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ノート晒し 6ページ目

「なっ、なんて……めちゃくちゃな……」

「なら、このがれき一人でどかせられる?」

マナはちらっとあのがれきの山を見た。大きくて重たそう……。女の子一人じゃムリだ。それはわかっている。でもいきたくない……。でもそうするとお母さんが……。

「わかった。それでいい。でもちゃんとお母さんを助けてよね」

「いわれなくとも、わかっているさ」

といいながら、いつの間にか、いろんながれきが他の場所へ空中をすっとんでいく。そして下から現われたのは、血まみれの母だった。固まっているマナをよそにライドは

「癒術が使えるやつはいるかー」

と黒い集団にむかって叫んでいる。だが、いなそうである。いないとわかるとライドは母のところにむかい、かがみこんだ。そしてしばらくするとマナの前に来て

「君のお母さんは残念だが……」

いやだ。いやだよ。もうそのさきは聞きたくない!

気まずい沈黙を破ったのは一人の黒い服の人だった。

「隊長もう時間がありません」

「しかたない。約束だ」

えっ、もういかなくてはならないの?

「ぼくは君のお母さんを助けられなかった。約束は無効だ。だが、これは命令だからなー。あっ、そうだ。いつかこっちに来たくなったら、これを吹くといい。ぼくが出てきて、こちらの世界に連れていってあげるよ」

というとライドは懐から赤い笛をとり出した。

「隊長~。もう本当に時間が~!」

「わかってるって! いつかまた会おう。あとまた頭痛がしてもそれはレミングボールのせいだから。じゃあね」

といってライドはマナの手に笛をおくと黒い集団へむかい走っていく。

「だからレミングボールって何よー」とマナが言い終わる前に「ボンッ」と大きい音を出して、あの不思議な集団はどこかに消えた。マナは「ハァー」とため息をつくと笛を制服のポケットに入れた。そして母の前に立った。

「お母さん、本当に死んでしまったの?」

血まみれで、見るもむざんな母がそこにいた。何をいっても返事はもう返ってこない。

いつのまにか涙がこぼれていた。その時するどい頭痛がした。目の前がくらくらする。これがライドのいっていたあれかと思ったが、ひどすぎだよ。目がかすんでいく。そしてマナは気を失った。


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