表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/20

ノート晒し 1ページ目

あの日、あんな事をしなかったなら、あんなことにはならなかったのかもしれない。

もしも、あの時ちがう選択をしていれば……。そうやって私は永遠に悔やみつづけるだろう……。



私はがれきの街を歩いていた。いろんなところに死体が転がっている。人々はこのありさまを見て、ぼうぜんとしていた。血だらけの街……。そこにあるのは、地獄そのものだった。

そして、その地獄をつくったのは私……。


今から2時間ほど前、私こと青井マナは我慢の限界だった。原因は教室のすみっこのほうにかたまって、うわさ話をしている女子だった。うわさの内容はたいていマナのことだった。

なぜかというとマナが自分でも分からない不思議な力を持っているからだった。

その力とは、具体的に言うと、マナがちょっとしたことで泣いたりすると(今じゃほとんど泣かないけど)それこそ洪水になりそうな雨がふったり、とてもイライラしてる時は、教室のほとんどの机がガタガタと音をたてたりするのだ。だから要するになにか強い感情が出ると、それにともない、いつも何か起きるのだ。人々は私の力をとても不気味に思っていた。そして運の悪いことにそれは最近始まったことではなく、ものごころついた頃からあることだったため、マナは昔から嫌われ、陰口をきかれていた。

だが両親と親友 中崎舞子は、そんなことは気にしなかった。マナは舞子のおかげで陰口を言われても、そうつらくなかった。マナは舞子に感謝していた。

だが1年前ぐらい前に舞子は死んだ。交通事故で……。その日は涙枯れるまで、いや枯れても泣き続けた。そのおかげで、近くに雷が落ち、大規模な洪水が起きた。

舞子が亡くなった日からマナはまわりの陰口がとてもつらく感じるようになった。

毎日がつらかった。言葉で言い表せないほど、つらかった。前は舞子がいたからこそがんばれた。

でも今は……。自殺してしまおうかと思ったことも何度もあったが、マナにはできなかった。死にたくはなかった。それに怖かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ