ノート晒し 15ページ目
「ごめんなさい。少し隠れさせて」
といって、その子はベッドの下にもぐり込んだ。部屋の外がだんだん騒がしくなってきた。いろんな人の声や足音が聞こえる。だがすぐにその音は消えていった。
「フゥー」
といってその子はベッドの下から這い出てきた。
「ごめんね。いきなり入ってきて。私マジュっていうの。あなた今日来たんだよね。名前教えて」
マジュは笑いながらいった。
「マナだけど、誰かに追われているの?」
単刀直入に聞く。
「ちょっとサボちゃって。エヘヘ」
おいおい。サボる人多くねぇかここ。
「ねぇマナってさ、どこから来たの?」
「日本」
「ニホンとかいう地名あったかな」
とマジュは首をかしげている。そういえば、ここ地球じゃなくてティラストだった。
「日本は地球にあるんだ」
少しつけたす。
「地球から来たんだ。なんかすごいね。地球って魔法が使えない人しかいないって本当?ねぇ、地球のこと色々教えて。仕事柄行ったことないから、そういうこと前から興味があったんだ」
とマジュはいった。マナは固まった。
魔法が使える人が全くいないわけじゃない。たぶん。
だって私は普通に魔法らしいものが使えたから。でも同じように魔法が使える人が他に地球にいるかは分からなかった。そもそも魔法を使える人ってどれくらいの人のことを指すのだろう?スプーンを曲げる人まで魔法の範囲に入るのだろうか……そんなことを考え始めた時、コンコンとノックの音がした。