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逆襲のお嬢様

朝早くセン・ベイの町を出発し、峠の湖湖畔をめざして 


キャンピングカーは快調に走っている


ドライバーはアルフェリオ、助手席はホムラ


アルフェリオは運転を教えたら瞬く間にうまくなった


ホムラはお気に入りの緑茶を飲み流れる景色を楽しんでいる


ぼくと小夜は対座席でコーラを飲みながらくつろいでいた


「アル!止まりなさい」


ホムラが急に停止を指示する


「はひ、ホムラ様ぁ」


キィイイイイイイイイイイ


「ど、どうしたんだ?」


「人が倒れています 助けますか?」


ホムラが困った様子で聞いてくる


「・・・きっと後悔しますよ?」


もう一度聞いてくる・・・


「?ほっておくわけにもいかんだろ・・・」


全員で車を降りて倒れている人に駆け寄る


そこには赤毛を肩まで伸ばした、整った顔立ちをした美少女が転がっていた


歳はアルフェリオより少し上位、身長は160くらいかな


身体つきは普通、でもお胸は大きい 


自分のモノではないが少しうれしい


だが嬉しかったのはココまで


詳細鑑定をかけて後悔した



シオ・ソウカ18歳


ソードマスター

剣聖の弟子

セン・ベイ領主ソウカ男爵の次女


備考

現在、父の敵マサキを討つために故郷に戻る途中



・・・見なかったことにしよう


他の3人を呼び逃げることにする


「・・・お・・なか・・すいた・・・」


「くそっ 仕方ない・・・」


結局、彼女を抱き上げて車に運び込む


「もう、本当にお人好しなんだから・・・」


小夜が呆れたように言う






ぼくの前で、シオが具の多めのシチューを口に運んでいる


「で、シオさんはどうしてあんなところで倒れてたの?」


「お恥ずかしいことですが、旅の途中で路銀を落としてしまいまして・・・」


「シオさんの剣の腕なら、途中で動物を狩るなり食物を得る方法があったでしょう?」


「わたし、料理も動物の解体も出来ません・・・」


「・・・剣聖様はどうしてこの人を一人で旅に出したんだ?」


「実は父が貶められたと聞いて、御師様に許可を取らずに飛び出してきました」


「貶められたって?」


「奪われた奴隷を父が取り返そうとした所、奪ったマサキという男の策にはめられ父は尊厳と信用を失ったと・・・」


「ああ・・・それはぼくのことだな ぼくがそのマサキだよ」


「なんですって?」


シオが剣に手をかける


突然、小夜が怒鳴る


「あたしがあんたの父親にどれだけひどい目に遭わされそうになったと思ってるのっ?」


泣きながら抗議しだす


「どういうことでしょう?」


「騙されて犯罪奴隷にされかけてやっとマサキさんに助けられたと思ったら、今度は拉致されて力ずくで奴隷にされそうになったんだから・・・」


小夜が激昂する


「貴女はせっかく父の奴隷になれたのにどうして嫌がるのですか?私達のような高貴の人間の奴隷になるほど光栄なことはないでしょう?」


シオが不思議そうに言う


小夜は二の句が継げず固まっている


沈黙が流れる


「そうですか・・・それなら貴女も私の奴隷になってもらいましょう」


ホムラがすごく冷たい目で告げる


「イヤです どうして私が冒険者風情の奴隷などに・・・」


「いいえ、神である私の奴隷になるのです 光栄でしょう?」


首を傾げて聞き直す


「い、嫌ぁああ」


シオが思い切り拒否し、抵抗しようと剣を抜く


「あぶないですね・・・」


ホムラはシオの剣を振り下ろそうとする右腕を事もなく掴み、肩を押さえ腕を引き千切る


ゴキッ・・ブチブチブチッ


「ぎゃあああああ 私の腕があああ・・・」


「うるさい あとで繋げてあげます 黙りなさい」


と言ってシオの頬を殴る


バキッ


「がはっ」


顎が砕ける・・・


「アル この女の服を脱がせなさい」


「はい ホムラ様」


シオを上半身裸にすると


ホムラはナイフを取出し、シオの胸を無造作に切り開き心臓を引っ張り出す


シオが吐血する


「カハッ・・・わ・・だじの・・心・・臓・・?」


そして呪文を唱え、心臓に呪印を刻み


もとの位置に戻すと胸と右腕・顎を復元した


「うそ・・・あなたは本当に神なのですか?」


シオは、元通りの自分の身体を見てホムラに問いかける


「シオ 貴女はこれから私達に悪意や殺意を向けるだけで心臓が止まり身体が動かなくなります ですが死ぬことはありません 文字通り死ぬほど苦しいだけです」


「そんな・・・」


「そして今後、どんなに体を破壊されても死ぬことも出来ません マサキさんが死ぬまでね もちろん傷を受ければ相応の痛みはありますよ」


「ウソ・・・」


「見せてあげましょう 外に出なさい」


「イヤ・・・」


「出なさいと言っているでしょう?」


ホムラが睨むと


「はい・・・」


シオを車から少し離れたところに立たせ


いきなりホムラが背後から蹴る


シオの身体は爆散するが、ものの数秒で再生されてしまう


再生が終わるとシオは狂ったように泣き叫ぶ


「いやぁああああああ」


「大丈夫ですよ もう狂うこともできませんから」


ホムラが冷たく笑う


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