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出立

なぜかメイドさんが増えた


アルフェリオ、どうして君までメイド服を着ているの?


え?ホムラがこれがうちのパーティーの女子の制服だと言った?


あれ?そうだっけ・・・


「ホムラさん」


「はい?」


「アルフェリオのあの恰好はどういうこと?」


「・・・うれしいでしょ?」


・・・確かにうれしいけど


「スカート短すぎない?」


シッポが揺れるたびにパンツ見えるよ?


「え?うれしいでしょ?」


うん、すごくうれしいけど・・・


「アルフェリオはそれでいいの?」


「ホムラ様が見せパンだから見られても大丈夫って・・・」


「まあ、本人がいいならいいけど・・・」


それ、普通のパンツだよね・・・


「ご主人様、見せパンってなに?」


「・・・そのパンツのことでしょ?」


アルフェリオ キミ、ホムラに騙されてるよ?


言わないけどね




現在、メイド組とぼくに分かれてテーブルを挟んで座っている


「アルフェリオもだいぶ元気になったし、そろそろ先に進もうと思うんだけど」


「そうですね 良いと思いますよ」


「アルフェリオは?」


「どこにいくの?」


「とりあえず、セン・ベイの町を目指してる」


「セン・ベイなの?・・・結構、遠いね」


「まあ、「何時か着けば良いや」位の旅だからのんびり行くよ」


「うん、大丈夫 がんばるよ」


「二人とも良いなら、明日出発しよう 明日はあの村に一泊するからアルフェリオはギルドや知り合いに挨拶しておいで」


「ご主人様、ありがと」


「ギルドのノルマは薬草を納品してクリア状態にしておくから」


「アルはこれを身に着けておきなさい」


ホムラはアルフェリオにぼくと同じポーチを手渡す


「これ、なんですか?」


「中にマサキさんと同じ武器が入ってます 使用方法は今からみっちり教えてあげます」


「はい ホムラ様 おねがいします」


あれ?


「そういえばアルフェリオはホムラさんには敬語だよね?」


「何言ってるのっ!? ホムラ様は神様だよ ご主人様も敬語で話してっ!」


アルフェリオに怒られた・・・


・・・何時の間にこんなに崇拝するようになったんだ?


だいじょうぶなのか?


ホムラがぼくの耳元でささやく


「あの子、今なら私が「死ね」って命令したら、喜んで死にますよw」


ホムラさん、怖いよ・・・


まだ、アルフェリオがぼくを戦闘に巻き込んだこと怒ってるの?





次の日の朝


「ホムラさんとアルフェリオはローブを羽織りなよ」


「はい」「うん」


「じゃあ、車を収納して出発しようか?」


ホムラは車をエプロンのポケットにしまう


「はぁー 本当にポケットに入っちゃうんですね」


「アル、あなたのポーチにもこのくらいなら入りますよ」


「さあ、行くよ アルフェリオは病み上がりだから辛くなったらいいなよ」


「ありがとうご主人様 大丈夫だよ」




一時間後・・・


ゼェーハー、ゼェーハー し、しんどい・・・


「・・・そろそろ休もう」


「ご主人様、さっき休んだばかりだよ」


「メタボに歩きはキツイ・・・」


ぼくの前でアルフェリオが背中を向けて


「ご主人様、私がおんぶしてあげる」


と言う


ぼくは君の倍以上体重があるから背負うのは無理だよ


「少し休めば大丈夫だから・・・」


「アル、無理はだめですよ 貴女も休みなさい」


ホムラはシートを敷き、スポーツドリンクを手渡してくれる


30分ほど休んで再出発



結局、そのあとも二度ほど休憩し、10㎞に四時間半かかってしまった


体力落ちてるなぁ



村に到着後はぼくひとりとメイド組に分かれ、ぼくは宿屋に部屋を取りに行き


アルフェリオは村やギルドの知り合いに無事の報告と別れの挨拶に行った



その日の晩


宿屋の女将に


「今度はアルフェリオちゃんをたぶらかしたのかい?まあいいや、飲みな」


と言われ、また記憶がなくなるまで飲まされた 意味わかんないよ・・・



そして案の定、翌日の朝


両脇に全裸のホムラとアルフェリオが寝ていて・・・


目を覚ましたアルフェリオに


「ご主人様、ヒドイよ 私、初めてだったのにあんなことするなんて・・・」


とぼくの右腕に抱きついて潤んだ瞳で言われた・・・ 


あんなことって、ぼくは一体何をしたんだ?




その日は普通に宿で朝食をとり、女将に別れを告げて旅立った



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