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ノート晒し 18ページ目

「ごめんね。部屋めちゃくちゃにしちゃって」

 マジュが謝ってきた。ならやるな、とマナは言いたかったが、なんとかなりそうなので

「もういいよ」

 と答えた。ドアの吹き飛んだ廊下には爆発をききつけた人でいっぱいになっていた。

「……またティアラ様のしわざかい?」

「……イリンダ様が可哀想だ。前の家庭教師は、ティアラ様が勉強中に脱走してばかりで、とうとうノイローゼにかかって、そいで代わりにイリンダ様が教えることになったんだもんな。本当にお気の毒に……」

 はっきり聞こえたわけではないが、話の内容はわかった。だがこれを起こしたのはティアラでなく、マジュだ。マナは首をかしげながら、マジュを見つめた。

「えっ、何?」

 マジュがマナの視線に気づき聞く。

「ねぇ、マジュ、ティアラってだ……」

 とマナがいうなり、マジュはマナの口を塞ぐと耳元で

「あともう一つ謝らなくてはならないことがあるの。私の本当の名前はマジュでなく、ティアラなの。つまりマジュは偽名なんだ……」

 えっ……。

「ごめんね。なんか色々。私ね、お姫様とかそういうのはなしで、普通に接してもらいたかった。普通の子として……。いつもお姫様だとバレると、みんな機嫌をとったり、それまで使っていなかったのに敬語なんて使ってさ。本当にウンザリするんだもん。マナはそんなことしないでね。これからよろしく」

 ティアラは笑顔でいった。

「うん」

 マナはその笑顔につられるまま頷いた。

「ふぅ~やっと終わった。こんな感じでいいか」

 イリンダは部屋の修理を終えたようだ。ピッカピカというほどではないが、きれいに直っていた。

「さぁ、姫様勉強ですよ」


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