなワンルームのログハウス


「ただいまぁー」


トムがドアを勢いよく開けて駆け込んでいく


全員中に入ると 奥左のドアが開き


「今日も遅くまで、ごくろうさま 怪我は無いかい? 明日は非番だそうだから」


クランマスタ-のマサキさんが顔をだし、労ってくれる


「「「「「はい それじゃあ、お先に失礼します」」」」」


「はい おつかれさま」


カウンターのわきを抜け 奥の右の扉を通ると


そこは俺たちの現在の住処 異界居住区の四階に出る


部屋割りは男女別で二部屋使わせて貰っている


「ごはん♪ごはん♪ リムー、ごはん行こう」


部屋によらずにそのまま一階の食堂に行こうとするアンナ


「ローブを脱いでいくから待って 聖女様に頂いた大切な物なのに汚れちゃう」


リムはアルフェリオさんにもらった白いローブを脱ぎながら、部屋に入って行った


「あっ、あたしも脱がなきゃ・・・」


今着ている小夜さんとお揃いの黒いローブはアンナのお気に入りだ


このローブを着ていると、他のパーティーに絡まれなくて良い




「シオさん 明日、手の空いている時間があれば、俺とトーマスに稽古付けてほしいんですけど・・・」


食堂のキッチンにいるシオさんに稽古をお願いする


「明日、お休みなの? いいよ 13時から15時まで空いてるから、うちの馬車においで」


「「はい よろしくお願いします」」


二人でシオさんに頭を下げる


剣聖流のソードマスターに剣の指導を受けられるなんて、スゴイことだと思う


小夜さんやアルフェリオさんも暇さえあれば、下部パーティーの呪文使い達の指導をしてくれる


ウチのパーティーはこの数か月で、格段に強くなった


これだけでもこのクランに入れてよかったと思う



カウンターの中から


「お話済んだ?さっさとご飯食べてよ 今日はラザニアとオニオンスープだよ」


ニアが速く食べろと急かす


「ボクが作ったオニオンスープの感想よろしく」


最近、リリーは料理にはまっていて、すごく努力している


最初はいろんな意味で凄かったらしいが・・・



食事はいつもはホムラちゃんとマサキさん、エウリアが用意しておいてくれる


でも今日は、ミーアさんとタケシのパーティーが休暇だったので、3人が作ってくれたらしい


ホムラちゃんは働き詰だから、すこしでも休んでもらいたい


明日はウチが休みだから、俺らもおいしい物作らないとかっこわるいな・・・


あとでみんなでメニューを相談しよう





食事を済ませ、入浴・・・


風呂なんて貴族の贅沢だと思っていたのだが・・・毎日入っていると癖になる


最近、リムとアンナがすごくいい匂いがしてヤバい


アンナ 風呂上りに腰に手を当ててフルーツ牛乳を飲むのはやめろ


マサキさんのまねをするな


おっさんか?お前は・・・





部屋の照明を落とし、初冬の草原を眺める


マサキさんの馬車は、今大草原の真ん中にいるそうだからそこの景色だ


遠くにきらめく光が見える たぶん宿営地があるんだろう


この世界ではみんなぎりぎりで生きている


俺たちも、数か月前まではそうだった・・・


あの日、リムが両腕を失った時も、俺たちには絶望しかなかった


でも、ギルドで拾った太ったおじさんは、リムに両腕を返してくれて、俺たちを生きるだけで精一杯の生活から拾い上げてくれた


アルフェリオさんやホムラちゃん達は リムにマサキさんを救ってくれたことを感謝していると言ってくれる


でもそれ以上に俺たちは、このクランのみんなにすごく感謝しているよ





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