増える揉め事
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「エウ、これを持ってアルフェリオと、お外で遊んどいで」
エウリアにキャンディーの詰まった袋を渡す
「アルフェリオにも分けてあげてね」
「うん アルフェリオちゃん お外であそぼ」
アルフェリオはシッポをぶんぶん振りながら、エウリアに連行されていく
「エウ アルフェリオの事頼むな」
「まかせて」
「え~っ?」
アルフェリオが抗議の声を上げるが、そのまま外に出て行った
それを見送った後
「で、話と言うのは?」
目の前に座る偉そうな貴族に、問いかける
「我が皇帝がキサマに「ドゴン」・・・」
貴族が話し出すと 突然、破壊音が響く
外に飛び出すと、裏拳を振り切ったアルフェリオとその足元に座り込んで泣いているエウリア
その十数メートル先に首が変な方を向いたやつを一番上に、折り重なって倒れる帝国騎士・・・
「アルフェリオ 何があった?」
アルフェリオはエウリアを抱えあげ、抱きしめると一番上で倒れている騎士を指さして
「あいつがエウリアちゃんに足をかけて転ばせたの」
「おい、どういうことだ?」
帝国騎士の中から体格のいい、ひときわ豪華な鎧を着た男が出て来て剣を抜く
「我が騎士団に手を出して生きていられると思うなよ けがらわしいケダモノが」
エウリアを抱えたまま、構えを取るアルフェリオ・・・
「アルフェリオさん 私に任せてください・・・」
その前に大剣を携えたシオが出てくる
「誰だお前?」
「シオと言います 短い付き合いですがよろしくね~」
自然体で剣も抜かずににこにこ笑って立つシオと剣を構えいきり立つ大柄な騎士
先に動く大柄な騎士
その時、帝国騎士の中から
「騎士団長! そのガキ、ソードマスターです きをつけ・・・」
驚愕の表情を浮かべたまま宙を舞う騎士団長の首・・・
「コラ シオ、殺しちゃダメだろ」
とりあえず、シオを叱っておく
シオは剣を鞘に戻しながら
「でもお、アルフェリオさんが殴った騎士さんや下敷きになった人たちも死んでますよ?」
目をそらすアルフェリオ・・・
怒りに震え何かつぶやいてる貴族の男に
「先に手を出したのはお前らだからな ちょっと遣り過ぎたかなとは思うけど(笑)」
と言ったら、キレた
「ふざけるなっ たかが亜人の娘一人、ころb・・・」
男の背後から首筋につきつけられる短剣・・・
「オマエ、一度死んでみるか?」
ミーアが男の耳元でつぶやく
「ミーア はなしてやれ」
「はい ご主人さま」
よろけながら、騎士の方に走っていく貴族の男
騎士の所に着くと
「こいつら、全員殺せ 帝国に弓を引いたことを後悔させてやれ」
剣に手をかけようとする騎士たち・・・
トサッ・・・
同時に騎士たちの手首が土の上に落ちる
「「「「「「「「「「ぎゃああああああああああああ」」」」」」」」」」
響く男たちの絶叫
「ゴメーン 剣を斬ろうとしたのに失敗しちゃった てへ」
小夜が舌を出して可愛く言う
「うそつけ・・・」
ぼくが言うと
「あたしの家族に手を出して生きて帰られるわけないでしょ? ・・・次はどこを切り落とそうか?」
彼女は冷たく言い放った
パニックになって逃げだす帝国兵たち
貴族の男は転んで「運よく」逃げ遅れてしまう
「・・・・・・・潰れろ メガグラビティ」
呪文を唱え終わると、貴族の男を睨む小夜
「さーて、コイツどうしようか?」
ぼくに聞いてくる
「やり過ぎだ お前らあとで説教だからな ホムラさんがだけど」
小刻みにプルプル震える四人・・・
貴族の男に
「皇帝様に謝っておいてくれ うちのじゃじゃ馬共がやり過ぎた これでも随分手加減してるんだけどなぁ・・・」
呆然としている男を置いて車に戻ると、エウリアはアリア様とおやつを食べていた
「エウ、おいしいか?いっぱい食べろよ」
居住区を覗くとリビングで四人がホムラに叱られている
もう一度外を見ると貴族の男は居なくなっていた
「また、面倒なことになりそうだなぁ・・・」
砂漠をとぼとぼ歩く貴族の男
「あいつら絶対復讐しtギャッ」
何かにつまづいてこける
つまづいたものを見ると それは潰れた帝国兵の亡骸だった
まるで巨大なものに踏みつぶされたように死んでいた
「ぎゃああああああ」
周りを見回すと逃げだした兵すべてが死んでいる
「あは、あはははははは」
男は突然笑い出すと街道を外れてふらふらと砂漠に消えて行った・・・