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再会

宿営地に付くより早く雨に降られてしまった


「ホムラさん、テントは無理そうだ 車だしてくれる?」


「はい ここで大丈夫でしょうか?」


「他にいないみたいだし、今から移動も大変だよ」



車に駆け込む


「ホムラさんとアルフェリオは着替えとか準備してきなさい


ぼくはお風呂の用意しておくよ」


「三人で入るの?」


「まず、君ら二人で入って、出たら僕が入るよ ぼくはそんなに濡れてないから」


「一緒に入ろうよぉ」


「そうですね たまにはご一緒にいかがですか?」


「いや、ぼくが恥ずかしいので勘弁してください・・・」


ホムラ キミ、ぼくが絶対断ると思って言ってるよね




二人がお風呂に入りすこし静かになったので 


のんびりお茶を飲みながら外を見ていると


宿営地に中規模の商隊が入ってきた


「ご主人様、出たよぉ アイス食べていい?」


ダボダボのTシャツを着ただけのアルフェリオが異界居住区から出てきた


「アイス食べていいから 服を着ておいで」


ホムラのお風呂が長いのはいつものことだから・・・



なんてやってると搭乗口のドアがノックされた


あの商隊の人かなとドアを開けると


見覚えのある商人がいた


また、車内を覗き込む


「なんだ、なんか用か?」


「今日はあのエルフはいないようですね」


「関係ないだろ?」


「ですが、これは・・・いい値の付きそうな獣人を連れてますね 私に譲りませんか?」


「バカだろお前?」


「お嬢さん、私とくればいい生活ができますよ?」


「わたしはもうご主人様のモノだから無理だよ ばかだろおまえ」


「わかったか?とっとと帰れ」


「ちょっと待ちなさい」


「なんだ?」


「私は今日はAランクパーティーを連れてるんですよ」


商人はニヤーッと笑う


「だから?」


「Aランクパーティーですよ?」


ちょっと焦りだす


「そうかよ 良かったな じゃあな」


ドアを閉める


外で「必ず後悔させてやる」とか喚いてる


反対側のドアが開いてホムラが出てくる


「ホムラ様ぁ 変なおじさん来ました」


「へんなおじさん?」


「あの悪徳商人が来たよ Aランクパーティー連れてるんだって」


「だからどうしたというんでしょう?」


ホムラが首を傾げる かわいい


「あっ アル、貴女なんて格好してるんですか?服を着なさい」


「はぁーい」


ぼくは一言もホムラがいないとは言ってない


「マサキさんも早くお風呂入ってきてください」


「うん」




風呂から出たら全部終わってた


外に出ると雨の中でアルフェリオが差し出す傘の下


仁王立ちするホムラの前でボロボロの冒険者たちが土下座して雨に打たれていて


あの商人は簀巻きにされて濡れた地面に転がってた


「あのおじさんが、ホムラ様と私とこの車は本当はあのおじさんのモノでご主人様に盗られたものだから取り返してほしいって言われたんだって」


ホムラさん、土下座してる奴の前で仁王立ちするとぱんつ丸見えですよ


オイ、冒険者のおっさん視るんじゃねえよ ニヤニヤするな


「マサキさん、この商人はギルドに虚偽の申告、虚偽のクエスト依頼をした罪で処罰されるそうです」


「ちがう 私はうそを言ってない みんなその男に騙されているんだ」


「うるせえ」


「ぐあっ」


冒険者の一人が商人を蹴りつける


「・・・こんな化け物とやらせやがって 危うくテメエの嘘で死ぬとこだったじゃねえか」


おい、蹴った冒険者ホムラさんが睨んでるぞ 早く謝れ


「ホムラさん・・・ 落ち着いて」


冒険者が気付いて「すいません」と謝ってくる


「で、どうなるの?」


「この商隊の商品、資金は慰謝料として全部貰って良いそうです


あとギルドからも謝礼が支払われます」


「ただ、一つ問題がありまして・・・」


後に立つ冒険者が申し訳なさそうに言う


「問題?」


一台の馬車に案内される


「これなんですが・・・?」


檻の中に人が入っている


「奴隷か?」


「言葉が通じないのではっきりしたことはわからないのですが・・・」


「どうも、騙されて犯罪奴隷になったらしいんですよ」


「罪状がパン一枚窃盗しただけなんです」


「そりゃあ、厳しすぎるね・・・」


と話していると 檻の中の人物が騒ぎ出した


「日本語?あなた日本語がわかるの 私パンなんて盗んでない パン屋のおじさんに貰ったの」


「?」


ホムラが耳打ちする


「マサキさん この娘、日本人です・・・」


「はあ?」


懐中電灯で檻の中を照らす


そこには、10年前に行方不明になった幼馴染片桐小夜がいた


行方不明になったときの姿のままで・・・



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