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懐かしい村で

「小夜、目が赤いぞ どうした?」


マサキさんが話しかけてくる


「あ、うん 昨日、遅くまでテレビみてたから・・・」


「そうか 夜更かしもほどほどにな」


ウソをついた


化け物になったのが悲しくてアルさんと二人で一晩中泣いた


でも不思議とホムラ様に恨みはない・・・


自分でもおかしいと思う


洗脳されているのかもしれない 


でも、それすらまあいいかと思える


そして明け方二人で決めた 


死なないなら自分を盾にしてマサキさんを守ろう


ずーっとあの人と生きていこうって・・・





「そうか 夜更かしもほどほどにな」


それは夜更かしした顔じゃないだろ・・・?


明らかに泣きはらした顔だ・・・


アルフェリオも同じ顔をしている


あちらは無理に明るく振舞っていてさらに痛々しい


無理やり聞き出そうかと思ったが それは間違ってると思い止めた


悩みを話してもらえないのはぼくが頼りないからだ


ぼくはまだ二人の心からの信頼を得られていない


だからぼくは彼女たちがいつかぼくから離れる時 


せめて「今までありがとう」と言ってもらえるように頑張ろうと思う




「おじさぁーん ひさしぶりぃ」


アルフェリオが見覚えのある門番に抱きつく


「おおっ びっくりした アルフェリオちゃんか?元気にしてたか?」


「うん 元気だよ 殺されても死ねないくらい」


「そうか 旦那はどうした?」


「お久しぶりです・・・ぼくはアルフェリオの旦那じゃ・・・」


「おう、ひさしぶりだな・・・ お前、また連れてる女の子が増えてるじゃないか・・・」


「いろいろあったんですよ いろいろ・・・」


「聞かない方がよさそうだな・・・」


「そうしてくれると助かります」


「で今日はどうした?」


「この子、冒険者登録しないと身分証明できるものがなくて・・・」


シオを横に並ばせる


「じゃあ、銀貨一枚預かるな 登録が終わったら受け取りに来いよ 通っていいぞ」


「ありがとうございます」




門から少し離れたところで予定を確認する


「ぼくとホムラさんはシオを連れてギルドで用事を済ませてくる アルフェリオと小夜は一足先に宿屋で部屋を三つ取っておいてくれ」


「りょうかーい」


「頼むな 三部屋とれなければとる必要はないからな また外で野宿しよう」


「まあ、あれが野宿かと言われると疑問ですけど・・・」


ホムラが茶々を入れる


「そうですねぇ・・・」


シオまで言うのか?




そこで二組に分かれギルドに向かう


ギルド内は相変わらず混んでいた


シオの登録を待っている間、ホムラに掲示板を見てもらうことにした


登録は問題なかったのだが、終了するとホムラに呼ばれた・・・


「マサキさん これ見てください・・・」


そこにはシオの捜索願が張り出されていた 依頼者はボント・ラヤ・・・


「シオ この依頼者って誰だ?」


「御師様です 今代の剣聖です・・・御師様、怒ってるかも・・・」


「一度顔を出した方がいいかもな・・・お年寄りにあまり心配させない方が良い」


「行きたくないです すごくおこられる(泣)」


シオが絶望した顔をする


「自業自得だ 知らん たっぷり怒られてこい」


よし、宿屋に行くぞ




「小夜 アルフェリオは?」


「その辺の通りで無料治療してると思うけど・・・」


そこに男が駆け込んでくる


「大変だ アルフェリオちゃんが教会に連行された」


この世界では、治癒術師を統括する教団は絶大な権力を持ち、国ですら介入できない


その下部組織である各地教会も治癒術を一括管理し莫大な収益を上げている


そして、アルフェリオの様な流れの治癒術師や医師など、教会の営業を妨害するものを教会に連行し暴行を加えて、いうことを聞かせることも少なく無いらしい


男に教会の場所を聞き、全員で向かう


カギが掛けられているのか開かない入口をシオが蹴破ると、そこには神父に組み伏せられたボロボロのアルフェリオが居た


それを見たとき ぼくの中で何かがキレた


気が付くとぼくの右手には拳銃が握られていて硝煙が上がっていた


アルフェリオを襲っていた神父が肩を押さえながらぼくに命乞いをしている


周りにはアルフェリオが襲われるのを笑ってみていた教会騎士たちが壁にめり込んだり、失った四肢の切面を押さえて泣き叫んでいる


「マサキさん、アルはまだ行為はされてません 怪我もほとんどないようです・・・」


アルフェリオの様態を見ていたホムラが報告してくれる・・・


「ばかな・・・その犬の両手両足はへし折ったはずdaぐあっ」


神父の右手のひらを撃ち抜く・・・


「・・・死ぬか?お前」


「き、貴様ら 教会にこんなことをしてタダで済むと思うなよ」


神父が震えながら啖呵を切る


「やれるものならやってみなさい 生きていることを後悔させてあげる・・・」


ホムラが赤い瞳で睨み、冷たく笑うと神父は盛大に漏らし、失神した


「かえろうか・・・」


気を失ったままのアルフェリオを抱きかかえ、教会を出て町の門に向かおうとすると


突然、教会の鐘塔が爆発した・・・


ビックリして振り返ると、小夜が教会を睨んでいた 彼女は身体を怒りで震わせながらつぶやく


「次は一人残らず消し飛ばしてやる・・・」


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