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ノート晒し 7ページ目

「んんっ」

「あっ起きた?」

「あなた、だれ?それにここ、どこ?」

「えーと私はここではたらいているボランティアで、ここは公民館。あなた3日間眠り通しで、病院に連れていったんだけど、医者は『なんともない』といったし、病院は患者がいすぎて入院できなかったんだ」

「あの私……。お母さんの前にいたと思うんだけど……」

「あぁそれね。あなたを見つけた親切なおじさんがここまで運んできてくれたの。あー、それで言いたくはないんだけど、やっぱり言わなくちゃならないから……あのね、あんたのお母さん……」

もう言わないで、2回も言われたくない!

「じゃあね」

と最後にそういってボランティアの人はマナのもとをさっていった。まだ頭痛がする。そういえば、あの日の制服のままだ。たぶん品不足なんだろう。マナはポケットをさぐってみた。赤い笛がやはりあった。あれは夢じゃなかったんだ。でも、私は千年に一度生まれるオリアイムだとかいう話や私がねらわれているという話の全てが信じられなかった。

数日後、父が死んだと報告された。でももう涙はなかった。なんという短い間にいろいろなことが起こったことだろう。もう何がなんだかわからなくなりそう。これからどうしよう?マナはポケットをさぐって赤い笛でも出してみた。そしてそれをじーと見つめた。

……やっぱやめた。他の世界になんか行きたくない。それにヴォーキイルとかなんたらという感じの不審者は見ていない。見たのは非常食を運んできてくれるトラックだけ。

平和な日々だ。ひまだけど……。散歩でもするか、気ばらしに。陽がさんさんとふりそそぐ。つぶれた家が多い。でも人々はいそがしそうに歩きまわっているし、あの日よりもずーとマシだろう。ボランティアの人の話だとここはずいぶんと家から遠いところにあるらしい。家の近くの公民館はつぶれ、使える状態じゃなかったからだそうだ。それでここに運ばれた。ここは自分の家のまわりよりかはマシって感じだけど、それでもヒドイことには変わりない。それにこれを自分が起こしたとなるとゾクっとして家が少しゆれた。そんなことを考えてるうちにマナの知らない人気のないところにきてしまった。どうやら散歩で迷ってしまった。なんてドジ、それともバカ? ハァとマナはためいきをついた。その時背後でゴンッと音がしたかと思うと、いきなり後ろから口にハンカチを当てられた。するとだんだん眠たくなってきて……って睡眠薬!


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