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アリアの新体験(主要人物プロフィール)

国内視察旅行初めての朝は雨だった


それもどしゃ降り、数十メートル先もよく見えない




昨日の夜は、領地から三番目の宿営地で野営した


初めての外でのお泊りにドキドキしたけど


夜も馬車の中は昼間のように明るいし、「えあこん」という魔道具から涼しい風が出ていて快適


寝室も個室をもらえて、ちょっと硬いけどなぜかとっても楽なベットで寝られる


お水もお湯も蛇口というモノから好きなだけでてくる上、そのまま飲めるみたい


お屋敷よりずーーーーっと快適だった



夕食は「カレー」と言う黄色の野菜とお肉がたくさん入ったシチュー


ちょっと辛かったが、後を引く味でおいしかった 思わず、お替りしちゃった


デザートは柑橘の果汁を凍らせた「シャーベット」というお菓子がでた


これも酸っぱいが口の中がすっきりして美味しかった


お昼も「そうめん」という食べるのが大変な料理だったが美味しかったし、デザートに出た「プリン」というお菓子は絶品だった


お屋敷よりおいしいものを食べていて、旅のイメージが変わってしまいそうで怖い




食事がすむと私は また、馬車の上の見張り台に上って 横になって星を見る


なかよしの小夜が付き合ってくれる


お父様に聞いた話では、彼女は国や他領主、他のパーティーから引く手あまたの新進気鋭の魔導師だそうだ


見た目は小さくて、ちょっと気が強そうだが可愛らしく とてもそんな力を持っているようには見えない


事実,とっても優しいし 私ともすぐお友達になってくれた


二人で横になって星を見ながら話をしていたら、眠くなってしまったので ここで寝ようかと提案したら 今日は夜半から雨だから絶対ダメと言われた 


こんなにきれいな星空なのに?と思ったが指示は聞く約束なので素直に車内に戻ることにした




車内に戻るとアルフェリオさんにお風呂に引きずり込まれた


彼女はおっとりフワフワ系の犬獣人のきれいで優しいお姉さん


是非、一度彼女のふわふわのシッポをモフモフしたいと思っている 頼んだらやらせてくれないかな・・・


一緒に服を脱いでいてビックリしたのだが、彼女の身体は全身傷痕だらけだった


お風呂で話を聞くと、一度死にかけたことがありその時の怪我の痕だそうだ


マサキさんに助けてもらえなければ、100%死んでいたと言った


背中を洗っていて気付いたのは その胸の大きさに目を奪われがちだけど 全身鍛え上げられていてすこしの脂肪も付いていなかった


何か武術でもやっているのだろうか・・・




お風呂を上がり、なんとなくリビングを覗くと シオさんがテレビという魔道具のドラマという劇を見て感動して泣いていた


彼女は、赤毛を肩まで伸ばし身長は私より少し大きいくらい 顔は美人だけどいつもぼーっとしている感じの人


確か、彼女はセン・ベイ市の領主ソウカ男爵の令嬢で、どういう経緯かわからないが剣聖様に預けられ、ソードマスターにまでなった達人だったはず・・・


学生時代の友人にも彼女にあこがれる者は少なくなかった 今の彼女を見たらあの子たちはどう思うのだろう?


・・・見なかったことにしようと決めた




寝室に戻り、窓の外を見ると雨が降り始めていた 


小夜はどうしてわかったんだろうと思いながら 窓を開けると風を切る音が聞こえる


音のする方を見ると 雨の中、一心不乱に短剣を振るミーアさんがいた


ミーアさんは金毛の兔獣人 小さくてとっても可愛らしく年下にしか見えないが、実はこのパーティーの女性陣最年長


サブリーダーを務め、自分にとても厳しい人 他人にも少し厳しい・・・


しばらく、見ていたが 雨の中で練習しているのを、ホムラちゃんに怒られて車内に戻っていった


彼女にとってマサキさんとホムラちゃんの命令は絶対らしい




夜中にトイレに行きたくなり、一回に降りてマサキさんの部屋の前を通ると、中からホムラちゃんの声がする


とっても苦しそうで一生懸命マサキさんの名前を呼んでいる


私も子供じゃないからナニをしているのかはわかる



彼女は、銀髪赤眼のスゴク神秘的な女の子 小夜より小さいけど胸は私より大きい


マサキさん以外とはほとんどしゃべらない ほとんど無表情でマサキさんと話すときだけ、本当に楽しそうにかわいく笑う


よく、小夜が彼女に叱られる すごく澄んだよく響く声で怒るからとっても怖い


一番年下なのに、このパーティーの女の子たちはみんな彼女を「ホムラ様」と呼ぶ 見ていると恐怖ではなく崇拝している感じがする


でも、私にでも彼女は普通の人とは違うとわかる 気を抜くと手を合わせて拝んでしまいそうになる 少し怖い・・・



ホムラちゃんがマサキさんの名前を叫び静かになって、荒い息だけが聞こえる


私は逃げるように立ち去った そういえば二階にもトイレがあったな・・・と思いながら




「みなさん、おはようございます」


挨拶をするとみんなから返ってくる


「アリア様 昨晩はよく眠れましたか?」


このパーティー「はぐれ雲」のリーダーマサキさんが聞いてくる



彼はいろんな意味で丸い人 体型も性格も全部まるい


リーダーと言ってもほぼ事務・雑務担当 


一番年上だからリーダーになっているだけだと笑ってた


でも、このパーティーの女の子はみんな彼に好意を寄せている


どこがそんなにいのか私にはわからないけど 一緒に旅を続けていれば、何時かわかるだろうか?



「はい よくねむれました」


と言っておく


本当はホムラちゃんと貴方のせいで寝れませんでした 責任とってください


ホムラちゃんが朝食のプレートを持ってきて、私に耳打ちする


「昨晩はお楽しみ頂けましたか?す・け・べさん(笑)」


うそ、気付いてたの?


私を見ながらホムラちゃんがかわいく笑った・・・


「今晩はアルの番です 彼女ははもっとスゴイですよ・・・(笑)」


 

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