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ノート晒し 17ページ目

 イリンダは今までとうってかわってニコニコとそういうと、パラグライダーに触れてそこに大きい穴をつくってしまった。嫌な予感がする。

「あのイリンダさん……」

 とマナが呼びかける。だがイリンダに無視された。そしてイリンダは、

「姫様、今すぐ降ろしてあげますから」

 といった。マジュの顔が真っ青なのが一瞬見えたが、すぐにそれは視界から消えた。意味のないパラグライダーと共に地面へ落ちていくマジュの叫び声が聞えたが、もう遅い。あとは地面にぶつかって死ぬだけだ。どんどん小さくなっていく。今度こそダメだとマナは思ったが、また空中で止まった。そして上に上がってきた。マジュは顔色こそ悪かったが、傷一つなかった。

「これで懲りましたか? 結構楽しかったでしょ、バンジージャンプ」

 イリンダが微笑む。ライドがいっていたことは決してでたらめではなかった。

「もう何もやらないから、ちゃんとした床にゆっくり降ろしてください」

「絶対にね」

 とイリンダはマジュを部屋の中央に降ろした。そして部屋を見回す。部屋の天井には穴が開いており、上の階の部屋が見えている。また床は焼け焦げ、物は壊れて散乱してと、とにかくひどいありさまだった。

「今から勉強といきたいところですが、まずこの部屋をなんとかしなければ」

 とイリンダが言った瞬間、マジュの顔が少し明るくなったのをマナははっきりと見た。

「手間のかかること……」

 とイリンダはブツブツ呟きながら、部屋を修理していく。たぶん魔法を使っているのだろう。イリンダ自体はほとんど動いていなかったが、がれきが空中を飛びかい、みるみるうちに床の焼け焦げが薄くなって消えていく。その中をマジュはほふく前進でマナのところへ逃げてきた。


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