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「マナというのだね。ぼくはライド。今は第十九派遣部隊の隊長をやっている」
黒い服の人たちをさしながらいった。
「ぼくたちは、君を助けるためにきたんだ。君はヴォーキイルと名乗る組織にねらわれている」
「なんでよりによって私なの?」
「それは君がオリアイムという千年に一度生まれる強い魔力をもった子だからだ。今まで君はそれほど大きい魔法をつかっていなくて、ヴォーキイルやぼくたちはオリアイムがだれなのかわからなかったが、これほど大規模な魔法を使ってしまったとなると、ヴォーキイルもぼくたち同様、君がここにいるとわかってしまったと思われる。だとすると君は非常に危ない立場にいるんだ。だから今からぼくたちの国へ来てほしいと思う。ぼくたちの国ならヴォーキイルから君を守ってあげられるし、どうだい?」
「ご、ご冗談を……」
とマナはいいながら少し後ずさった。ムチャクチャすぎる。なんでこうなるの?
「冗談じゃない!」
ライドが言い返す。
「そうだとしてもムチャクチャすぎる。ヴォーキイルやオリアイム?それに私が命をねらわれてるって? ふざけないで。いきなりきた人にそんな話されたって、信じるわけないじゃない。それに学校からここまで来るとき、私の命をねらっているようなあやしい人みかけなかった。どこに証拠があるというの?」
とマナはいうとライドをにらみつけた。
「それに私は今あのがれきの下にいるお母さんを助けなくちゃいけないし、お父さんだって探さなくてはいけないのに、どうしてあんたの国なんかに行かなくてはならないの? それにもういいでしょ。私やらなくてはならないことがあるから」
とマナはいうとライドに背をむけて母のいるがれきのほうに行こうとしたがライドに止められた。
「まだ何かごようですか?」
つっけんどんに言うマナに
「ぼくたちが君のお母さんを助けてあげたら、ぼくの国へ来てくれるか?」